12.27
地球上のあらゆる種類に属さない未知の植物、研究者が化石を分析
アメリカのユタ州で以前、発見された植物の化石が、新たな分析により、どの科や属にも当てはまらない可能性が指摘されている。
約4700年前に生息していた植物
その植物の化石は1969年、ユタ州東部の旧レインボー町付近にある、グリーンリバー層から発掘されたという。
この植物は約4700年前に生息していたとみられ、当時の研究者は「エイリアン・プラント」を意味する「Othniophyton elongatum」と名付け、朝鮮人参(または高麗人参・ginseng)と関係していると考えていたそうだ。
しかしフロリダ自然史博物館の古植物学学芸員であるスティーブン・マンチェスター氏は以前、カリフォルニア大学バークレー校の古植物学コレクションを訪問中、やはりこの植物と似た化石に遭遇したという。
そして分析の結果、2つの化石の植物は同じ種で、やはり同じ地域で発見されたものだと明らかになる。
「現代の植物では見たことがない」
ところが、カリフォルニア大学のコレクションにあった植物の化石には、葉や花、果実が付いており、朝鮮人参に関係する植物とは非常に異なっていたという。
そこで研究者たちは調査を実施したが、現在生息している400以上の顕花植物(花を咲かせる種子植物)や絶滅した植物のいずれの科とも、化石を一致させることができなかったそうだ。
さらに数年後、フロリダ自然史博物館は、新しい顕微鏡とAI技術を利用し、植物の化石を詳細に観察。化石の果実には、成長中の小さな種子の微細な痕跡が見られ、ほとんどの植物で受精後に分離する花の生殖器官「雄しべ」も確認できたという。
しかしマンチェスター氏は、「通常、果実が成長すると雄しべは落ちます。しかしこの植物は、成熟した果実と種子が散布される準備が整った時点で、雄しべが残っているという点で珍しいようです。現代の植物では、このようなものを見たことがありません」と述べている。(了)
出典元:Livescience:‘Alien plant’ fossil discovered near Utah ghost town doesn’t belong to any known plant families, living or extinct(12/20)
Source: Switch News