04.15
インフルやヘルペスをチューインガムで防げる可能性:大学研究
アメリカとフィンランドの大学研究者が、画期的なチューインガムを開発した。インフルエンザ・ウイルスやヘルペス・ウイルスを口の中で捕らえ、無力化してしまうガムだ。
フジマメ入りのガム
医学専門誌「Molecular Therapy」に最近発表された論文によると、ガムを噛むことが、非常に有効なウイルス対策になる可能性があるそうだ。そのガムとは、フジマメ(学名:Lablab purpureus)という豆の粉を主成分にしたもの。
フジマメには、ウイルスを捕獲する天然のタンパク質「FRIL」が含まれており、実験の結果、インフルエンザ・ウイルスやヘルペス・ウイルスを含むいくつかのウイルスを無力化することが分かった。

発表された論文の中でペンシルベニア大学歯科大学院のHenry Daniell教授は、「口腔という最も増殖しやすい場所にいるウイルスをターゲットにするこのガムは、これまでなかった予防手段へのアプローチです」と語っている。
インフルエンザウイルスが95%以上減少
研究者たちは、機械仕掛けで動く歯(の模型)にガムを噛ませて実験した。その結果、15分間噛むと、ガムに含まれた「FRIL」タンパク質の50%が放出されると分かった。
これがウイルスにどう作用するかというと、例えば40mgのFRILが含まれた2gのガムのタブレットを噛めば、口腔内のインフルエンザ・ウイルス(A型)の量を95%以上減らす(中和する)ことができるとのこと。また、ヘルペス・ウイルスを同程度減少させるには、もう少し多いFRILが必要だそう。
研究者たちは実用化を視野に入れている。実験のために作られたガムは医薬品と食品の安全基準を満たしており、人体への安全性が配慮されている。また、常温で2年近く保存しても、FRILの効力はほぼ変わらないという。
今後は臨床実験を進めると同時に、他のウイルスに対する効果を調べる予定になっている。(了)
出典元:Molecular Therapy:Debulking influenza and herpes simplex virus strains by a wide-spectrum anti-viral protein formulated in clinical grade chewing gum
出典元:Oddtycentral:New Antiviral Chewing Gum Could Help Prevent Flu and Herpes Infections(4/10)
Source: Switch News