08.07
インドネシアでワンピースの海賊旗が「抗議のシンボル」に。独立80周年を前に各地で掲げられる
東京のJUMP SHOPに展示された『ワンピース』の主人公モンキー・D・ルフィ(2019年11月19日)インドネシアで、8月17日の独立80周年の記念日を前に、日本の人気漫画『ワンピース』に出てくる海賊旗が各地で掲げられ、ネット上で話題になっている。
住宅の屋根やトラックなど、さまざまな場所に掲げられているのは、『ワンピース』の主人公モンキー・D・ルフィが結成した海賊団「麦わらの一味」の海賊旗だ。
ワンピースはインドネシアでも人気の作品だが、なぜ麦わら帽子をかぶったドクロが描かれた海賊旗が、独立記念日前に出没しているのだろう。
なぜ『ワンピース』の海賊旗を?
インドネシアでは、独立記念日は赤と白の自国の旗を掲げるのが慣わしだ。
しかし独立80周年の節目である2025年は、インドネシア政府に対する抗議や批判、不満の表明として『ワンピース』の海賊旗が国旗の代わり、もしくは国旗とともに掲揚されているという。
トラック運転手のラフマットさんは、生活必需品の高騰など、厳しさを増す経済状況に対する平和的な抗議として、車両の荷台に国旗とともに『ワンピース』の海賊旗を掲げたとテンポ誌に述べている。
ラフマットさんの職場にあるトラック6台のうち5台に海賊旗が掲げられているといい、「旗をきっかけに政府は低所得層の声に耳を傾け、これ以上生活が苦しくならないよう、特に雇用の創出に取り組んでほしい」という考えを語っている。
インドネシア・ムラワルマン大学出身のファルハン・リズクッラーさんは、「プラボウォ大統領が8月に1カ月間国旗を掲げるよう国民に呼びかけた後にこの動きが広まった」と投稿プラットフォーム「Medium」に書いている。
プラボウォ大統領は、国の英雄たちへの敬意と愛国心を示す手段として国旗掲揚を求めたという。
しかし、特に低所得層に対して効果的な政策を打ち出せていない政府からの呼びかけは、多くの人にとって“パフォーマンス的な愛国主義”の押し付けと感じられた、とリズクッラー氏はつづっている。
「そこで彼らは、自分たち自身の象徴で応えました。麦わらの一味の旗を掲げることは風刺的な反抗の行為で、不正義と考えられる現状や、国民の福祉よりも権力維持を優先していると思われる政府に対する象徴的な抗議の形なのです」
インドネシアの国旗は赤が勇敢さ、白が純潔や誠実さを象徴している。
サウスモーニングチャイナポストによると、SNSには「権力者にいまだに支配されているこの時代に、赤と白の国旗はあまりにも神聖すぎて掲げられない」「(海賊旗は)この国に蔓延する不正義への抵抗の象徴だ」というコメントが書き込まれている。
政府は反発
一方、アンタラ通信によると、インドネシアのブディ・グナワン政治・法務・治安担当調整大臣は、『ワンピース』の海賊旗の掲揚について、「国家の象徴である赤と白の国旗に対する潜在的な脅威とみなされる可能性がある」と危機感を示した。
インドネシア政府はこれまでのところ、海賊旗の掲揚を明確に禁止してはいない。しかしグナワン氏は、「赤と白の国旗より上に、他の旗を掲げることは法律で禁止されており、海賊旗は冒涜行為と見なされる」という考えを示している。
アジアニュースネットワークによると、刑事罰の可能性を示唆する政府の姿勢に対し、市民からは「海賊旗は政府への批判表現として受け止めるべき」という反発の声が上がっている。
Source: HuffPost




