01.11
廃プラスチックから生まれた循環型素材「レビア」の量産化を開始。実現を支える「2つの条件」とは?
持続可能な社会を目指して、各領域でサーキュラーエコノミー(循環型経済)が進む現代、廃プラスチックの再資源化が困難であることが大きな課題のひとつになっている。
建築材料・住宅設備機器業界大手のLIXILは、再資源化が困難だった廃プラスチックに廃木材を融合させた循環型素材「レビア」の量産化を、2024年12月より久居工場(三重県津市)において開始した。
循環型素材「レビア」とは?
「レビア」は、これまで焼却や埋め立てによって処理せざるを得なかった廃プラスチックと、廃木材を融合した循環型素材。
2023年1月に「レビア」製品第一弾となる舗装材「レビアペイブ」の発売を開始して以来、多くのビジネスユーザーにその環境へのインパクトと意匠性が評価され、商業施設・オフィス・教育施設などさまざまな場所での採用が進んできた。
レビア1tの製造工程で排出されるCO₂排出量と、同量のレビアに使われる廃プラスチックや廃木材が焼却処理された場合のCO₂排出量を比較すると、82%のCO2排出量の削減につながるという(算出プロセスについては第三者機関認証取得済み)。
レビアの量産体制を支える「2つの条件」
レビア誕生の背景には、新たに同社が確立した、多種多様なプラスチックを選別することなく、異なる素材を一括して細かく粉砕、押出成形する技術がある。
また今回、レビアの量産体制を確立した久居工場は、長年サッシ生産を担っており、高度な樹脂押出技術を有している。また、廃プラスチックの調達においても、同素材の量が関東圏に続き2番目に多い中部圏に位置している。樹脂押出技術の専門性と廃プラスチック調達に適した立地により、安定した品質と量産化が実現したという。
LIXIL Housing Technology revia事業部長の宍戸弘昭さんは、今回の発表に際して「廃プラスチックという社会課題に取り組む『レビア』は、多くの場所で使われてこそ、本来の目的である環境負荷低減に貢献することができます。発売から2年あまり経ち、すでにさまざまな場所でご採用いただいていますが、今後さらなる拡販を目指して久居工場における量産体制をスタートします」とコメント。
さらに「幅広い製品ラインアップの拡充と、さらなるインパクトの創出に向けて、使用後のプラスチックの調達から、再資源化し、生産、販売、施工、再度回収するまでの、より強固で安定的なエコシステムの構築に努めてまいります」と話し、循環型社会の実現に向けた一翼を担うための挑戦を続ける姿勢を示した。
Source: HuffPost