12.17
タイ上空の謎の光は中国「長征5Bロケット」の一部
2024年12月16日夜、タイ各地で目撃された「謎の光」について、タイ国立天文学研究所(NARIT)は、中国のロケット打ち上げによる現象であると発表しました。
12月16日19時頃、タイ北部、東北部、西部、そして中部の広い範囲で、空に白く広がる光が目撃されました。この光は彗星のような形をしており、ゆっくりと北へ移動する様子がSNSを通じて拡散され、話題となっています。
NARITの見解
タイ国立天文学研究所(NARIT)によると、この光は中国の「長征5Bロケット(Long March 5B)」の上段部分によるものと考えられます。同ロケットは12月16日17時(タイ時間)に中国海南島の文昌衛星発射センターから打ち上げられました。この打ち上げは「SatNet LEO Group 1」ミッションの一環で、複数の衛星を低軌道(LEO)へ投入する目的がありました。
光の正体と特徴
目撃された光の特徴は以下の通りです:
- 白くぼんやりとした光が円錐状に広がっている
- 中心に明るい光点があり、北方向にゆっくり移動
- 彗星に似た形状だが、遥かに明るい
この現象は、ロケットの上段部分(アッパーステージ)が燃料やガスを放出しながら軌道を移動する際に発生するものです。特に夕方や夜に見られる場合、太陽光が反射して白く輝いて見えることがあります。
背景:打ち上げ後のロケットの動き
通常、ロケットは地球の自転を活用するために東向きに打ち上げられます。そのため「長征5B」ロケットが直接タイ上空を通過することはありません。しかし、打ち上げ後、ロケットの上段部分は低軌道を周回し続け、約90〜120分で地球を一周します。
この時間と、今回の謎の光が目撃された時間が一致することから、NARITは「長征5Bロケットの上段部分」である可能性が極めて高いと発表しました。
過去の類似事例
NARITによれば、2021年12月25日にも同様の現象がタイ上空で目撃されています。当時はジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)を搭載したアリアン5ロケットの上段部分が原因でした。
最終的な消滅
ロケットの上段部分や燃料は、地球の上層大気との摩擦によって速度を徐々に落とし、最終的には大気圏へ再突入して燃え尽きます。これにより、地上への影響はほとんどないとNARITは説明しています。
タイ国立天文学研究所(NARIT)は、今回の光は自然現象ではなく、中国のロケット打ち上げに伴うものだと強調し、「心配する必要はない」と述べました。
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Source: タイランドハイパーリンクス