2025
07.05

ハーゲンダッツでヒット商品を生み出す“すご腕マーケター”。育休の不安を解消した「上司の言葉」とは

国際ニュースまとめ

高級アイスクリームの代名詞的存在である「ハーゲンダッツ」。ハーゲンダッツジャパンマーケティング本部マネージャーの田子薫さんは新卒で入社以来、「ドルチェ」シリーズをはじめ、ハーゲンダッツを代表するヒット商品を生み出してきた。

プライベートでは二児の母。二度の育休を挟みながら、プラスチック資源削減の取り組みや創業40周年プロジェクトなど、社内の重要な事業も推進してきた。後編では、田子さんのキャリアを振り返るとともに、自身が携わったプロジェクトについて語ってもらった。

前編を読む>>53億円の売上を記録。ハーゲンダッツ“伝説”の「ドルチェ」シリーズとは?大ヒットの裏側を聞いた

ハーゲンダッツ ジャパン マーケティング本部マネージャーの田子薫さんハーゲンダッツ ジャパン マーケティング本部マネージャーの田子薫さん

二度の育休を取得。背中を押された上司の言葉とは

――ハーゲンダッツジャパンに入社してから、これまでどんなキャリアを歩んできたのでしょうか。

新卒で配属されたのはショップ企画部。当時は全国に約80の直営店舗があって、そこで提供するパフェなどのメニュー開発に携わっていました。

その後、マーケティング本部へ異動し、パフェの世界観を表現した「パルフェ」シリーズ、層構造のアイスクリームで、ケーキやデザートを表現した「ドルチェ」の開発を担当しました。

かつて東京都港区などにあった「ハーゲンダッツ・カフェ」(2001年撮影)かつて東京都港区などにあった「ハーゲンダッツ・カフェ」(2001年撮影)

――田子さんは201214年に育休を二度取得しています。仕事が充実するなかで、キャリアがいったん途切れることに不安はなかったのでしょうか。

1人目の妊娠が分かったのは、グループ会社のサントリー食品事業部に出向し、ドリンクの新ブランド開発に関わっている時期でした。

確かに、当時のハーゲンダッツジャパンには、女性のリーダーは片手で数えるほどしかいなかったと思います。ただ、サントリーは当時から女性登用がかなり進んでいて、子どもを育てながらリーダーポジションについている人もいました。現に私の上司も子育て中の女性だったので「やれるんだな」と実感を持てたのは大きかったと思います。

あと、上司から言われた一言にも、背中を押されましたね。

――それは、どんな言葉だったのでしょう。

はじめは、仕事を一時的に離れることで「現場勘」がなくなるのでは?という不安もありました。

でも、フルタイムで働いていると、いち消費者として日中にスーパーに行くことってほとんどありませんよね。上司には「働いている時にはわからなかった購買行動が見えて、今後の商品開発にも生かせる生活者としての気づきを得る期間と思えばいい」と言われました。

ハーゲンダッツの主な購入層は「F1」と呼ばれる2030代の女性です。例えば、家事や育児でなかなか外で息抜きできない女性が、お家で贅沢な気分を味わいたいときにハーゲンダッツを食べているのだなと、実感する期間でもありました。

【画像】ハーゲンダッツの売上ランキング。「バニラ」や「グリーンティー」を抑えた1位は?(2024年度)

ハーゲンダッツは“ご褒美アイス”として女性を中心に人気の高いブランドだハーゲンダッツは“ご褒美アイス”として女性を中心に人気の高いブランドだ

プラ削減、創業40周年プロジェクト重要な事業を推進

――二度の育児休暇を経たのちも、社内の重要なポジションを担ってきました。2018年には「プラスチック資源削減目標」に向けたプロジェクトにも携わり、専用スプーンの供給量削減も進めてきたそうですね。

レジ袋の有料化など、社会でSDGsの意識が高まるなか、海洋プラスチックごみ問題に対して、企業がアプローチしなければいけないという課題感がありました。

もともとは、卸業者などに対して、アイスクリームと同じ数のスプーンを同梱して納めていました。でも、量販店の売り場でスプーンだけが大量に置かれている光景を目にしていたんです。

確かに、スーパーなどでは、その場で食べるというより、家に持ち帰って食べるというケースが多いと思います。そこで環境配慮のために、プラスチック製スプーンをバイオマス10%配合のプラスチックへ切り替えつつ、スプーンの封入を段階的にやめていくという決断にいたりました。

ハーゲンダッツジャパンでは2022年に、25年のプラスチック使用量を、21年比で年間50%削減するという目標を発表しました。スプーンの提供をやめたこと、ミニカップのフタをバイオプラスチックに変更したことで、その目標は達成できる見込みです。

スーパーなどで配布されていたスプーン。プラスチックごみ削減の観点から、出荷時の封入を段階的にやめてきたというスーパーなどで配布されていたスプーン。プラスチックごみ削減の観点から、出荷時の封入を段階的にやめてきたという

――24年には、ハーゲンダッツの日本での創業40周年を祝うプロジェクトの全体統括を担当しました。創業40周年を経て、現在のトレンドをどう見ていますか。

近年は、「クリスピーサンド」や「バー」といったワンハンドで食べられるアイスが好調です。コロナ禍により、テレワークが定着したことで「仕事をしながら片手で食べられる」という需要が高まっているのかなと感じています。今後も、その時代のニーズ、トレンドに応じた新商品を展開していきたいと思っています。

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Source: HuffPost