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管理職の約7割「心身の健康が損なわれた」。ネガティブな変化を回答、「管理職を辞めたい」人も【調査結果】
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人材大手「マイナビ」(東京)が運営する転職サイト「マイナビ転職」は1月9日、管理職800人を対象に実施した「管理職の悩みと実態調査」の結果を公表した。
管理職の約7割が「心身の健康が損なわれた」と回答したほか、係長・チーム長クラスの2割超が「管理職を辞めたい」と考えていることが判明した。
役職が上がるほど「良かった」
調査は2024年9月20〜26日、WEB上で実施。20〜50歳代の会社勤務の管理職(主任とプロジェクトリーダーを除く)800人が回答した。
その結果、「管理職になって良かった」と感じている人は60.8%で、役職が上がるほど「良かった」と感じる人が多い傾向にあることが分かった。
具体的には、「係長・チーム長」(229人)で「良かった」と答えた人は約半数の51.5%にとどまったが、「部長」(138人)では74.6%に上り、「本部長」(35人)では80.0%に達した。
「良かった」と回答した理由について聞いたところ、「自分の課を持ってある程度自由な采配ができる」や「給料面での余裕で家庭も安定する」といった意見が聞かれた。
次に、管理職になる前後の年収を尋ねたところ、「管理職になって年収が上がった」人は80.6%だった。
変化額の中央値は100万円増で、「100万〜200万円未満」が25.4%と最も多く、「50万〜100万円未満」が18.1%、「200万〜300万円未満」が12.3%と続いた。
さらに、「管理職になって良かった」と感じている人と感じていない人の年収を分析すると、「良かった」と感じている人の年収中央値は700万円だったが、感じていない人の年収中央値は550万円だった。
このことから、管理職への満足感に給与が影響している可能性がうかがえる。
約7割が「心身の健康が損なわれた」
「管理職になってからのネガティブな変化」については、「仕事の比重が増えた」が最多の75.8%だった。
続いて、「心身の健康が損なわれた」(68.9%)、「プライベートや家族の時間が楽しめなくなった」(55.4%)となり、心身や私生活とのバランスに苦慮している人が少なくないことが浮き彫りになった。
また、管理職としての悩みは、「マネージャー業務の負荷」が最多の28.1%。次いで「パワハラなどハラスメントと言われるのを避けたい」(27.0%)、「部下が成長しない」(24.0%)だった。
「今後の昇格希望」では、今の会社や別の会社で「昇格したい」と答えた人は計50.9%にとどまり、特に「係長・チーム長」クラスでは20.5%が「管理職を辞めたい」と考えていることも判明した。
管理職を続けていく上で希望するサポートや制度については、「管理職手当の増額」(40.1%)が最も多く、次いで「残業手当の支給」(21.6%)が挙がった。
これらの調査結果を受け、「マイナビ転職」の瀧川さおり編集長は「一つの組織に長く勤めて昇格し、それに伴って給与が上がっていくというのは、終身雇用が当たり前だった時代は普遍的で理想的とされたキャリアモデルだったが、昨今は『管理職になりたくない』と考える人も少なくない」と指摘。
その上で、「管理職の姿を見て育った社員が『管理職という働き方も良いな』と選択肢を持てるよう、働きに見合う報酬、業務負担の軽減、研修の充実など、企業側もさまざまな努力が求められるようだ」とコメントしている。
Source: HuffPost