2025
04.24

チンパンジーも「宴会好き」? アルコール分のある発酵果実を分け合う姿を初めて撮影。英大学研究チームが発表

国際ニュースまとめ

野生のチンパンジーがアルコールを含んだ果物を食べたり、分け合ったりしている様子が初めて撮影されました。

この発見は、エクセター大学を中心とする研究チームが、ギニアビサウのカンタニェス国立公園で行った調査によって明らかになったものです。

【画像】チンパンジーの「宴会」? 発酵果実を分け合う姿を初めて捉えた

研究成果は、『Current Biology』誌に「野生のチンパンジーは発酵した果物を共有する(Wild chimpanzees share fermented fruit)」というタイトルで掲載されています。エクセター大学も公式サイトで研究結果を発表しています

研究チームはカメラを設置し、チンパンジーたちが発酵したアフリカのパンノキの果実を分け合う様子を計10回記録することに成功。この果物には、エタノール(アルコール)が自然に含まれていることが確認されています。

エクセター大学がFacebookなどに公開した映像には、チンパンジー2匹が一つの果物を一緒に食べる様子が収められています。エクセター大学は「チンパンジーたちが意図的にアルコールを含む果物を探していたのか、そうだとしたらなぜかという興味深い疑問を投げかけます」とコメントしています。

チンパンジーたちが分け合っていた果物の9割が、アルコールを含んでいたことが判明。アルコールの濃度は最大で0.61%ABV(アルコール度数)と比較的低い数値ですが、チンパンジーの食事の60〜85%が果物であることを考えると、日常的に摂取されている微量なアルコールの合計は、かなりの量に及ぶ可能性があります。

この行動が偶然なのか、それとも意図的なのかを判断するにはさらなる研究が必要ですが、エクセター大学ペンリンキャンパスの生態学・保全センターに所属するアンナ・ボウランド氏は、「人間の場合、アルコールを飲むとドーパミンやエンドルフィンが分泌され、幸福感やリラックス感が得られます。チンパンジーも同様の効果を感じている可能性があります」と語っています。

また、宴会などの伝統に見られるように、人間は社会的な絆を深める目的でアルコールを分かち合ってきた歴史があります。チンパンジーの行動も、同様に社会的な意味を持つのかどうかが注目されています。

研究チームは、酔うことは生存上の利益をもたらさないため、チンパンジーが「酔う」可能性は低いと考えています。

最近の研究では、アフリカの類人猿の共通祖先においてエタノール代謝の能力が高まったことが示されており、発酵果実の摂取はヒトやチンパンジーの進化の過程で古くから存在する行動だった可能性があるといいます。

エクセター大学のキンバリー・ホッキングス博士は、「チンパンジーが常に食べ物を分け合っているわけではありません。この行動は、彼らにとって特別な意味を持つ可能性があります」と指摘。「この行動が、人類の『ごちそう』を分かち合う文化の起源を示しているのかもしれません」と語っています。

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Source: HuffPost