07.05
ハーゲンダッツでヒット商品を生み出す“すご腕マーケター”。育休の不安を解消した「上司の言葉」とは
高級アイスクリームの代名詞的存在である「ハーゲンダッツ」。ハーゲンダッツジャパンマーケティング本部マネージャーの田子薫さんは新卒で入社以来、「ドルチェ」シリーズをはじめ、ハーゲンダッツを代表するヒット商品を生み出してきた。
プライベートでは二児の母。二度の育休を挟みながら、プラスチック資源削減の取り組みや創業40周年プロジェクトなど、社内の重要な事業も推進してきた。後編では、田子さんのキャリアを振り返るとともに、自身が携わったプロジェクトについて語ってもらった。
ハーゲンダッツ ジャパン マーケティング本部マネージャーの田子薫さん二度の育休を取得。背中を押された“上司の言葉”とは
――ハーゲンダッツジャパンに入社してから、これまでどんなキャリアを歩んできたのでしょうか。
新卒で配属されたのはショップ企画部。当時は全国に約80の直営店舗があって、そこで提供するパフェなどのメニュー開発に携わっていました。
その後、マーケティング本部へ異動し、パフェの世界観を表現した「パルフェ」シリーズ、層構造のアイスクリームで、ケーキやデザートを表現した「ドルチェ」の開発を担当しました。
かつて東京都港区などにあった「ハーゲンダッツ・カフェ」(2001年撮影)――田子さんは2012、14年に育休を二度取得しています。仕事が充実するなかで、キャリアがいったん途切れることに不安はなかったのでしょうか。
1人目の妊娠が分かったのは、グループ会社のサントリー食品事業部に出向し、ドリンクの新ブランド開発に関わっている時期でした。
確かに、当時のハーゲンダッツジャパンには、女性のリーダーは片手で数えるほどしかいなかったと思います。ただ、サントリーは当時から女性登用がかなり進んでいて、子どもを育てながらリーダーポジションについている人もいました。現に私の上司も子育て中の女性だったので「やれるんだな」と実感を持てたのは大きかったと思います。
あと、上司から言われた一言にも、背中を押されましたね。
――それは、どんな言葉だったのでしょう。
はじめは、仕事を一時的に離れることで「現場勘」がなくなるのでは?という不安もありました。
でも、フルタイムで働いていると、いち消費者として日中にスーパーに行くことってほとんどありませんよね。上司には「働いている時にはわからなかった購買行動が見えて、今後の商品開発にも生かせる“生活者としての気づき”を得る期間と思えばいい」と言われました。
ハーゲンダッツの主な購入層は「F1」と呼ばれる20〜30代の女性です。例えば、家事や育児でなかなか外で息抜きできない女性が、お家で贅沢な気分を味わいたいときにハーゲンダッツを食べているのだなと、実感する期間でもありました。
ハーゲンダッツは“ご褒美アイス”として女性を中心に人気の高いブランドだプラ削減、創業40周年プロジェクト⋯重要な事業を推進
――二度の育児休暇を経たのちも、社内の重要なポジションを担ってきました。2018年には「プラスチック資源削減目標」に向けたプロジェクトにも携わり、専用スプーンの供給量削減も進めてきたそうですね。
レジ袋の有料化など、社会でSDGsの意識が高まるなか、海洋プラスチックごみ問題に対して、企業がアプローチしなければいけないという課題感がありました。
もともとは、卸業者などに対して、アイスクリームと同じ数のスプーンを同梱して納めていました。でも、量販店の売り場でスプーンだけが大量に置かれている光景を目にしていたんです。
確かに、スーパーなどでは、その場で食べるというより、家に持ち帰って食べるというケースが多いと思います。そこで環境配慮のために、プラスチック製スプーンをバイオマス10%配合のプラスチックへ切り替えつつ、スプーンの封入を段階的にやめていくという決断にいたりました。
ハーゲンダッツジャパンでは2022年に、25年のプラスチック使用量を、21年比で年間50%削減するという目標を発表しました。スプーンの提供をやめたこと、ミニカップのフタをバイオプラスチックに変更したことで、その目標は達成できる見込みです。
スーパーなどで配布されていたスプーン。プラスチックごみ削減の観点から、出荷時の封入を段階的にやめてきたという――24年には、ハーゲンダッツの日本での創業40周年を祝うプロジェクトの全体統括を担当しました。創業40周年を経て、現在のトレンドをどう見ていますか。
近年は、「クリスピーサンド」や「バー」といったワンハンドで食べられるアイスが好調です。コロナ禍により、テレワークが定着したことで「仕事をしながら片手で食べられる」という需要が高まっているのかなと感じています。今後も、その時代のニーズ、トレンドに応じた新商品を展開していきたいと思っています。
Source: HuffPost




