05.02
クマムシにタトゥーを施術、米化学会が発表。極小の線や点、大学ロゴも
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クマムシに極小の“タトゥー”を施すという驚きの研究が発表されました。このタトゥーは装飾目的ではなく、微細加工技術の新たな応用として注目されています。
この研究は、米化学会の学術誌『Nano Letters』で発表。生物に直接微細なパターンを描くことで、将来的に生体センサーや医療機器などの開発につながると期待されています。
米化学会の発表によると、研究チームは、電子ビームで氷の層にパターンを描く「アイス・リソグラフィー」という技術を用いて、体長わずか1ミリ程度・以下と言われるクマムシにタトゥーを施しました。
まず、クマムシをゆっくりと脱水させて「クリプトバイオシス」と呼ばれる半死状態にし、マイナス143℃以下に冷却した炭素複合紙上に配置。次に、アニスの香りがする有機化合物「アニソール」で表面を覆い、電子ビームを照射しました。これによって、反応したアニソールがクマムシの体表に定着し、極小の図柄が形成されたと説明しています。
驚くべきことに、この過程を経てもクマムシの約40%が無事に再生し、行動にも異常はみられなかったと言います。施されたパターンには、72ナノメートル幅の線や点、さらには大学のロゴなども含まれており、極めて高い精度が実現されているようです。
クマムシは極寒、真空、放射線などあらゆる過酷な環境でも生存できることで知られています。この耐久性が、今回のような精密な実験に最適だったのです。研究チームは今後、バクテリアなど他の生物にも応用を広げ、微生物サイボーグや生体センサーの開発を視野に入れています。
今回の成果は、従来の電子工学に生物の柔軟性を融合させる画期的な第一歩とされており、「生きたマイクロデバイス」という新しい領域を切り拓く可能性があります。
Source: HuffPost



