2024
12.09

シリアのアサド政権が崩壊、大統領は家族と共にロシアへ亡命

国際ニュースまとめ

シリアのアサド政権が崩壊、大統領は家族と共にロシアへ亡命

シリアでは12月8日、反政府勢力が首都・ダマスカスを制圧し、アサド政権が崩壊した。

 

アサド政権が崩壊したと宣言

 

シリアでは7日にも南部のDaraa県とSweida県の反政府勢力が北上し、ダマスカスの包囲を開始。

 

また首都の北部にある第3の都市・ホムスでは、「ハヤト・タハリール・アル・シャム(HTS)」率いる反政府勢力が、政府軍と戦闘を続けていた。

 

しかしその後、反政府勢力はダマスカスにある大統領宮殿を押さえ、8日には国営テレビで、首都を制圧したと発表。アサド政権が崩壊したと宣言した。

 

 

多くのシリアの人々は、2代続いた独裁政権の崩壊を歓迎。町ではアサド大統領の銅像などが倒され、人々が祝う姿が確認されている。

 

 

また悪名高いSednaya刑務所も解放され、アサド政権下で長い間拘束された人々が牢獄から出され、仲間や愛する家族と再会する様子も見られたという。

 

アサド大統領と家族がモスクワへ到着

 

シリアのアサド大統領は飛行機でダマスカスを離れたと報じられていたが、12月8日の夜、ロシア・メディアは、アサド大統領と家族がモスクワへ到着し、亡命を認められたと報じた。

 

またアサド大統領は、平和的な政権移行を命じた上で、シリア国外へ去ったと伝えている。

 

「ハヤト・タハリール・アル・シャム(HTS)」のリーダーであるアブ・モハメド・アルジュラニ(本名:Ahmed al-Shara)氏も、ダマスカスに到着し、旧市街のモスクで演説。次のように述べた。

 

「アサド政権は、罪を犯していない自国の民間人数千人を不当に投獄した。我々は、この国の正当な所有者であり、戦ってきた。そして今日、この勝利で報われた。この勝利はすべてのシリア人のためのものだ。彼らは皆、この勝利の一部だった」

 

これに先立ち、アルジュラニ氏は、首都に進軍する反政府勢力の戦闘員に対し、シリア国民の所有物である「公共機関と財産を保護し、守る」よう呼びかけたという。

 

またシリアの反政府勢力は、国内にあるロシア軍基地と外交使節団の安全を保証したそうだ。

 

シリア人権監視団は、11月27日の反政府勢力の攻勢開始以来、少なくとも910人が死亡したと発表。犠牲者には138人の民間人、380人のシリア政府軍兵士と同盟軍、392人の反政府勢力が含まれているという。

 

イスラエル軍がシリア国内に空爆

 

一方、イスラエル政府は、占領しているシリアのゴラン高原を、正式に併合すると発表、その後イスラエル軍が、ゴラン高原の国境沿いの緩衝地帯に、部隊を進めたという。

 

イスラエルのネタニヤフ首相は8日、1974年にシリアと結んだ軍事協定が「崩壊した」ため、「昨日、(軍に)緩衝地帯と付近の司令部を占拠するよう指示した」と述べている。

 

イスラエル軍はまた、首都ダマスカスや東部のデリゾール県で、政府軍とイラン支援グループの兵器庫や陣地を標的に、数十回の空爆を実施したそうだ。

 

イスラエル軍はガザ地区でも攻撃を続けており、8日には中部で子供を含む16人のパレスチナ人が殺害された。(了)

 

出典元:Aljazeera:Syria war live news: Al-Assad in Moscow, given asylum – Russian state media(12/8)

Source: Switch News