2024
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マイケル・ムーア監督、パレスチナ映画に参加「世界と共有する手助けができることは名誉」。米アカデミー賞ショートリスト入り作品

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マイケル・ムーア監督(2019年5月)マイケル・ムーア監督(2019年5月)

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「華氏911」「シッコ」などの作品で知られる米国のマイケル・ムーア監督が、パレスチナ人映画監督たちによる映画「From Ground Zero」の制作チームに、エグゼクティブプロデューサーとして加わった。米誌Varietyなどが報じている。

「From Ground Zero」は、イスラエルによる攻撃が続くパレスチナ自治区ガザ地区で生きる22人のパレスチナ人監督らによって制作された。

アニメーションやドキュメンタリー、フィクションを融合させた映画で、「容赦ない破壊の中でもなお続く人間の精神の揺るがなさと不朽の創造性」を描いていると、プロデューサーたちは説明している。本作品は、米アカデミー賞の国際長編映画賞部門のショートリストに選ばれており、1月3日から全米で公開される予定。

マイケル・ムーア氏は、現地時間の12月30日に声明を発表。「パレスチナ人映画監督たちは、まさに映画のような奇跡を成し遂げました。(国際人権団体の)アムネスティ・インターナショナルヒューマン・ライツ・ウォッチが現在(イスラエルの行為を)『ジェノサイド』(大量虐殺)と指摘している状況の中で、監督たちは素晴らしい映画を作り上げました」と称えた。

The Hollywood Reporterによると、本作品はガザ出身のパレスチナ人監督、ラシード・マシュハラーウィー氏が主導した。

ムーア氏は、マシュハラーウィー氏を含む本作品に携わったパレスチナ人監督たちが手にしている唯一の武器は「カメラと創造性」だと述べた。その上で「どの映画監督や作家、アーティストも、自らの絶滅の物語を語ることを強いられる状況に置かれてはならない。監督たちと連帯し、その物語を世界に共有する手助けができるのは名誉なことです」と語った。

「From Ground Zero」のマシュハラーウィー監督は、「(米アカデミー賞に)ショートリスト入りしたことに、チーム全員が謙虚でありながらも非常に興奮しています。マイケル・ムーアの参加によって、私たちはさらに力を得ました。パレスチナ人の人間性や回復力を描き、創造性を世界と共有し、正義と理解の力としての映画の可能性を示すことができます」と声明で述べた。

社会問題を扱う数々のドキュメンタリー映画で知られるマイケル・ムーア監督。高校銃乱射事件を取材し、アメリカにおける銃の暴力の問題を追及した「ボウリング・フォー・コロンバイン」で2003年にアカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞。2004年には、「華氏911」がカンヌ国際映画祭で最優秀作品賞にあたるパルムドールを受賞した。このほか、アメリカの医療制度を扱った「シッコ」など多くの作品で高い評価を受けている。

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Source: HuffPost