2024
11.20

タイBLドラマ&GLドラマ ビジネスネットワーキングイベント2024詳細レポート@在京タイ王国大使館

国際ニュースまとめ

先行ニュースでお知らせした通り、去る2024年10月29日「THE ODYSSEY OF THAILAND’S Boy’s Love (BL) and Girl’s Love (GL) Contents」が、在京タイ王国大使館で開催された。

2023年に大反響だった人気ビジネスネットワーキングが2024年も開催

このイベントはタイのBL(ボーイズラブ)およびGL(ガールズラブ)コンテンツの制作会社や配給会社、ドラマを制作放送するテレビ局が、日本企業に自社企業のコンテンツをプレゼンテーションするもの。日本での更なるビジネスパートナーの獲得、BLドラマ・GLドラマコンテンツの輸出拡大、新たな俳優たちの日本での活躍の場の開拓することを目的に行われている。

タイランドハイパーリンクスはその模様をお伝えすべく2023年に引き続き参加させていただいた。

また、これを前夜祭に、第37回東京国際映画祭併催のビジネスコンテンツマーケットイベントである「TIFFCOM 2024」で、3日間のプレゼン、セミナーも開催。タイ側のプレゼンテーターは幅広くタイのBL・GLコンテンツを日本メディアや参加した映画好きの皆さんにアピールできたようだ。

タイランドハイパーリンクスは、タイ全体の事について触れる媒体だ。既にタイの俳優に詳しい人向けではなく、まだ知らない人向けに、タイのBLコンテンツ・GLコンテンツの存在を紹介する観点からの立ち位置で取材や投稿を行ってきた。
今回もタイ政府が進めるエンターテイメント領域の世界への発信が、このような催しの元、日本にそして世界に広められていることを、多くの方に知っていただきたい。ただし、今回は非常に長い記事となるため、興味のない人にはあえてお勧めしない。

 

タイではBLドラマはシリーズYと呼ばれている

前年の記事でお知らせした通り、タイではBLコンテンツを「シリーズY」と呼んでいる。筆者はそれを知る前にタイでタイ人の友人に(エンターテイメント系はそんなに詳しくない)「タイのBLドラマは今は何が流行っているの?」と聞いたことがあるが「何のこと?」と聞き返された。俳優名を出すと「ああ、シリーズYか!」と納得。このようにタイではごく一般層にも広く認知されているジャンルなのだが、そんなタイでも最初は実験的に始めた試みだったのだそう。
タイのBLコンテンツは日本のBLコミックに影響を受け、タイでドラマとして花開き、日本を含め世界中にファンを持つようになった歴史があるのだ。
当時日本での愛好者の間では「やおい」と言う俗称で呼ばれていたBL作品やコミック。タイでは「やおい」の頭文字から「シリーズY」と呼ぶようになった。つまり、今、認知度が上がっているタイのBLコンテンツは、日本の場合、逆輸入ということになる。

 

イベントスケジュール

イベントは以下のスケジュールで行われた。

16:30 受付
17:00 開会挨拶
17:10 タイ企業の紹介
17:55 タイのアーティストによるパフォーマンス
18:10 記念撮影・カクテルパーティー
20:00   閉会

 

集結したタイエンターテイメント企業は驚異の15社

ウィッチュ・ウェチャーチーワ大使の開会挨拶に始まり、怒涛のプレゼンテーションタイムに突入。
今回「THE ODYSSEY OF THAILAND’S Boy’s Love (BL) and Girl’s Love (GL) Contents」に集まった企業はなんと15社。タイBLコンテンツの制作や配信を行う企業がここまで多いのかと驚いた2023年を軽く5社超える状況だ。

スケジュール上で考えれば45分で15社、交代する時間も入れて1社約3分しかレゼンテーションの時間しかない。と言う訳で今回は2023年と比較するとかなり駆け足の紹介になってしまった。それでも3分間のプレゼンテーションVTRを制作したり、代表的な企業紹介でとどめ、後は交渉に移るなど各企業とも創意工夫で乗り切った。
昨年は一部の企業しか紹介できず「推しの企業が省かれた」というご意見をいただいたため、今回は全社のプレゼンテーションを紹介する(笑)。覚悟して読み進めていただきたい。

ただし、プレゼンテーションが極端に短い企業や、ほぼ解説がない企業もあり、平等にはいかないことをお許し願いたい。

 

1.ブロードキャスト・タイ・テレビジョン社(Broadcast Thai Television Co., Ltd.)

ブロードキャスト・タイ・テレビジョン社からは、アルノーチャー・パーヌーパン マネージングディレクターが登壇。

ブロードキャスト・タイ・テレビジョン社はジャンルを問わず数々のドラマシリーズやアニメの制作を行ってきた企業だ。

また、制作だけにとどまらず、タレントマネジメントも行っている。

同社が日本企業向けのハイライト作品として推している作品は『I Will Knock You』。クスりと笑えるナチュラルな雰囲気が、まだBL作品を見たことがないという層にも入り込みやすい印象だ。

 

2.FRTエンターテインメント社(FRT Entertainment )

映画・ドラマ制作を行うFRTエンターテインメント社からは、ニラッティサイ・ラートピタック エクゼクティブディレクターが登壇。

日本へ向けてのハイライト作品として、高校のバンド活動内でのラブストーリー『REARRANGE』を紹介。
また、こちらはGLコンテンツが独特。ダークで鮮烈な演出がクールな『BUY MY BOSS』。女子校ならではの雰囲気を描き、こちらも「陽」より「陰」の部分を感じさせる『SHADES』など、丁寧に作られたで美しいteaserを公開してくれた。

アーティストも2024年11月現在14人を有し、今回はその中からFLUTE(Chinnaphat Kitichaivaranggoon)が会場に駆け付けた。

 

3.GMM TV社(GMM TV Co., Ltd.)

タイのBLコンテンツでは『SOTUS』『2gether 』など日本の「シリーズY」を広く知らしめることとなった名作の数々を制作。あまりBLコンテンツに興味がなかった層までファンにしてしまう魅力あるアーティストを有するGMM TV。タイに詳しい方なら大部分が知っているタイ最大のエンターテイメント企業の子会社で、グループレーベル所属のミュージシャンの作品を作中に使うなど、映像+音楽とのコラボレーションも得意だ。当初いただいた資料では異なるプレゼンテーターが登壇する予定だったのだが…

なんと、サターポーン・パニッラクサーポンCEOが登壇!
この方がいなければ、あの名作たちは生まれていたのだろうか?そう考えるとタイドラマが好きな方には神的な存在。
「今は日本も含めBLドラマ、GLドラマが世界的なブームです。我々は10年ほど前からBLドラマを制作しています。パイオニア的存在だと言っても良いのではないでしょうか?」と、さすがの自信と貫禄。

さらに
「GMM TVに2024年11月現在所属するアーティストは185人。ドラマシリーズは1年に約20本のテンポでリリース
。これまでの作品はBLドラマシリーズだけでも60種制作しています。
輸出だけはなく日本作品の輸入も行わせていただいていて、日本のコミック作品のドラマ化も多く、日本とのコラボレーションは多様な形で取り組んでいます。」
と語り、ドラマシリーズの豊富さ、日本との関係性の深さに触れてくれた。
ちなみに、GMMTVの日本へ向けてのハイライト作品はアース&ミックスが主演を務めた事でも話題の『Ossan’s Love Thailand』。この作品にも日本との深い絆を感じる。

GMMには音楽レーベルが複数存在するため、優秀な楽曲が提供されやすい環境から、GMMTV内に2023年に開設されたRISER MUSICにも触れた。
現在、WIN、NANON、KRISTの俳優とシンガーの側面を持つアーティスト、そしてボーイズグループLYKNが所属している。
GMMTVのアーティストは、これまで日本で90のショーを開催。今後は俳優のファンミーティングだけではなく、音楽レーベルと共に多彩な才能を持ったアーティストのショーの招致も可能であることを、日本のイベンターに向けてアピール。
2025年もますます目の離せない存在となりそうだ。

4.ゴーンタップ・プロダクション社(Kongthup Production Co., Ltd.)

にこやかに日本語であいさつし登壇してくれたのはタクサヤー・ティーヤーナータナンチャー マネージングディレクター。

BL・GLシリーズだけではなく、異性間のラブストーリーも数多く制作。制作会社、芸能事務所の側面を持ちながら、チェンマイにアクターズスクールを所有し、俳優の育成に務めている。

日本へアピールしたいハイライト作品はGLシリーズの『Apple My Love』。角膜移植手術を受けた直後からヒロインの夢に出てくる少女が、ニュースキャスターだったことがわかり、一目惚れ。その後一緒に仕事をすることになるのだが…?
角膜移植というと、タイを代表するホラー映画『the EYE』を彷彿とさせるが、こちらはどうなる?

また、他にも2025年に向けて多くの新作を制作中。中でも『DOCTOR’S MINE』に注目してほしいと、プレゼンテーションを締めくくった。

 

5.ライト・ビヨンド社( Right Beyond Co., Ltd.

海外エンターテイメントの輸入、ドラマや映画製作の出資、配給を30年以上行っているベテランのエンターテイメント企業、ライト・ビヨンド社からは、ワチラポン・プリーチャーウォンワイグン マネージングディレクターが登壇。

BL・GLコンテンツブーム以前から多数のジャンルのドラマ、映画制作に携わり、海外バイヤーの観点では、映画の輸入にも尽力。主にアジアの映画をタイ国内で公開してきた。日本のテレビドラマシリーズはもちろん、映画では過去に池田エライザ主演の『貞子』のタイでの公開にも携わっている企業だ。
ライト・ビヨンド社の、日本に向けてのハイライト作品は『A Secretly Love。大学を舞台にしたラブロマンス。

 

6.ワガ・クリエイティブ社(Waga Creative Co., Ltd.)

まだ比較的新しい企業だというワガ・クリエイティブ社からは、タンタッチ・ターリンピロム共同プロデューサーが登壇。

日本向けのアプローチは、タイエキスポ2024などの出演を経て、すでに日本にもファンがいるJUDO FLUKEのシリーズ『Make A Wish』。この作品1本だけの潔いプレゼンテーションだ。

ドラマは医者と天使の物語で、非常にコミカル。初めてBLドラマを見る層も入りやすい設定だ。
主演のJUDO FLUKEはこの後のパフォーマンスにも登場。

 

7.アイドルファクトリー社(IDOLFACTORY Co., Ltd.)

2020年に俳優Saint Suppapongによって設立されたアイドルファクトリー社からは、マネージングディレクターのカチェーン・ソッポー氏が登壇。

今やGLドラマの大スターであるフリベキことFreen SarochaとBecky Rebeccaをフィーチャーした主力シリーズが大人気。

YouTubeでの累計再生回数が8億回を記録した『GAP the Series』。そしてTELASAで海外・アジアドラマランキングで1位を獲得した、2人のプリンセスの物語を描く時代劇ドラマThe Loyal Pin』。いずれの作品も成功をおさめ、現在はまた新たなFreen & Becky主演の新作を制作中。

この日、同社のアーティストによるタイ王国大使館でのパフォーマンスには、新たなGLコンテンツのスターとなりそうな、MAYとFAY、そして2018年のテレビドラマシリーズ『ラブ・バイ・チャンス』に主演し人気俳優となったSAINTSUPと、同じく人気俳優のPOOMが、プレゼンテーション後のパフォーマンスに登場。2組とも2025年に新作ドラマが控えている。

 

8.MGYエンターテインメント社(MGY Entertainment Co., Ltd.)

MGYエンターテインメント社からは、マネージングディレクターのアディソーン・スッディー氏が登壇。

過去13年に渡り、インターナショナルなミスコンテストやタイのイベントのオーガナイザーを務めてきた企業が、2023年にチェンマイを舞台にした『The Hidden Moon』を制作。
オーディションや撮影などタイ第二の都市チェンマイ全体を巻き込んだダイナミックな制作が話題に。
またロマンスだけではなく、二つの時代が交差する、不思議なストーリー展開で、チェンマイの美しい歴史絵巻も楽しめる一面も。

同社の日本へのアプローチはこの『The Hidden Moon』1本。その分、他社はやっていないが、パンフレットを別で一冊用意する熱心なPRが印象的。

主演のDAVIDもプレゼンテーション後のパフォーマンス出演のために駆けつけた。

 

9.タイ公共放送「タイPBS」(Thai Public Broadcasting Service)

タイ公共放送(タイPBS)からは、コンテンツ制作部部長のクリス・アッカラート氏が登壇。

タイPBSは日本のNHK的存在。タイは国としてエンターテイメントの輸出に力を注いでいる背景から、公共放送も今のムーブメントを取り入れたことになる。とはいえ、さすがは公共放送。今回日本に向けて紹介するのは『Mhom Ped Sawan』という時代劇だ。

タイに実在した歴史上の人物モム・ペッドの実話にインスピレーションを受けた、壮大な歴史絵巻の中に花開くラブストーリー。階級制度の厳しい時代背景などタイの歴史が好きな人にもおすすめだ。
NHKの大河ドラマや朝ドラでも歴史的背景と登場人物のみにインスピレ―ションを受けた作品は多い。意外な共通点だ。

 

10.チェンジ2561社(CHANGE2561 Co., Ltd.)

チェンジ2561社からは、マーケティングディレクターのブッサヤージャリー・シーテープ氏が登場。

BLドラマよりも、テレビ放映用の数々のドラマ制作を手掛けてきた企業で、プレゼンテーションVTRには「あ!このドラマ、タイに行った時テレビで見た!」という有名なテレビドラマも。
大規模なコンサートやファンミーティングのオーガナイザー、アーティストマネージメントなどエンターテイメント業界におけるすべての事業を行っている。

チェンジ2561社からの日本へのハイライト作品は『PITBABES2』。サーキットのレーサーというワイルドな世界で生まれるラブロマンスだ。
他にもタイムスリップ物や怪奇物など驚くシチュエーションのBLドラマが豊富。

 

11.ガンタナー・モーション・ピクチャーズ社( Kantana Motion Pictures Co., Ltd.)

ガンタナー・モーション・ピクチャーズ社からは、コンテンツ開発ディレクターのディサラダー・ディサヤノン氏が登壇。

長編映画、テレビドラマ、コマーシャル、ミュージックビデオ、テレビアニメシリーズの制作を手掛けているため、BLドラマ・GLドラマだけではなく他ジャンルでも評価と質の高い作品を世に送り出している。

最近は日本でも公開されたホラー映画『女神の継承』でミン役を演じたナリルヤ・グルモンコルペチ主演のシリーズ『Master of the House』が大ヒット。NETFLIXで2024年7月22日~7月28日外国語シリーズ(英語以外)部門でナンバー1を獲得。

実力派制作会社が日本向けのハイライトとして推す作品は人気BL作家Zezehoによる小説「Reverse 4 You」が原作の『REVERSE 4 YOU』。予知能力を持つ女子大生と、先輩とのラブロマンスだ。ヒロインの2人がナチュラルメイクで素朴な可愛らしさがあり、身近な存在に感じる演出が見事。

 

12.メディアプレックス・インターナショナル社(Mediaplex International Co., Ltd.) 

メディアプレックス・インターナショナル社からはCEOのジョー・スティーサターポーン氏が登壇。

Mediaplexは主要テレビ チャンネルや、エンターテイメントプラットフォームを提供する企業で、100を超えるドラマシリーズの配信に関わるエンターテイメント企業。

配信だけではなくオリジナル作品も制作しており、最近では2023年に配信されたJa Farst『Be Mine. Superstar』の雪の日光ロケが話題になった。主演のJa( Phachara Suansri)とFirst(Chalongrat Novsamrong)にはタイランドハイパーリンクスでもインタビューを行い、このロケの感想を聞かせていただいている。

そんな同社の日本へ向けてのハイライト作品は、『LOVER MERMAN』。

タイBL初の男性の人魚の物語とかなり斬新な世界観だ。プレゼンテーションを聞いて驚いたが、人魚に女性がいるなら男性もいるはず。なるほど…と唸ってしまった。

 

13.ヴェルカーブ社(VelCurve Co., Ltd.) 

ヴェルカーブ社からはCEOのキータワット・チンナコート氏が登壇。
2017年に設立され、長編映画・ドラマシリーズ・テレビコマーシャルほか、メディア制作を行う企業だ。 

ヴェルカーブ社が日本に向けて推すハイライト作品は「URANUS 2324」。そしてこの作品の主演もFreen & Becky。タイでのフリベキ人気が絶大であることを思い知らされる。

タイ初宇宙が舞台の映画と言うことでも話題だが、日本から武井壮が日本兵役で出演するという日本人にとってはまさかのサプライズも。
「え?宇宙なのに日本兵?」という疑問点も、映画を見ることで解消するだろう。

 

14.ビッビディー・エンターテインメント社(Bibbidii Entertainment Co., Ltd.) 

20年以上エンターテイメント業界とファッション業界で活躍する2人が創業したエンターテイメント企業、ビッビディー・エンターテインメント社からは、ソーラポン・チャワパッタナーグンCEOが登壇。

映像作品としては人類が終末を迎え、生き残った4人の男性のストーリー『AIR MOMENT』を制作。日本に向けてのハイライト作品も、同作品だ。

ファッショナブルかつ過激な演出が多く、終末期の地球という荒廃感より、近未来のSF作品のよう。ファッションコレクションのイメージビデオのような煌びやかなteaserには、全く内容が予測できない摩訶不思議な雰囲気が漂っていた。

主演の4人は2024年8月に行われたタイエキスポにも出演。その中の一人、EARTHがパフォーマンスに参加。

 

15.アーリヤー・フィルム社(Arriya Film Co., Ltd.)

映画とドラマシリーズの配給、制作会社であるアーリヤー・フィルム社からは、ティティダー・パニティジャルーンロートCEOが登壇。

プレゼン全体がスピード勝負で登壇したご本人を撮影できなかった。

数本の作品のダイジェスト版を流すシンプルなプレゼンテーションだったが、日本に向けてアプローチする作品は『BloodyBuddy』。オフィスでの新年会から始まるサスペンスラブストーリーだ。なんて斬新なんだ。

実はこちらの企業、2023年に日本で配信された『Love Syndromel lll』の配給会社。「2gether」に出演し日本でも知名度を上げたFrankと、人気俳優Longleeの主演作ということもあり話題となった作品だ。今後も様々な作品の配給元となり、日本に多くの作品を紹介してくれそうだ。

 

ほのぼの微笑ましいBLドラマ・GLドラマ出演者によるパフォーマンス

慌ただしく過ぎた15社のプレゼンテーション後は、俳優たちの魅力をアピールするためのパフォーマンスタイム。
誰かが音を外すとパフォーマンス待ちの俳優たちがゲラゲラ笑って盛り上がるというアットホームな時間だった。

 

FRT ENTERTAIMENTからFLUTE

在京タイ王国大使館の大使や、日本の名だたる放送局、バイヤーの前でのパフォーマンスに「今までで一番緊張しています」と笑顔ながらも声を震わせ、緊張を隠し切れない様子。それでも歌い切った。

 

WAGA CREATIVEからJUDO FLUKE

こちらはかなりユニークな演出。ちょっとレトロなタイ歌謡曲を歌うJUDO。

その後、FLUKEが登場したので、誰もが2人で歌うのかな~、と期待していたところ…

あれ?あれれれ?歌わない。

はい、終了。やっぱり歌わんのかーい!

こんな斬新なパフォーマンス方法があるとは、タイBLドラマって奥が深い。

 

IDOLFACTORYからMAYとFAY

2025年の新作ドラマが控えるキラキラのGLドラマカップルが真っ白なワンピースで登場。ごく普通の可愛らしい女の子と言う雰囲気が、ドラマをリアルにしているように思う。

 

IDOLFACTORYからSAINTSUP POOM

『ラブ・バイ・チャンス』で人気のSAINTSUP。そしてPOOMのステージ。ベテランの貫禄を感じさせる歌唱レベル高めの二人のパフォーマンスは、安心して見ることができた。

 

MGY ENTERTAINMENTからDAVID

プレゼンテーションが始まる前、ずっと我々メディアやメーカー側の方が座る席にちょこんと座っていたDAVID。そんなお人柄もにじみ出るステージ。

 

Bibbidii ENTERTAINMENT

プロモーション動画がクールでギラギラしたものだったため、一瞬誰だかわからなかったEARTH。ドラマのteaserと比較すると、素朴な雰囲気。ドラマの彼より「素」の彼の方が好きだというファンも多いだろう。

 

2023年と大きく変わった点

ここで2023年の同イベントと比較してみよう。

日本サイドの登壇者はゼロ

今回はタイ企業側から日本企業へのプレゼンテーションと、日・タイ企業代表者の交流がメイン。時間を惜しんでビジネスパートナーを探したいというタイ側の大変な熱意を感じた。

しかし2023年のように日本を代表する配信先やテレビ局からの登壇者はなく、メディアやバイヤーに向けたタイBL・GLコンテンツの日本側の現状解説やタイ側へのアプローチは一切なかった。

 

GLコンテンツの参加

2023年はBLコンテンツに留まっていたプレゼンは、2024年の本年、GLコンテンツのプレゼンも含まれ、ハイライトにGL作品を推す傾向が見られた。特にBLシリーズに続き、GLシリーズの可能性を賭けた「GAP The Series」はYouTubeでの累計再生回数が8億回とタイで注目を集め、主演のフリベキことFreen & Beckyがスターに。このイベントでも何作も2人の作品が登場し、タイでの人気を実感した。

 

BLコンテンツがきっかけで加速した日タイエンタメ交流から目が離せない!

筆者はBL・GLコンテンツに関して、決して詳しい方ではない。
しかし取材を通して、毎回物語のユニークさや映像美、タイの俳優のクオリティの高さには驚かされている。元々、日本よりも同性カップルを多く見かけていたタイでは、ボーダレスなラブロマンスの世界は受け入れられやすく、エンターテイメントの大きな波として今後も発展していくに違いない。

昨今は、タイのBL・GL俳優の来日を待つばかりではなく、現地のファンミーティングに出かけ、タイ人ファンと交流を図る日本のファンの方のSNS投稿をよく見かける。
更にドラマ内に出て来る曲や、OSTに入っていた曲を担当するミュージシャンが注目を浴びるなど、日本人にタイのエンターテイメント業界全体に興味を持つ層が増加したのは嬉しい限りだ。

BLコンテンツが流行る以前も、タイのアーティストが日本デビューを果たすことが何度もあり、タイのアーティストが好きだという人も一定数存在していたし、もちろんタイとのエンターテイメント交流もあった。
例えば20年以上前、タイでX JAPANが爆発的に流行った際にはタイの音楽業界でJ-ROCKに影響を受けたバンドが多数出現。2006年には山下智久とタイの人気兄弟デュオGOLF&MIKEがGYMと言うユニットを組んだことで日本で大変な人気を獲得したこともある。そして2016年には、AKB48グループがバンコクに進出しBNK48がデビュー。その際も日本のアイドル風のタイのアイドルが多数誕生した。

それらとは全く別の形で始まったBLコンテンツがきっかけの日タイエンターテイメント業界の交流は、これまでとは全く違う勢いがある。
2024年には日本のインターナショナルミュージックフェスティバル「サマーソニック」が日本とバンコクで開催され、タイのBLコンテンツ出身のアーティストと、3組のミュージシャンの登場を可能にしたのだ。
これはかつて考えられなかった勢いであり、このような現象は、BLコンテンツがタイに生まれなければ不可能だったかもしれない。
BLコンテンツ、GLコンテンツだけではなく、タイと日本のエンターテイメント交流の勢いが、2025年もますます盛んになっていくことを願ってやまない。

取材・文:吉田彩緒莉(Saori Yoshida/Interview・text)

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