2025
06.21

「自尊心が低い」「競争を避ける」…きょうだいの中で「出来損ない」と呼ばれてきた人に大人になってから見られる8つの特徴

国際ニュースまとめ

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きょうだい関係は複雑だ。

優秀で社交的なきょうだいの1人の存在の隠れ、もう1人は劣等感を抱く場合もある。

ドラマや漫画でも、「優秀な兄」と「出来損ないの弟」といった設定はよく目にするものだ。

実際に自身を「出来損ないのほう」だと軽くネタにすることもあるだろう。一見無害に見えるかもしれないが、そのレッテルを内面化することは自身に影響を及ぼす。

Thrive Psychology Groupの創設者であるシャーリン・ルアン氏は、「幼少期のレッテル貼りや贔屓は、アイデンティティの形成や、大人になってから自分をどう見るかに大きな影響を与えます」と話す。

専門家に聞いた、きょうだいの「出来損ないのほう」として育った大人に現れやすい8つの特徴と、そのレッテルを乗り越える方法を紹介する。

1. 低い自尊心

家族から認められていないと感じて育った人は、自尊心が低い傾向がある。

女性の不安やトラウマの克服を専門とするホリスティック・セラピストであるナタリー・ムーア氏は「性格や才能などたくさん良い部分を持っていたとしても、きょうだいより劣っていると考えるかもしれないと言う。

前出のルアン氏は、もう1人のきょうだいを「自慢の子」と呼ぶような内輪ネタは非常に有害だと話す。

きょうだいのどちらかが常に家族や仲間から贔屓や優遇を受けていると、他のきょうだいは自分に「欠点があるのかも」「称賛や愛情を受ける価値がないのかも」と考えてしまうという。

「出来損ないのほう」のきょうだいは、「それほど頭はよくないし運動も得意じゃないけど、他のことができる」と考える代わりに、「私はダメな人間だ」「私には価値がない」など極端に考えてしまうかもしれない。

2. 人の顔色をうかがう

自分が両親にとって「特別で重要な存在」だと感じられずに育った場合、友人や同僚、恋人からも同様に扱われると考える可能性がある。また、拒絶されることを恐れて、自分に好意的な友人やパートナーを積極的に選ぼうとしない。

「子どもの頃に認められなかったため、自分の感情やニーズを考えず、承認を求めて誰かを喜ばせようと残業することも多い」とルアン氏は説明する。

人の顔色をうかがう人は、人と距離感を保つのも苦手だ。相手に徐々に心を開きながら、少しずつ自分の弱さを見せるのではなく、初デートでこれまで身に起こった恐ろしい体験をすべて打ち明けてしまうかもしれないという。

3. 自分を恥じる

きょうだい間で対立が生じると、家族はいわゆる「出来損ないのほう」を責めたり、他の親戚と対立させたりする。

例えば、親が自分や元パートナーの欠点を思い出させる子どもに対して否定的な感情を表すことがある。子どもはなぜ自分が不当な扱いを受けているのか分からずに、自分を恥じたり不十分だと感じたりする。

「こうしたきょうだいは、しばしば家族内の問題で責任を押し付けられ『悪者』扱いされる」とムーア氏は説明する。「悪者」を作ることで、他の家族メンバーは「幸せ」や「成功」のイメージを維持することができるのだ。

調査によると、機能不全の家族では、両親は自分たちの関係における未解決な問題を、子どもとの関係に転嫁することがあるという。「このように『悪者』扱いされることは、薬物乱用や不安やうつ病などのメンタルヘルスの問題として現れることがある」とムーア氏は警告する。

4. 「欠点」を過剰に補おうとする

「出来損ないのほう」は他のきょうだいに劣等感を抱いているため、自分の「欠点」を補うためのユーモアや創造性、好感度などを身につけることが多いとムーア氏は説明する。

しかし、「そうした特徴は外からは肯定的なものに見えますが、自己価値の欠如からくるもので本当の性格の表れではないため、内面的な苦痛を引き起こすことが多い」と加える。

「欠点を補う」他の方法としては、成績優秀者になることだ。

しかし国際心理学者で公認結婚家族療法士のパトリース・ル・ゴイ氏は、「例え成績優秀者になったとしても、『出来損ない』のレッテルを貼られていたことへの恨みや、自分を過小評価するインポスター症候群を経験するかもしれない」と話す。

「あるいは、自分に極端に厳しくなり、自分の業績を祝ったり寛大になることが難しくなるかもしれません」

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5. 競争を避ける

「よくできるほう」のきょうだいの影で育った子どもは、大人になってから夢を追うことを避ける可能性がある。例えば、憧れの仕事に応募したり、昇給を求めたりすることを断念したりするのだ。

「『出来損ない』というレッテルが、自分のアイデンティティの大部分もしくは全体にまで及んでいる場合、負ける可能性があることのために頑張ったり、拒絶されたり『出来損ない』だと思われるような状況に身を置くことを避けるかもしれない」とルアン氏は解説する。

6. 自己妨害する

「出来損ない」のレッテルは、自己実現的予言にもなりうる。それは、「人は自分の内的アイデンティティに合った外的世界を作り出し、自分の信念を確認するような経験を求める傾向があるから」とルアン氏は説明する。

失敗することに慣れ、それが自分の運命をコントロールしているという感覚があるため、成功のチャンスを無意識のうちに自分で妨害しているかもしれない。

ル・ゴイ氏もこれに同意し、両親や教師、コーチがあなたを他のきょうだいと比べて冷遇していた場合、何をしても認めてもらえないと感じ、自分の可能性を最大限に発揮できない可能性があるという。言い換えると、最初から挑戦しなければ、失望することもない、ということだ。

7. 人との関係を妨害する

「出来損ない」は自分の成功を妨げるだけでなく、周りとの人間関係をも妨害する傾向がある。「自己価値があまりにも低いため、大人になってから誰かに好意を寄せられても、不安や不快感を抱くのです」とルアン氏は言う。

例えば、素敵なパートナーがいるのに、自分には見合わないとその人に比べて劣るような相手と浮気するかもしれない。

さらに、もしパートナーが自分のことを深く知ったら、拒絶されるか別れられるかもしれないと考える可能性もある。

「だから、自分の一部分を隠したり、自分が思う自己価値に近い相手と浮気したりするんです」

8. 他人と比較する

比較はきょうだい間に止まらない。

「より成功していると思われる人と自分を比較して落ち込むことも多い」とムーア氏は言う。

逆に、自分より下と思われる人と比較すると一時的に安心感を得るが、その自己満足感も束の間のもの。何をやってもきょうだいには敵わないからだ。

「出来損ない」のアイデンティティを克服するには

癒やしへの第一歩は、こうした関係性が「発生」していると認めることだ。

「自身が『出来損ない』ではなく、不健全な家族システムの中のイチ役割を担っただけだと理解する必要がある」とムーア氏は話す。

きょうだい間の不公平な扱いを指摘するには、友人やセラピストといった外部の人間が必要となるかもしれない。

「こうした否定的な信念を築くのに何十年もかかったことを忘れないでください」とルアン氏は話し、自己啓発本を読んだり、サポートグループに参加したり、専門のセラピストを活用することを勧めた。

このような不健全なパターンを認識したら、自分が大切にされていると感じられる環境を探し、子ども時代を反映するような状況を避けることが大切だ。

自分の長所や、自分にとって大切なことを振り返る時間をとることも必要となる。「家族にとってではなく、自分にとっての成功の定義を書き出してほしい」とムーア氏は話す。

最終的なゴールは、「自分が描いた価値観と成功の定義に沿った生き方をすること」だという。

家族の中には、あなたの癒やしへの努力に抵抗や妨害ををする人がいるかもしれない。「現状のままが彼らにとって都合が良いため、あなたが変えようとするのを嫌がるかもしれません。かつては称賛されていた『自慢の子』もそれによって批判や反発を受けるかもしれない」とルアン氏は説明する。

そのため、新たな信念や習慣に自信が持てるまでは、家族と過ごす時間を制限する必要があるかもしれない。

最後に、自分を「出来損ないのほう」だと思っているきょうだいは、人生のかなりの部分を家族の愛と受容を得るために費やすことは一般的だ。

「あなたのスキルや才能が家族から評価されたかは別として、大人になったあなたは主体性を持ち、自分の評価は自身で決定することができます」とル・ゴイ氏は述べた。

ハフポストUK版の記事を翻訳・編集しました。

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Source: HuffPost