2025
05.17

80%の企業が「女性管理職比率」を開示。地域や業種で大きな差も【調査結果】

国際ニュースまとめ

企業内の多様性やインクルージョンを重視した組織経営が、新たなスタンダードになりつつある昨今。

2023年1月には「企業内容等の開示に関する内閣府令」が改正され、企業は同年3月末以降の決算において、有価証券報告書(有報)に人的資本、多様性に関する記載が求められるようになるなど、その勢いは年々加速している。

カオナビでは、上場企業が有報上で公表する人的資本と多様性に関する数値についてデータ収集を行い「人的資本データnavi」として公開している。または「人的資本データnavi」を用いて「多様性3指標(男女の賃金の差異)(女性管理職比率)(男性育休取得率)」の現在地について定期的に調査を実施している。

今回、新たに発表された、上場企業の女性管理職比率に関する開示状況や、女性管理職比率の分布に関する分析結果を一部抜粋して紹介する。

【調査概要】

調査内容:当社が提供する「人的資本データnavi」を用いた調査

調査対象:2023年4月~2024年3月末決算の有報で、東京証券取引所(東証)、名古屋証券取引所(名証)、福岡証券取引所(福証)、札幌証券取引所(札証)のいずれかに上場している企業3894社

調査方法:回答結果を集計し、差異や傾向を抽出。

女性管理職比率、政府目標と現在地の溝

女性管理職比率の開示率女性管理職比率の開示率

調査では、全体の80%の企業が自社の「女性管理職比率」を開示していることがわかった。

東証の3区分における開示率では、東証プライムが96%、東証スタンダードが74%、東証グロースが57%となっており、上位の市場区分であるほど開示率が高いことが分かる。全体での開示率は80%と高い数値だが、各市場での開示率の差は大きいようだ。

2025年5月現在、女性管理職比率の公表義務は、常時雇用する労働者が301人以上の事業主が対象となっている。2026年4月からは対象が従業員101人以上の企業に拡大されるが予定で、今後も企業における女性管理職比率の開示は進むことが推測できる。

女性管理職比率の分布女性管理職比率の分布

女性管理職比率の分布(対象者数2958社=連結子会社のみ開示された場合等は含まれていないため、開示社数とは異なる)では、5%以下が29%、10%以下が24%、15%以下が15%となっており、平均値は12%(中央値は8%)という結果に留まった。

また、政府は2030年までに指導的地位に占める女性の割合を30%以上にすることを目指しているが、達成している企業の割合は8.6%という結果になった。

労働政策研究・研修機構「データブック国際労働比較2025」によると、日本の女性管理職比率は14.6%。アメリカ(42.6%)やフランス(38.9%)などの欧米諸国、さらにシンガポール(39.6%)やマレーシア(24.6%)などのアジア諸国と比較すると大きく後れをとっている状況だ。

世界経済フォーラムが発表している「ジェンダー・ギャップ指数(2024年)」においても、日本は148カ国中118位と先進国の中で低い水準にあり、今後の進捗に注目が集まっている。

男女の管理職比率、地域や業種でどれくらい違う?

属性別の男女の管理職比率属性別の男女の管理職比率

続いて、女性管理職比率について、属性ごとの平均値・中央値をまとめた。

市場区分別では「東証グロース」の平均値が22%と、全体平均を大きく上回り、従業員区分別では100人以下の平均値が高く、特に11~100人は全体平均を少し上回る結果となった。また、地域別では、首都圏と東北・北海道が他の地域と比べると少し高い程度で、目立った差はなかった。

業種別では「サービス業」が全体平均より高く、一方で「建設業」「電気・ガス業」「鉱業」は全体平均より低い結果となった。 女性の働き手が比較的多い印象のサービス業(接客や対人支援を展開する企業を含む)だが、総務省統計局「労働力調査」によると、サービス業における人口の男女比に大きな差はないという。

女性管理職比率の差異は、労働者割合の男女比ではなく、男女間の雇用形態や企業文化の違いによるところが多そうだ。

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Source: HuffPost