07.24
レイプしようとした男の舌を噛みちぎり有罪になった韓国の女性、60年を経て検察が謝罪
国際女性デーを記念して韓国・ソウルで開かれた集会で「#MeToo」と書かれたメッセージを掲げるデモ参加者(2018年3月8日)約60年前に、暴行を加えようとした相手の舌を噛み切ったことで有罪判決を受けた女性に対し、韓国の検察が謝罪し、裁判所に有罪の取り消しを求めた。
コリア・タイムスによると、釜山で7月23日に行われた再審(やり直し裁判)の冒頭で、検察は性暴力被害に遭ったチェ・マルジャさんの行動について「正当な防衛行為であり、過剰でも違法でもなかった」と述べて謝罪した。
「検察には、犯罪被害者を加害行為からだけでなく、社会的なスティグマや二次被害からも守る責任があります。しかし検察は本件で、その役割を果たすことができませんでした。チェさんに心よりお詫び申し上げます」と法廷で語った。
1964年に起きた性暴力事件
中央日報英語版によると、現在78歳のチェさんは18歳だった1964年5月に、慶尚南道金海市で当時21歳の男に襲われた。
男はチェさんを強姦しようとして地面に押し倒し、舌を無理やり口の中に入れたという。
チェさんは自己防衛のために加害者の舌を約1.5センチ噛み切り、その場から逃れることができたとされる。
しかし検察が「加害者」とみなしたのはチェさんの方だった。検察は正当防衛だったとする主張を退け、チェさんを傷害罪で起訴した。
裁判所も「正当防衛の範囲を超えている」として、チェさんに懲役10カ月・執行猶予2年の判決を言い渡した。
一方、検察は加害者を強姦未遂ではなく住居侵入と脅迫の罪で起訴。加害者にはチェさんよりも軽い懲役6カ月・執行猶予2年の判決が下された。
61年間犯罪者として生きなければならなかった
性暴力の被害者でありながら、60年近く加害者として生きなければならなかったチェさん。
2013年に入学した韓国放送通信大学の教養学科を2019年に卒業した頃に、韓国でも#MeToo運動が高まったことに触発され、声をあげようと決意したという。
チェさんは女性の人権擁護団体「韓国女性ホットライン」などの支援グループの協力を得ながら証拠を集め、事件から56年後の2020年に再審を請求した。
請求は釜山の下級裁判所では退けられたものの、最高裁判所が再審を認める決定を出した。
コリア・タイムスによると、チェさんは23日の最終陳述で「61年間、私は犯罪者として生きてきました。もし私に希望や夢が残っているとするなら、それは未来の世代が性暴力のない世界で生きられることです。尊厳と幸福を持って生きられるような法律が韓国で作られることを、両手を合わせて祈ります」と語った。
さらに検察の謝罪と無罪請求を聞いたチェさんは法廷を出た後、「まだ信じられません。でも、たとえ今であっても検察が過ちを認めてくれるなら、この国には正義が生きていると信じます」と涙を浮かべながら語ったと中央日報英語版は報じている。
判決は9月10日に言い渡される予定。法律関係者の間では、検察の無罪請求が認められ、有罪判決が取り消されるという見方が強いという。
Source: HuffPost




