11.27
メキシコの密林で男性が学生時代に見つけた遺跡、マヤ文明の大都市だったと判明
先月のことになるのだが、メキシコでマヤ文明の新たな遺跡が発見されたとの研究結果が発表された。
レーザーを使った技術が高価で使えず
その遺跡を発見したのは現在、アメリカの北アリゾナ大学で講師を務める、ルーク・オールド・トーマス氏だ。
彼は約10年前、テューレーン大学考古学博士課程の学生だった時にメキシコを訪れ、考古学遺跡の町、シュプヒルと沿岸都市の間を旅している際、密林の奥深くで未踏の集落の跡を見つけたという。
その密林をくまなく調べるには、レーザーを使って地球表面にある物体の距離を測定する装置「ライダー」の助けが必要だったが、費用が掛かるため調査はできなかったそうだ。
しかし数年後、オールド・トーマス氏は、あるアイデアを思いつく。それは既存の調査を利用するということ。実際に、生態学や林業、土木工学の科学者が、これらの地域の一部を別の目的で研究するために、「ライダー」による調査を行ってきたという。
6600以上の建築物やピラミッドを発見
2018年、オールド・トーマス氏は、メキシコの森林の炭素を監視するために、メキシコ自然保護協会が主導するプロジェクトで収集された、2013年のデータを発見。
公開されているデータにより、オールド・トーマス氏の研究チームは、その場所がさらなる考古学的調査に値する地形であると特定したという。
さらに5年間に渡り、オールド・トーマス氏と彼のチームは、テクノロジーを使用して地形を分析。その結果、これまで知られていなかったマヤ文明の大都市を発見した。
その遺跡には、6600以上のマヤ文明の建築物や、象徴的な石のピラミッドなども含まれていたそうだ。
長年の疑念を払拭する発見
そもそもこのエリアはマヤ時代の低地地域とされ、これまで研究者らの間では、人口が少なく、都市化されていなかったのではないか、との根強い疑念があったという。
しかしオールド・トーマス氏らによる研究の結果、低地地域にも大都市が存在していたことが明らかになり、長年の疑念も払拭されたそうだ。
この大都市は、近くの淡水ラグーンにちなんで「ヴァレリアナ(Valeriana)」と名付けられたという。(了)
出典元:CBS:Hidden Maya city discovered in Mexico jungle by doctoral student: “There’s a lot more to be discovered”(10/31)
Source: Switch News