2025
07.07

マダニの感染症を避けるための6つの対策。医師が屋外で注意していることとは

国際ニュースまとめ

日本でも、マダニが媒介する感染症による死亡相次いで報告されていている。

【画像】マダニが媒介する感染症になった時の症状

「マダニ自体が人間にとって特に危険というわけではありません。しかし、マダニが媒介する病気が人間に感染し、危険を及ぼすことがあります」と、アメリカ・オハイオ州クリーブランド・クリニックのクリストファー・バッツォリ医師は説明する。

マダニが媒介する感染症には、ライム病SFTS(重症熱性血小板減少症候群)ダニ媒介脳炎ロッキー山紅斑熱(日本紅斑熱)バベシア症エーリキア症などがある。

マダニは蚊のように刺してすぐ飛び去るわけではなく、何時間も皮膚に吸着して血を吸う。イェール大学医学部の小児科教授ユージーン・シャピロ医師は、マダニによる感染症は(すべてのマダニが病原体を持っているわけではない)、24〜36時間皮膚に吸着することで発生すると説明する。

「マダニを36時間以内に取り除くことができれば、ライム病に感染する可能性は低いでしょう」

「もっと短時間で感染する病気もありますが、一般的に最も危険なのは、マダニに気づかず、取り除かなかった場合です。そういったマダニは長時間皮膚に吸着している可能性があります」

気候変動の影響で、マダニを媒介した感染症は増加していることがわかっており、ますます予防策が重要になっている。しかし、夏をずっと屋内で過ごすというのは現実的な対策とはいえない。

マダニを避けるための何ができるのか。日々の生活での対策を、医師や専門家に聞いた。

1. 暗い色の服を避け、肌を露出しない

マダニは一般的に濃い茶色や黒っぽい色をしているため、暗い色の服と簡単に同化してしまう。

ボストンのマス・ジェネラル・ブリガム病院の感染症専門医ダニエル・ソロモン氏は、マダニを判別しやすくするため、外出時には明るい色の服を着た方がいいと話す。

「白やベージュの服のほうが、暗い服に比べて黒っぽい小さな点の動きを見つけやすいです」

シャピロ医師は、森林や草地に入る時には、長袖のシャツや長ズボンを着るよう勧める。さらに、ズボンの裾を靴下の中に入れると、マダニが肌に触れたり刺したりするのを防ぎやすくなるという。

気温が35℃近くになるような暑さでは理想的な服装とは言えないが、マダニ対策には有効だ。

2. 虫除けスプレーを使う

虫除けスプレーは蚊対策というイメージが強いかもしれないが、マダニを防ぐものもある。

バッツォリ医師によるとマダニを防ぐスプレーは通常4〜6時間ほど効果が持続するが、大量に汗をかく場合は頻繁につけ直す必要がある。

バッツォリ医師は虫除けについて、「ディート、イカリジン、それからIR3535。この3つが、マダニ対策におすすめできる『三大有効成分』です」と話す。

DEETとイカリジンの場合は、20%の濃度の製品を選ぶのが効果的だという。

「IR3535は過去10〜20年の間、ヨーロッパで使われてきた成分で、最近アメリカでも広まりつつあります。日焼け止めと虫除けが一体になった製品などにも使われています」

3. 背の高い草むらを避ける

バッツォリ医師によると、マダニは背の高い草や森林、特に森林と開けた場所の境界を好む。

シャピロ医師は「マダニは脚にある感覚器官を使って、通りかかる温血動物を感知し、草の先端から移動して吸着する習性があります」と説明する。

マダニは落ち葉の積もった場所や低木の茂みにも生息するという。シャピロ医師は、自宅の庭に落ち葉の山がある場合は、できるだけ取り除く方がいいとアドバイスする。

「多くの人は自宅の庭でガーデニングなどをしている時に感染しています」

4. 屋外で着ていた服を室内で着続けない

ソロモン医師は「屋内に戻ったらすぐに服を脱いで、高温の乾燥機に10分ほどかけると、服の上を自由に動き回っているマダニを殺すことができます」と説明する。

ソロモン医師によると、マダニはすぐに皮膚に咬みつくわけではないので、帰宅後すぐにシャワーを浴びて、体についたマダニを洗い流すことも有効だという。

5. マダニのチェックをする

屋外から帰ってきたら、体にマダニがついていないかを家族など他の人と一緒にチェックする習慣も大切だ。

ソロモン医師は、「マダニは暗くて湿った場所を好みます。膝の裏、股のあたり、おへそ、脇の下、うなじなどです」と話す。

「もちろん、どこにでも吸着する可能性はありますが、特にそういった場所を好みますし、見えにくい部分でもあります。家族同士で協力して、普段はあまり注意しないような部分もしっかり確認する必要があります」

シャピロ医師は、もし体にマダニが吸着しているのを見つけた場合は、早期であれば先のとがったピンセットを使い、できるだけ皮膚に近い部分をつかんで、まっすぐ引き抜いて取り除けると話す。

ただし、吸着して長時間経ったマダニを無理に引き抜こうとすると、口器がちぎれて皮膚内に残り、化膿したり、マダニの体液を逆流させてしまったりするおそれがあるので、医療機関(皮膚科)で処置をしてもらった方がいい。

6. ペットがマダニを運ぶリスクを知る

人間だけではなく、ペットの屋外での行動にも注意を払おう。

バッツォリ医師は「自分たちが森の中へ行っていなくても、犬を森や公園などに放して走らせたことで、マダニを家の中に持ち込む可能性があります」と話す。

ペットのマダニ予防策については獣医師と相談するのがおすすめだ。ペットだけではなく、飼い主自身もマダニや感染症から守ることができる。

医療機関で診察を受ける

ソロモン医師によると、マダニに刺されても感染症の発症を予防する抗生物質がある。

同医師は「マダニを除去した後、ドキシサイクリンなどを72時間以内に投与すれば、ライム病のリスクを大幅に減らせます」として、医療機関で診察を受けるよう勧める。

マダニが媒介する感染症の兆候を見逃さないことも重要だ。ライム病の場合は「赤い発疹」が症状として現れる。

他にも、発熱や寒気、全身の痛みなど、インフルエンザと類似の症状が起きる場合もある。「夏風邪」だと考えて軽く見ないでほしい、とソロモン医師は話す。

「マダニが媒介する感染症の治療はあります。適切な検査と治療を受けることで比較的早く症状は改善します」

すべてのマダニが病原体を持っているわけではない。また、住んでいる場所やマダニを見つけた時期によっても感染リスクは異なる。

特に春から秋の時期はマダニを避けるための対策をとり、刺された場合は医療機関に相談して、適切な治療を受けるようにしよう。

ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。

…クリックして全文を読む

Source: HuffPost