2025
05.12

Amazonに、育休取得者らの業務を代行する「専門チーム」。ユニークな取り組みの仕組みは?

国際ニュースまとめ

産・育休や病気での休職者がでた際、職場に人員の補充が行われないことが社会的に問題となっている。

一方、Amazonでは、強固なサポート態勢を用意しておくため、他では例を見ないユニークな取り組みをグローバルに行っている。

休職者の代わりに業務を代行する“専用チーム”を設けているのだ。

正社員で構成される「Adaptチーム」は、休職者の業務を代行することを専業としている。

ユニークな取り組みは、どのような仕組みで、どう活用されているのか。Amazonに取材した。

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北米で2017年にスタート。今年から日本でも実施

産・育休や休職などで欠員が出た場合、会社側が人員を補充しないことは、当事者が育休などを取りにくくなったり、チームの負担が増えたりするなど、様々な弊害を及ぼす。

シンクタンク「パーソル総合研究所」(東京都)が2024年11月に発表した、「オフボーディング(欠員発生時の組織的取組)に関する定量調査」によると、退職や育休・産休などで欠員が発生した際、77%の組織で人員の補充が「なかった・できなかった」と回答していた。

そんな中、Amazonは2017年、一時的な人員配置や欠員状態への対応として、北米のオフィスでAdaptチームを設立。Adaptチームのメンバーは、育休や傷病休職、その他の長期休職をスタッフが取得する期間中、業務を代行する。

Amazonの広報担当者はハフポスト日本版の取材に、「Adaptチームの取り組みは2017年に北米で発足し、その後、欧州・中東・アフリカ地域に拡大。2025年にアジア太平洋・日本・中国地域にも拡大しました」と語る。

今年から日本でも、Amazon AdsでAdaptチームが発足した。

Adaptチームのメンバーは、元の担当者が休職している2カ月から1年の期間、業務を代行。代行が専業のチームならではの特徴として、休業・休職するスタッフとAdaptチームメンバーの間で、最大2カ月にわたる丁寧な引き継ぎを行い、仕事のクオリティを担保するという。さらに、休職から復帰する際にも、同様に時間をかけた引き継ぎを行う。

丁寧な引き継ぎは「チームの移行期間中に引き継ぎ時にありがちな、情報共有の抜けもれを防ぐ」ことが目的だ。

日本の多くの企業では、育休などの休職者が出る場合、臨時で採用をするか、チームのメンバーが休職者の仕事を負担することになる。

採用の場合はスケジュール的にも丁寧な引き継ぎの時間が取りにくく、チームメンバーが引き継ぐ場合も、既存の仕事があるために全ての時間を引き継ぎに使うことは難しい。

しかし、Adaptチームのような専門チームがあることで、代行するスタッフは多くの時間を引き継ぎに充てることができる。

休職者、その同僚、クライアント全員にメリット

日本では珍しいこの取り組みは、休職者が所属するチーム、休職者自身、クライアントの全ての関係者に、大きなメリットがある。

休職するスタッフのチームメイトも仕事の負担が増えることがない。さらに、丁寧な引き継ぎで仕事の質を担保し、綿密に情報共有をすることで、クライアントとも変わりなく担当案件などを継続することができる。休職するスタッフが復帰しやすいという点も大きな特徴だ。

広報担当者は、Adaptチームの存在意義について、こう説明する。

「この取り組みは、広告主様及び担当広告代理店やパートナー様と従業員双方に大きな利益をもたらし、Amazonのお客様起点で考えるリーダーシップ・プリンシプルに合致しています。Amazonは多様なバックグラウンドと経験を重視し、従業員が世界中の異なる部門でキャリアを築き、複数のキャリアチェンジを追求できる環境を提供したいと考えています」

子育て支援制度では幅広いサポート

Adaptチームは、世界各地のAmazonで、育休を取得するスタッフに活用されている。他にもAmazonでは、スタッフのニーズに最も合った育児サポートを選べるよう、幅広い保育プログラムを提供しているという。

独自の取り組みとして、子どもが生まれた時や養子縁組をした時に祝い金を支給する「Family Bonus」やフレキシブルな職場復帰をサポートする「Ramp Back Program」などで、実親・非実親、養親、代理出産による親など、様々な立場の親を支援している。

Amazon Japanでは、働く父親・母親が知識を共有し、子育てをしながら働く従業員に優しい制度を提言するためのプラットフォームとして、「Parents Community」と「MamaPapaZonians」というネットワークグループがある。

従業員支援プログラムを通じて提供される小児ケアプログラムでは、生後から17歳までの子どもを持つ従業員向けに、日本語と英語で無料のメンタルヘルスサービスを提供している。

また、従業員はAmazon健康保険組合が健康保険組合連合会と提携して提供する、専門的な育児相談サービスを利用することもできる。

(取材・文=冨田すみれ子)

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Source: HuffPost