2025
07.25

ミソジニーやポルノの有害な影響を学ぶ性教育、英で義務に。「学校で女性蔑視的な態度が急増」

国際ニュースまとめ

イギリス政府は7月15日、ミソジニー(女性蔑視)やポルノなどの有害な影響から、子どもや若者を守るための新しい教育ガイダンスを発表した。

この「人間関係と性教育(RSE)」ガイダンスに基づき、すべての中等学校(11〜16歳までが通う学校)で、ミソジニーやポルノがもたらす悪影響のほか、インセル(恋人ができないのは女性のせいだと憎悪を募らせる男性)カルチャーやマノスフィア(男性至上主義のコミュニティ)についても学び、ネット上の誤った情報に対処する方法を身につける。

【イギリスの中等学校で義務付けられるようになる教育の一部】

・ミソジニーなどの偏見を有害と認識するための方法

・ポルノが女性蔑視的な態度や行動に与える悪影響

・インセルや女性蔑視的なインフルエンサーが良しとする性的規範など、一部のサブカルチャーが性に関する倫理観に与える影響

・恋愛や性的関係における「同意」や「境界線」を認識し尊重する方法

・相手が望まない性的な言葉や注目、接触、同意なしの性的画像の撮影や盗撮は性的ハラスメントであることを教える

・オンライン上で個人情報を共有する時に気を付けるべき点や、個人情報が拡散されてしまった時の対処法

良い男性のロールモデルを見つける

ガイダンスはポルノについて「ミソジニー的な行動や態度が描かれている場合があり、ネガティブな影響を与える可能性がある」としている。

また、AIやディープフェイクがミソジニーにつながる場合があると指摘。有害なディープフェイクを見分ける方法についても学ぶ。

性的同意については、一度同意した後でも、撤回したり拒否したりする権利が常にあるということも教えるという。

そのほかにも、他者を尊重し思いやりのある対人関係を築く方法やいじめの影響、スパイキング(飲み物への薬物混入)の問題、SRHR(性と生殖に関する健康と権利)など、人間関係や健康教育のカリキュラムも拡充される。

英教育省が、これらの教育を行う上で重要だとしているのが、男子生徒のためのロールモデルだ。

ガイダンスでは、男の子や若い男性たちが良いロールモデルを見つけ、少年であることをスティグマ化せずに、ネット上で拡散されている誤った情報を批判的に受け止めるのを助けるとしている。

新カリキュラムは2025年秋の新学期に導入され、2026年9月からはすべての学校での実施が義務付けられる。

「中等学校で女性蔑視的な態度が急増」と警告

このガイダンスの作成に影響を与えたのが、Netflixのドラマ『アドレセンス』だ。

13歳の少年が同級生の女子生徒を殺害した容疑で逮捕されるという同作は、イギリスで教育関係者や親、政治家などを巻き込んだ大きな議論巻き起こした

このドラマはフィクションではあるものの、描かれた内容が現代社会の問題を浮き上がらせていることは調査からも垣間見える。

英教育省の調査によると、11〜19歳の生徒の3人に1人以上(37%)が過去1週間で「女子の安全に不安を感じさせるような発言」を耳にしたと回答。半数以上(54%)が「ミソジニーだと感じるコメント」を見たと答えた。

また、7〜10歳の女子の5人に1人以上(22%)がオンライン上で「不適切な画像」を目にした経験があり、ポルノに初めて接触する平均年齢は13歳だった。

教育省は「中等学校で女性蔑視的な態度が急増している」と警告しており、教師も4人に3人がネット上のミソジニーが生徒に与える悪影響を懸念していると回答している。

フィリプソン教育相は今回のガイダンスについて「子どもたちには、オンライン上に存在する悪意ある力に立ち向かう力を備えてほしいと思っています」「良識と敬意を持った大人へと成長し、現代社会に備えることは、政府にとって最も基本的な使命です」と述べている

イギリスのフィリプソン教育相(2025年7月15日撮影)イギリスのフィリプソン教育相(2025年7月15日撮影)

スクールリーダーの組合ASCL(学校・カレッジリーダー協会)で特別支援教育とインクルージョンを担当するマーガレット・マルホランド氏は「残念ながら、多くの少年たちはオンライン上で有害な女性蔑視的コンテンツにさらされており、現実世界での行動にも影響を及ぼしています」とコメントしている。

「今回のガイダンスがこうした問題への対応に焦点を当てているのは、タイムリーで歓迎すべきことです」

「少年たちにただ『何が悪いか』を教えるだけでは不十分です。ポジティブな男性のロールモデルについて教える必要があります。その点がガイダンスに反映されていることも嬉しく思います」

マルホランド氏は、「ソーシャルメディア企業も有害なコンテンツを削除し、特に子どもや若者を悪影響から守る必要がある」と指摘し、政府や教育関係者や親だけではなく、この問題における企業の責任も強調している。

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Source: HuffPost