2025
08.05

ガザの飢餓問題を訴えた国境なき医師団の米事務局長、予想外の質問に言葉を失う

国際ニュースまとめ

深刻な栄養失調に陥ったパレスチナ人の赤ちゃん。ガザ地区の避難所で撮影(2025年8月4日)深刻な栄養失調に陥ったパレスチナ人の赤ちゃん。ガザ地区の避難所で撮影(2025年8月4日)

ガザの人道危機について訴えた国境なき医師団(MSF)アメリカ事務局長のアブリル・ブノワ氏が、ニュース番組での質問に戸惑ったような表情を見せた。

ブノワ氏は8月3日、ABCのニュース番組「This Week」に出演し、イスラエルが飢餓と支援物資を“武器化”していることによりガザの人々は飢え、攻撃で負傷していると訴えた。

「私たちは悲惨な怪我をした人々を診察しています。全身にIII度熱傷を負った人々、顔が吹き飛ばされた子どもたちなど、重症外傷の患者が運ばれてきています」

ブノワ氏は番組で、イスラエルとアメリカ政府が「支援」を掲げ立ち上げた「ガザ人道財団(GHF)」の問題も指摘。

GHFがガザ南部にある3カ所の配給拠点で支援物資を配布するたびに混乱が起き、国境なき医師団の診療所に多数の負傷者が運ばれてくると述べた。

MSFは6月、GHFは配給所まで長い距離を歩かせてわずかな食料を奪い合うことを強いており、「援助に見せかけた虐殺」だと非難する声明を出した。

ブノワ氏も、危険な場所に設置された配給拠点に来たガザ住民がイスラエル兵やアメリカの傭兵から銃撃されているだけではなく、銃撃による混乱で押しつぶされて負傷したり、亡くなったりしていると語った。

イスラエルによる攻撃と封鎖が続きガザ全域で飢餓が深刻化する中、わずかな食料を求めてネツァリム回廊に殺到するパレスチナの人々(2025年8月4日)イスラエルによる攻撃と封鎖が続きガザ全域で飢餓が深刻化する中、わずかな食料を求めてネツァリム回廊に殺到するパレスチナの人々(2025年8月4日)

ブノワ氏がガザの危機的な現状を訴えた一方で、番組司会者のジョージ・ステファノプロス氏が質問で取り上げたのが、ハマスが公開したイスラエル人人質の映像だ。

ハマスは8月2日、やせ細って栄養失調だとわかる人質のエビヤタル・ダビド氏がトンネル内と思われる場所にいる映像を公開した。映像に対し、イスラエルやアメリカ当局などから怒りの声が上がっている。

ステファノプロス氏が「こういった映像を公開するのは、一種の戦争犯罪ではないですか?」と問いかけると、ブノワ氏は数秒間言葉を失った後、「映像の公開のことですか?」と尋ねた。

ステファノプロス氏がそうだと答えると、ブノワ氏は食糧支援が不十分なガザでは、人質も恐ろしい状況に置かれており、すべての住民が飢餓にさらされていると改めて訴えた。

「食料支援がまったく搬入されなければ、援助ワーカーを含め全員が危険にさらされます。私の同僚たちも2日に1回しか食事ができれず、あちこちで食料を探しまわっています。ガザの全員がそうであることは想像できるはずです」

「問題の一つは、支援物資の搬入がイスラエルの管理下に置かれているという点です。だからこそ、私たちはこのジェノサイドで、イスラエルに人道的な対応を求めているのです」

「もちろんアメリカがイスラエルの行動を支持していることは、アメリカ自身も共犯関係にあることを意味します。明らかに関連があるのです」

ブノワ氏は最後に、人質や市民、家族、子どもなどガザにいるすべての人のために永続的な停戦を求めた。

ブノワ氏ら医療関係者を含め、支援活動家や以前にGHFに雇用された警備会社などもガザの悪化する人道危機に警鐘を鳴らしている

ガザ南部ハンユニスにあるナセル病院で働く整形外科医サルガウィ医師は8月3日に行われた「ジェノサイドに反対する医師団(Doctors Against Genocide)」のパネルディスカッションで、GHF関連の負傷者が1日に400~500人運び込まれており、救急処置室での死亡率は50%にのぼると述べた。

サルガウィ氏は支援物資配布所での虐殺について「私から見れば、兵士たちにとって一種の娯楽なんです」と語っている。

「彼らにとってはゲームのようなものなのでしょう。食料を受け取りに来た空腹の民間人を撃つ正当な理由など、どこにもないのですから」

ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。

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Source: HuffPost