2025
04.23

八代亜紀さんの死後にヌード写真を公表することに法的な問題はないのか

国際ニュースまとめ

日本ジュエリーベストドレッサー賞を受賞した八代亜紀さん(2011年1月26日)日本ジュエリーベストドレッサー賞を受賞した八代亜紀さん(2011年1月26日)

【関連記事】八代亜紀さんのヌード写真入りアルバムに「リベンジポルノを阻止して」の声も、レコード会社は「イヤガラセ受けて立つ」とコメント

2023年に亡くなった歌手の八代亜紀さんのヌード写真を掲載したアルバムが、予定通り発売された。

このアルバムに対し、ソーシャルメディア投稿や著名人の発言、オンライン署名など、様々な形で発売中止を求める声が高まっている。

【画像】批判が高まっている、ニューセンチュリーレコードが発売した八代亜紀さんのアルバム

八代さんの著作権や肖像権を管理する「八代ミュージック&ギャラリー」は4月14日に、「極めて不愉快な出来事で、絶対に許すことができない」とする声明を発表。

死者の名誉棄損罪や、わいせつ物頒布等罪など、刑事民事を問わず、あらゆる手続きの準備を進めているとした。

一方、販売元のニューセンチュリーレコードは、写真などすべての所有権を有している、と主張。批判を「クレーマー」と呼び、販売を続行する姿勢を見せている。

本人の同意を得られない故人のヌード写真の公開や販売は、法律に抵触しないのか。

近年、性的画像の撮影や提供による被害が増加し、取り締まりが強化されている。

2014年には、「リベンジポルノ防止法」が成立し、私的な性的画像を本人の許可なく第三者に提供することが犯罪になった。

しかし、故人のヌード写真提供をリベンジポルノ法で取り締まるのは難しい、と性的画像の問題に詳しい上谷さくら弁護士はハフポスト日本版の取材に説明する。

「リベンジポルノ法は『個人の名誉及び私生活の平穏の侵害による被害の発生及び拡大を防止する』ことを目的にしています。亡くなれば私生活の平穏は想定できないため死者に適用するのは難しく、名誉の侵害に遺族まで含めるのは無理だと思います」

また、顔などを撮影した写真は「肖像権」で守られており勝手に公開することはできないものの、亡くなっている人の肖像権は原則として認められていない。

ただし、遺族の「死者に対する敬愛追慕の情の侵害」が認められた判例はあるという。

その一方で、死者の「名誉毀損罪」は存在する。しかし、上谷弁護士は「死者の名誉毀損罪は、虚偽の事実を広めた場合にしか適用されません。レコード会社の主張が虚偽でなければ罪に問うのは難しい」と説明する。

上谷弁護士が、違法性を問える可能性があるとするのが、わいせつな文書や図画を配ることを禁じた「わいせつ物頒布罪」だ。

しかし、「わいせつ物頒布罪を構成するかどうかは、八代さんの性的画像がわいせつといえるかどうかなどの判断に左右されますので、立件できるかどうかは、検察の判断次第です」と話す。

上谷弁護士は、故人の性的画像の被害を防止するには、新たな法整備が必要だと話す。

「時代が変わり、映像や画像を簡単に撮影して世の中にばらまくことができるようになっていることを考えれば、死者の尊厳を守るには、新たな法律で規制するしかないと思います」

2021〜22年にかけて、葬儀会社従業員が遺体にわいせつ行為をする事件が起きたが、この時には死者に対するわいせつ行為を罪に問う法律がないため、加害者は建造物侵入と別の被害者に対する東京都迷惑防止条例違反(盗撮)で有罪となった。建造物侵入罪の被害者は「建物の管理者」であることから、わいせつ行為をされた死者や遺族や被害者にもなれない。

上谷さんは、この事件や八代さんの問題を考えれば「死者を冒涜する罪」が必要かもしれないと話す。

「法律は多数決で決めるので、国民からこういうのは処罰すべきだという声が高まれば、法整備への道が開けると思います。今ある法律では難しいので、きちんとした法規制が必要なのではないかと思います」

…クリックして全文を読む

Source: HuffPost