2025
07.25

チンパンジーの群れで「耳に草」「お尻の穴に棒」ファッションがバズる。人間そっくりの“流行”行動が話題に

国際ニュースまとめ

アフリカ・ザンビアの野生生物保護区で暮らすチンパンジーたちの間で、耳やお尻の穴に草や棒を挿す奇妙な行動が広がっている。この行動に明確な目的はなく、まるで“ファッション”のように集団内で流行しているという。

【画像】耳に木の枝を刺すチンパンジーたち

この行動が最初に確認されたのは2010年。ザンビアの保護区で、1頭のメスのチンパンジーが耳に草を挿し始めたのが発端だった。すると仲間たちが次々と真似し始め、やがて集団全体に広がっていった。

驚くべきは、この行動には痛みやかゆみを抑えるといった理由が一切見当たらないことだ。チンパンジーたちはリラックスした状態でこの行動を楽しんでおり、「社会的伝統」や「装飾的習慣」、つまりファッションに近いものと考えられている。

イギリス・ダラム大学のジェイク・ブルッカー博士もBBCに「これはナッツを割ったり、シロアリを捕ったりするような実用的な行動ではありません。誰かが始めて、それをみんなが真似して、明確な目的がなくてもグループのアイデンティティの一部になる。これは、人間の文化的な流行が広がる様子そのものです」と語る。

この現象は10年以上経った2023年に保護区内の別の群れにも自然発生した。しかもこの群れでは、草や棒を耳だけでなくお尻の穴にも挿すというバリエーションまで見られるようになったという。新しい群れは、この行動を最初に始めた群れの生息場所から15キロほど離れていたため、直接真似することはできない。そこで注目されたのが飼育員の行動だった。

研究者のエド・ファン・レーウェン氏(ユトレヒト大学)によれば、最初の群れを担当していた飼育員たちは耳掃除のためにマッチ棒や枝を使う習慣があり、チンパンジーたちはそれを観察して真似した可能性が高いという。

そして数年後、同じ飼育員が別の群れの担当になったことで、第二のグループにも行動が伝播。さらに、このグループでは”お尻に草や棒を挿す”行動まで現れた。

「これは社会的学習によって“バズった”トレンド。人間と同様に、彼らも奇抜な行動を真似することでグループ内の一体感を得ているのかもしれない」と、レーウェン氏はCNNに語った。

この研究成果を発表したジェイク・ブルッカー博士も、今回の現象を「人間のような非実用的トレンドを、チンパンジーが自発的に生み出し、仲間内に伝えることができる証拠」だと紹介している。

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Source: HuffPost