07.30
性的同意ちゃんと取れてる?クイズで確認。性教育キャンペーンや国内最大規模の意識調査も。「SRHR for JAPAN」がスタート
国際NGO「プラン・インターナショナル」は7月30日、日本におけるSRHR(性と生殖に関する健康と権利)の実現を目指すキャンペーン「SRHR for JAPAN #一億人のためのSRHR」をスタートした。
プラン・インターナショナルは、キャンペーンの始動に際し「日本社会がジェンダーギャップを克服し、すべての人が自分の心と身体、人生や人間関係について自らの意思で選び、決めることができる社会の実現のためには、SRHRを積極的に推進することが求められている」としている。
都内で同日、会見を開き、キャンペーンについての説明と、SRHRに関する国内最大規模の意識調査の結果「SRHR white paper(白書)2025」を発表した。
SRHR for JAPANの会見で話す、プラン・インターナショナルの長島美紀さんプラン・インターナショナルはSRHRを「自分の身体と人生を自分で決めるための基本的な権利」と位置付け、中には「性教育」「避妊とその選択肢」「安全な妊娠・出産」「HIV・AIDSを含む性感染症対策」などが含まれる。
キャンペーンは、①教育現場・地域との連携実践、②政策・制度改訂に向けた提言、③広報・社会啓発、④企業・団体とのアライアンス強化ーーの4本柱で2028年8月までの期間、シャネル財団の助成を受けキャンペーンを進めていく。
具体的には、「1億人の性教育」キャンペーンの実施や教材開発、イベント実施、企業・著名人と連携した企画や発信などを展開する。
SRHR for JAPANの特設サイトで公開された、性的同意についてクイズ形式で知れる「性的同意模試」2025年末に第6次男女共同参画基本計画、2027年には学習指導要領が改訂予定で、それらの政策プロセスに「現場の声と若者のニーズを届け、命と体を守る学習を拡大すること」を目指してキャンペーンを進めていく。
プラン・インターナショナルの長島美紀さんは「SRHRが欠如すると、自分の体や選択が尊重されず、正しい情報や医療にアクセスできないということや、教育の継続やキャリアの選択にも影響が及ぶ」とし、SRHRの重要性を指摘した。
「SRHRが浸透していないと感じる」と産婦人科医
産婦人科医の宋美玄さん産婦人科医の宋美玄さんは、キャンペーンの始動に際し、医療現場での状況を共有。特に月経や避妊、妊娠、中絶の理解や性被害をめぐっては「現場ではSRHRが浸透していないと感じることに遭遇することが多い」と話した。
陣痛が来るまで病院にかかれない10代の若者が相次いでいるケースや、非がない性暴力の被害者が「私が悪い」と感じてしまう例などを挙げ、「避妊、中絶、出産など、自分の体のことを偏見なく決めるということが実現できていないと感じる。幼い頃から包括的性教育を学ぶことが重要」とした。
SRHR白書2025を公開。1万人への意識調査から見えてきたこと
同日発表されたSRHRに関する国内最大規模の意識調査の結果「SRHR white paper(白書)2025」は、全国の15歳〜64歳、1万人を対象にオンラインで実施した。(調査は2025年4月に実施)
調査結果からは、SRHRや性的同意への理解度などの実態が明らかになった。
まず、SRHRという言葉を知っている人は回答者の4人に1人。内容を把握しているのは10人に1人に留まった。10~20代の認知率は35.5%(全体では24.7%)、理解度は16.0%(同9.2%)など、若年層はより高い傾向が見られた。
SRHRは「重要」と答えた人は74%だった一方で、「日常で尊重されている」と感じる人は28%と低く、意識と実感に大きな差があった。プラン・インターナショナルは「ギャップ解消のために教育と情報提供が不可欠」だとしている。
「性的同意」、認識と理解、実践している人の割合にギャップ
「性的同意」という言葉については、認知率は85%だったものの、「意味をきちんと理解している」と回答したのは54%。「学校や家庭で学んだ経験がある」人は18%に留まった。「毎回同意を確認している」人は28%だった。
性的同意の学習経験は、10代では51%だったが、20代で31%、40代で12%と世代間で大きな差も見られた。
性的同意の認知・理解と学習経験についての調査結果「ネットの間違った情報で相手を傷つけることも」正しい情報の発信の重要性
また、10代の68.4%が「性に関する知識を学びたい」とする一方で、55%が「学校や家庭で十分に情報を得られない」と回答。
性の知識を得る主な手段としては、SNS(31%)、ネット情報(27%)などが 多く、偏りが見られた。
プラン・インターナショナルの長島さんは「現在はSNSやインターネットで簡単に情報を得られますが、性に関してネットの間違った情報を鵜呑みにすると、相手を傷つけてしまうことも。日本ではまだまだ残念ながら、学校では教わらないこともある。自分の心と体を守るために、正しい情報を得ていくことが大切」と話した。
(取材・文=冨田すみれ子)
Source: HuffPost




