04.15
トランプ政権が最高裁の命令を拒否、エルサルバドルへ誤送還された男性を帰国させず
エルサルバドルに誤って強制送還された男性を巡り、トランプ政権は連邦最高裁の判断に従わないと表明した。
「ミス」を認めていたにも関わらず…
その男性とは、メリーランド州で暮らしていた、キルマー・アブレゴ・ガルシア氏だ。
彼には、裁判所から保護措置が取られていたにも関わらず、「MS-13」ギャングのメンバーと疑われて、3月12日には移民関税執行局によって拘束され、15日にエルサルバドルへ強制送還されてしまった。
その後、政府側は、この強制送還を「行政上のミス」だと認め、アメリカの連邦最高裁判所も先週、ガルシア氏の帰国を「促進」させることに満場一致で賛成し、トランプ政権に実行するよう命じた。
しかしトランプ大統領は14日、エルサルバドルのブケレ大統領との会談で、「アメリカ政府には、ガルシア氏を帰国させる権限はない」と述べたという。
裁判所には外交関係に口出す権限なし
トランプ政権のボンディ司法長官は、「連邦最高裁の判決では、エルサルバドルがガルシア氏を釈放した場合に、我が政権は彼の移動手段を提供することしか求められていない」と主張し、積極的に帰国させることを否定した。
また司法省の弁護士は4月13日に提出した裁判所への書類の中で、「エルサルバドルに対し、ガルシア氏を帰国させるよう求めることは外交問題とみなされるべきであり、したがって裁判所の管轄外である」と主張し、次のように述べた。
「連邦裁判所には、行政府に対し、外交関係を特定の方法で実施するよう、あるいは外国の主権者と特定の方法で関与するよう指示する権限はない。それは、国際関係分野における連邦政府の唯一の機関である、大統領の独占的な権限である」
しかし連邦最高裁は外交に関して指示しているわけではなく、トランプ政権の強制送還が誤りだったと指摘し、それを修正するよう求めているだけに過ぎない。
ただトランプ大統領と会談した、エルサルバドルのブケレ大統領も14日、「テロリストをアメリカに密輸できるだろうか?私はそんなことはしない。私には彼(ガルシア氏)をアメリカに送還する権限はない。彼をエルサルバドルで釈放するつもりもない」と述べたという。(了)
出典元:The Guardian:El Salvador president refuses to order return of wrongly deported US man(4/14)
出典元:The Guardian:Trump officials step up defiance over man wrongly deported to El Salvador(4/14)
Source: Switch News