2025
04.30

社会福祉法人での「性暴力」訴訟、元理事長が控訴取り下げ1審判決確定。「経営陣には男性、従業員には女性が多い」構造を指摘

国際ニュースまとめ

訴訟の受け止めを語る笹本潤弁護士(左)。記者会見は、原告の2人はパーテーションで顔を隠した状態で行われた。(2024年10月24日、東京地裁で撮影)訴訟の受け止めを語る笹本潤弁護士(左)。記者会見は、原告の2人はパーテーションで顔を隠した状態で行われた。(2024年10月24日、東京地裁で撮影)

障害者施設や障害者アートの美術館などを運営する社会福祉法人「グロー」(滋賀県近江八幡市)の北岡賢剛・元理事長から性暴力やセクハラを繰り返し受けたとして、元職員の女性らが北岡元理事長に損害賠償を求めた訴訟は、北岡元理事長が東京高裁への控訴を取り下げ、220万円の損害賠償の支払いを命じた1審東京地裁判決が確定した。4月11日付。

※性被害の実態を報道するため、この記事には性暴力の描写が含まれています。フラッシュバックが心配な方などは注意してお読みください

【原告2人の係争中のインタビュー記事(2022年)はこちらから】

◆経営陣には男性、従業員には女性が多い構造

一連の訴訟は、グローの元職員である鈴木朝子さんと、木村倫さん=ともに仮名=が2020年11月、北岡元理事長とグローを相手取り提訴した。

東京地裁(野口宣大裁判長)は2024年10月24日、グローに安全配慮義務違反があったとして、鈴木さんに440万円を支払うように命じた。双方が控訴せず、同判決が確定した。

また北岡元理事長が木村さんに対し、「男と最近やっているのか」などと記したメールを送ったり、2012年から約7年の長期にわたり、タクシー内で尻を触るなどの行為を繰り返したと認定。220万円の損害賠償の支払いを命じたが、北岡元理事長は控訴していた。

控訴審の判決は、5月28日に東京高裁で言い渡される予定だった。だが和解期日の11日に突然、北岡元理事長が控訴を取り下げたという。

裁判を支える「Dignity for All―社会福祉法人役員による性暴力・ハラスメント裁判の原告を支える会―」は、「社会福祉法人において、経営陣には男性が多く、従業員には女性が多いという構造が見られ、それがセクハラを誘発する要因にもなっているという問題を提起した点で、社会的な意義がありました」と指摘。

また、「フジテレビの中居氏問題の調査報告書でも指摘されていたように、セクハラを許容させたり、被害者よりも組織や経営の利益を優先する組織や経営者意識の問題が、本件訴訟でも見られました」とした。

その上で、「日本の社会全体として、性暴力、セクハラ等のハラスメント行為を助長する組織構造や経営者の意識の改革が、今後求められます。社会福祉法人においても、セクハラ等のハラスメント行為を容認するような人物を役員に採用しない、評議員会による監督機能の強化、第三者委員会による監督・調査の体制が求められます」と問題を提起した。

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Source: HuffPost