08.01
カニの両手にイソギンチャク、引き裂いて再生させる衝撃の瞬間が捉えられる
ボクシングとチアリーディングが融合したような姿のポンポンクラブ(Lybia edmondsoni)。別名「ボクサークラブ」とも呼ばれるこの小さなカニは、毒を持つイソギンチャク(Triactis producta)を左右のハサミに携え、まるで“生きたボクシンググローブ”のように使います。
このカニは、もし片方のイソギンチャクを失ってしまっても諦めません。残った片方を自らの爪で真っ二つに引き裂き、クローン増殖させて2つに復元するという驚きの行動をとります。この“再生”の瞬間が、BBCとデイビッド・アッテンボロー氏が手がける新ドキュメンタリーシリーズ『Parenthood』で、世界で初めてカメラに収められました。
Aquarium of the Pacificによると、ポンポンクラブは、爪に固定されたイソギンチャクとの共生・寄生的な関係性で知られています。美しい甲羅をまとっており、餌の捕獲の手助けとして、爪部分がイソギンチャクをつかむように進化を遂げたといいます。ハワイの固有種で、深さ20メートルほどの場所に生息し、岩やサンゴの影などに身を隠しています。
『Parenthood』の映像では、母ガニが生きたイソギンチャクを武器に、ライバルと戦う様子が収められています。
ifl scienceによると、イソギンチャクにとっては真っ二つに裂かれる過酷な運命ですが、この行動は遺伝子的多様性の低いイソギンチャクを生み出すといいます。つまり、無性生殖を促し、引き裂かれた個体がそれぞれのクローンとして存在するということです。
イソギンチャクにとっては、カニの“ボクシンググローブ”として暮らすことで、単独生活では得られない豊富な食物と酸素を享受できるという利点もあるといいます。
ポンポンクラブの生態を捉えた『Parenthood』は8月3日、BBC Oneで放送されます。
Source: HuffPost




