06.05
トランプ「オートペン」使用でバイデンの調査を命じる「署名は無効」と主張。オートペンとは何なのか
ホワイトハウスで開かれたイベントで、バルコニーに姿を現したトランプ大統領(2025年6月4日)トランプ大統領は6月4日、「オートペン」の使用を巡り、バイデン前大統領の調査を命じる覚書に署名した。
【動画】オートペンとはどんな機械?こうやって動く
オートペンとは、署名を自動で複製する機械だ。トランプ氏を含めて歴代の大統領たちも使用してきた。
しかしトランプ大統領は、バイデン氏の認知能力が低下したために側近らがオートペンを利用して、恩赦を含めた文書に署名していたと主張。
側近らの行為は大統領権限の濫用であり、オートペンで署名していた書類は無効だと訴えている。
トランプ氏は覚書で、「アメリカ史上最も危険で憂慮すべきスキャンダルの一つだ。バイデンの署名が何千もの文書に使われ、過激な政策変更が実行されたが、国民は誰が行政権を行使していたのかを知らされなかった」と述べている。
オートペンとは?
保守系シンクタンク「ヘリテージ財団」の監視プロジェクトは3月、バイデン氏が署名した何千もの文書を分析した結果、大半がオートペンによるものだったと発表した。
この発表の後に、トランプ氏はバイデン氏による恩赦などへの署名はオートペンで行われたために「一切効力を持たない」とSNSに投稿。「バイデン時代の真の大統領はオートペンを操作していた人物だ!」とも書き込んだ。
また別の投稿では、バイデン氏の肖像画をオートペンの署名に置き換えて、自身の肖像画と並べる画像をシェアしている。
【画像】バイデン氏の肖像をオートペンに置き換えて批判するトランプ大統領の投稿
トランプ氏はバイデン氏の調査を命じる覚書に署名した6月4日にも「2020年の大統領選挙をのぞけば、オートペンはアメリカ史上最大の政治スキャンダルだ」と書き込んでいる。
トランプ氏はオートペンでの署名は無効だとしているが、この装置は長年にわたり歴代の大統領に使われてきた。
CBSによると、ジェラルド・フォード氏、ジョン・F・ケネディ氏、バラク・オバマ氏などの大統領も、一部の文書にオートペンで署名した。
トランプ氏も第1次政権と第2次政権の両方でオートペンを使用していると報じられており、2025年3月には「重要でない書類にだけオートペンを使った」と記者の取材に語った。
大統領のオートペン使用を禁止する法律は存在しない。また司法省は、大統領は法案に署名する際にオートペンを使用できるという見解を示している。
同省の法律顧問局は、2005年に発行した文書で「大統領は、自らが承認し署名することを決定した法案を法律として成立させるために、物理的に署名を行う必要はない。むしろ、オートペンなどを使って、部下に自らの署名を法案に記入させるよう指示することで、憲法第1条第7節の意味における署名を行ったとみなされる」と述べている。
Source: HuffPost




