08.15
「農水省職員の1日vlog」公式ショート動画で露呈した官僚の長時間労働問題。「大丈夫か」と心配の声も
農林水産省がSNSで公開したショート動画「農水省職員の1日vlog」が、思わぬ形で波紋を呼んでいる。
出勤から退勤までの、若手職員の1日を紹介する1分弱の動画だが、業務終了が午後9時45分、退勤が午後10時とされていて、残業問題を心配する声が相次いだ。
かねてから霞ヶ関の官僚の長時間労働は問題となっており、いわゆる「過労死ライン」と呼ばれる基準を超えた残業時間の実態についても各社が報道してきた。
広報用動画での午後10時退勤に「大丈夫か」の声。「労働環境を暗に訴えるため」?
話題となっている動画は8月上旬、農水省の公式YouTubeとInstagramアカウントに公開された。YouTubeのショート動画では15万回再生されている。
農水省のYouTubeアカウント「BUZZMAFF」は以前から、職員による動画発信が人気で、頻繁に話題になってきた。
今回のショート動画では、午前9時半の登庁から、8/6・7に開催されたイベント「こども霞が関見学デー」の準備やショート動画編集など1日を通した若手職員の仕事の様子を動画で記録していた。
公式で公開した動画にも関わらず、退勤時間が午後10時となっていたことから、視聴者から「当たり前のように10時まで残業。大丈夫か」「激務」など、職員を心配する声が上がっていた。
霞ヶ関の深刻な残業問題がすでに報道されていることもあり、以下のような意見も上がった。
《広報用として世間に見せる姿で22時退勤か。動画回していなかったら一体何時まで労働してるのだろうか》
《22時まで残業は民間ではかなりキツイ方だと思うので、常態化しているのかイベント前だけの年に数回なのか等の情報も知りたい》
《霞が関の別省庁で働いている者です。動画見てて何の違和感も感じなかったけど、民間から見たらやっぱり異様なんですかね》
一方、「これは農水省職員が過酷な労働環境を暗に訴えるために作ったんじゃないか…」「PRに見せかけた中の人の悲痛がよく伝わる」と、長時間労働の「告発動画」なのではないかと指摘する声もあった。
動画のキャプションでは「イベント直前で少し忙しいですが、頑張りますね!」「無事終わるまで駆け抜けます」とつづっていたため、イベント前だから午後10時までの残業があったのかもしれないとの指摘もあった。
霞ヶ関の長時間労働・残業問題
霞ヶ関の官僚の長時間労働や残業の問題はかねてから指摘されてきた。
特に、国会対応中の残業は終電後の午前1時や、場合によっては午前5時などになることもあると報道され、対応が求められてきた。
いわゆる「過労死ライン」を超えた120時間の残業などの証言もあり、常態化している長時間労働が露呈していた。
2024年4月には人事院が調査を行った結果を発表。2024年度以降、勤務時間調査・指導室では各府省を直接訪問し、勤務時間の管理等に関する調査を実施。「超過勤務縮減に向け、その基礎となる超過勤務時間の適正な管理やその他の指導・助言等をしています」としていた。
2020年には、霞ヶ関での働き方を懸念した民間企業の代表などが発起人となり、「霞が関の働き方改革に関する提言」を2万6千筆以上の署名と共に河野太郎国家公務員制度担当相(肩書きは当時)に提出。
「各省庁を午後10時から午前5時まで完全閉庁」などを提案しており、ワーク・ライフバランス社の呼びかけにLINEヤフーやサイボウズ、ドワンゴの代表取締役社長らが賛同し発起人に名前を連ねていた。
2020年6月から7月にワーク・ライフバランス社が実施した「コロナ禍における政府・省庁の働き方に関する実態調査」では、約4割が100時間を超える残業をしていると回答していた。
Source: HuffPost




