08.01
猫の熱中症に要注意。初期サインや予防法、応急処置の方法は?

「室内で飼っているから大丈夫」と安心していませんか?じつは、涼しい場所を自分で選べるはずの猫でも、環境や体調の条件が重なると熱中症になることがあります。
猫の熱中症の兆候と対処法、そして未然に防ぐための習慣について、高野動物病院(川崎市中原区)の新井田修輔院長にお聞きしました。大切な家族を熱中症から守りましょう。
見逃しがちな猫の熱中症の初期サイン
「『猫は暑さに強いから、熱中症になりにくいだろう』と思われがちですが、だからこそ気をつけてあげてほしい」と話すのは、高野動物病院の新井田修輔院長。実際に今年もすでに熱中症で運ばれてきた室内飼いの猫を診療したといいます。
「子猫、ペルシャやエキゾチックショートヘアといった短頭種、肥満、高齢、基礎疾患あり、といったことに当てはまる猫は熱中症のリスクが高いとされています」(新井田院長)

熱中症の初期のサインとして多く見られるのは「ハアハアと呼吸が浅く速い」「舌を出して喘ぐ」「耳や体が熱い」といった症状。
「とくに、犬とは異なり、通常猫は舌を出してハアハアと喘ぐような呼吸はしないので、その症状が見られたら注意が必要です」(新井田氏)
さらに、猫の平熱は人間より高く、普段の状態を知らないと気づきにくい、という特徴も。ぐったりした様子や白目の充血があるようなら、さらに警戒すべきとのこと。
実際にあったケースでは「30分程度の高温環境でも熱中症になった」とのことなので、閉め切った部屋やクローゼットに閉じ込められた状態は非常に危険といえるでしょう。
「空振り」でもいいから、すぐに動物病院に連れていく

「もしかして熱中症かも」と思ったら、まずは猫を涼しい場所に移動させること。エアコンのきいた部屋で安静にさせ、水が飲めるようであれば飲ませましょう。
次に、猫の体を冷やします。このとき大切なのは、「冷やす場所」と「冷やし方」。具体的には、常温の水に濡らしたタオルで全身を包みます。その後、扇風機やうちわを用いるなどして風を送るとさらに冷やす効果がアップします。
そして、首や脇の下、股といった血管の集まる部位に、タオルを巻いた保冷剤をあてましょう。温まったり乾いたりしたタオルは、新しいものと交換することも忘れずに。
「氷水を直接かけることは控えてください。皮膚表面の血管が収縮してしまい、かえって体内の熱が下がりにくくなります」(新井田氏)
こうした応急処置をしても体温が下がらず、呼吸も速いままならただちに病院に行きましょう。
「重症化すれば命にかかわる危険な状態になるケースもあります。病院に行くか迷っている飼い主に対しては、いつも『“空振り”でもいいから連れてきてください』とお伝えしています」(新井田氏)
熱中症予防の基本は「室温管理」

猫の熱中症予防の基本は、室内の温度管理だといいます。エアコンは日中だけでなく、夜間でも室温によっては使用しましょう。複数の部屋がある場合、「暑い部屋」から「涼しい部屋」への移動が自由にできる環境にしておくことも重要です。
「夏場に猫をお留守番させるときにもエアコンは必須。ただ人感センサー機能がペットに反応しないエアコンもあるので要注意です」(新井田氏)
また、水分補給は大きなテーマですが、猫は本来あまり水を飲まない生き物。
「無理に飲ませようとしなくても大丈夫。清潔な水を複数の場所に設置したり、好みに応じて循環式給水器を使ったりするのもおすすめです。食欲があるなら脱水の心配は少ないものの、ウェットフードやスープタイプのおやつなど、食事で工夫することもできます」(新井田氏)
「いつもと様子が違うかも」という直感が愛猫を救うきっかけになることもあります。室内飼いだからという油断は禁物。今日からできる予防法や、いざというときの応急処置を知って、備えておくことが愛猫の命を守ることにつながります。
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Source: HuffPost

