2025
03.22

フランス人の科学者、トランプ政権を批判したため入国を拒否される

国際ニュースまとめ

フランス人の研究者が、トランプ政権を批判したとし、アメリカへの入国を拒否された。

 

空港で携帯電話を調べられる

 

この出来事は3月9日に起き、当時フランス人の研究者が、アメリカの空港で入国審査官に携帯電話を調べられたという。

 

その際、携帯電話にトランプ政権を批判する内容のメッセージが見つかったため、研究者はアメリカへの入国を拒否され、そのまま国外追放されたそうだ。

 

フランスのフィリップ・バティスト高等教育研究相によれば、その男性の研究者は、フランス国立科学研究センター(CNRS)の任務で、テキサス州のヒューストン近郊の会議に出席するために渡航していたという。

 

また研究者の携帯電話には、同僚や友人とのメッセージのやり取りが残っており、彼はトランプ政権の政策について個人的な意見を述べていたそうだ。

 

バティスト大臣は、「意見の自由、自由な研究、学問の自由は、私たちが誇りを持って守り続ける価値観です。私は、法律を尊重しつつ、すべてのフランス人研究者がそれらに忠実である権利を擁護します」と述べた。

 

「憎しみに満ちた陰謀的なメッセージ」

 

一方、アメリカ側は、フランス人研究者を「憎しみに満ちた陰謀的なメッセージ」で告発したという。

 

そして男性の研究者には、FBIが捜査していると知らされたが、国外へ追放される前に「告訴は取り下げられた」と伝えられたそうだ。

 

この件について、まだアメリカの国土安全保障省はコメントをしていない。

 

入国を拒否された研究者が、どの会議に出席する予定だったかは、明らかになっていないが、3月10日から14日まで、「第56回月惑星科学会議」がヒューストン郊外で開催されていたという。

 

米研究者をフランスへ迎え入れる

 

バティスト大臣は、科学研究予算を大幅に削減したトランプ政権と、イーロン・マスク氏を公然と批判してきたという。

 

そしてフランス人の研究者が入国を拒否された同じ日、バティスト大臣は、アメリカを離れたがっている研究者に、フランスへの移住を勧める書簡を発表。「多くの著名な研究者が、すでにアメリカでの将来に疑問を抱いている。当然ながら、我々は彼らの一定数を迎え入れたいと考えている」と述べたという。

 

その翌日、バティスト大臣は、フランスのAix-Marseille大学の招待に応じた、メリーランド大学医学部のアメリカ人研究者とのリモート会議の写真を投稿したそうだ。(了)

 

 

出典元:The Guardian:French scientist denied US entry after phone messages critical of Trump found(3/19)

Source: Switch News

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