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木のくぼみに座っている1頭の子鹿──まるで絵本の世界に迷い込んだかのような1枚の写真が、Xで大きな話題になっています。

【写真】子鹿を驚かせないように撮影した奇跡の1枚はこちら！

投稿したのは、鹿を中心に写真や動画を撮影しているXユーザー・しかC（@igufoto）さん。

「この木、何年も前から近くを通る度に『ここに子鹿が居たらかわいいのになぁ』って思ってたんだけど、今日ついにこの木に子鹿が入っているのを見れた」とのコメントとともに投稿されたのは、木の根元のくぼみにすっぽり収まって静かに丸くなっている子鹿の姿。

しかCさんによると、場所は奈良公園。まさに念願だったシーンとのことで、「本当に嬉しかったので、見つけた瞬間、小声で『いる…！』と思わず声に出してしまいました」と振り返ります。

その時、周囲には誰もおらず、子鹿を驚かせないようにと細心の注意を払いながら撮影。手前の木の根が少し出っ張っており、アングルを探るのも慎重に行ったそうです。　

この写真には22万の「いいね」が殺到。しかし、大きな反響に対し、しかCさんは複雑な思いも抱いています。

「子鹿の写真や動画が広がるのはうれしさもありますが、人が触ってしまうと母鹿が育児放棄する可能性があるため、この写真を見て子鹿を探したり触ったりする人が増えないか……と、考えすぎかもしれませんが、不安になります」

「かわいい子鹿の姿を見てほしいという気持ちと、子鹿に絶対に触れないでほしいという気持ち。その両方があります。SNS上でどう振る舞えばいいのか、正解は今も分からずにいます」と本音を明かしてくれました。

静かな奇跡に心が温まる一方で、その背後には自然と向き合う写真家の誠実なまなざしがありました。