09.05
夏に身体がにおうのはなぜ?汗だけが原因じゃない。紫外線の影響も…?匂いを防ぐ食べ物を紹介!
夏の暑さに汗はつきものとはいえにおいが気になります。東海大学理学部化学科教授の関根嘉香(よしか)先生 に、汗やにおいのもとになる皮膚ガスについて、詳しく教えていただきましょう。
汗がにおう理由とは
夏に悩ましいにおい問題ですが、やはり夏の汗は何が違うのでしょうか?
「実は汗がにおうメカニズムは、どの季節も基本同じです。汗は約99%が水分で、もともとにおいはありません。汗をかいた後に放置すると、皮膚表面の常在菌が汗や皮脂に含まれる成分を分解し、においのもとになる皮膚ガスを発生させます。
ただ、夏は発汗量が多いので、かいた汗を放置するとにおいのもとになってしまいます。汗をかいた後は、汗拭きシートや濡れたタオルなどでこまめにふき取ることをお薦めします」(関根先生)
では、汗をかかなければにおわなくなるのでしょうか。
「確かに冷房の効いた部屋にいれば、汗をかくことはありません。しかし、普段から汗をかかない生活を送っていると汗腺が劣化します。急に暑い屋外に出て一気に発汗したとき、ミネラル分の多いベタベタした汗になってしまいます。
体の中から? 汗以外のにおいも
「体のにおいのもととなる皮膚ガスは300種以上あります。夏は汗臭のほかに、ストレスや体の疲労からくる疲労臭(アンモニア)、紫外線の影響によって生成が助長される加齢臭(2-ノネナール)にも注意が必要です」(関根先生)
これらには、汗のにおいとは別のやっかいさがあるといいます。
「汗臭のように皮膚表面で発生するものは、体を洗えば落とすことができます。しかし、皮膚ガスには血液の中から直接揮発してくるものや、血液から汗に移行して発汗とともに放散するものがあります。
例えば、疲労臭とも呼ばれるアンモニア。食事でとった肉や魚などが腸管内で消化されるなかで、タンパク質から生成します。アンモニアは大腸から血液中に移行し、血液循環で皮膚まで運ばれて放散します。鼻にツーンと来るにおいですが、ストレスや体の疲労によって放散量が増えるのです。
また加齢臭(2-ノネナール)は皮脂が酸化することで生成されますが、紫外線はこの酸化反応を助長します。一方、体の中で産生する活性酸素も2-ノネナールの生成に関わっています。
疲労臭は体を洗っても落とすことはできず、対策をするとしたら体のなかからのケアとなります」(関根先生)
夏の体のにおいに効く食材は
体のなかからのケアとは、どのようなことができるのでしょうか。
「例えば、疲労臭のもとであるアンモニアには腸内環境が関係しています。ビフィズス菌が作り出す短鎖脂肪酸が腸内でアンモニアを中和し、皮膚からの放散を抑えてくれることが知られています。
また、活性酸素を打ち消す抗酸化成分を含む食品(カシスや梅などの加工食品)の摂取により、2-ノネナールの放散抑制効果が認められています」(関根先生)
なるほど、食べ物による改善が望めるのですね。体のにおい対策として、積極的にとりたい食品や控えたい食品などはあるのでしょうか。
「バランスの良い食事を基本として、腸内環境を良くするヨーグルトや野菜類、果実類、海藻類などの食物繊維や抗酸化成分を多く含む食品などです。食品に含まれる抗酸化成分は、ビタミンAやビタミンC、ビタミンE、ポリフェノール、カロテノイドなどがあります。
控えた方がよいものとしては、におい対策という一面だけみれば、ニンニクやカレーライスなどです。含まれるにおいの成分が、血液中に取り込まれて皮膚から放散するからです。また動物性脂肪は、特に脇汗臭の対策として控えめにするのがよいでしょう」(関根先生)
まだまだ暑さは続きますが、におい対策のためにも食事やストレス、睡眠などに気をつけて、健やかに過ごしましょう。
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Source: HuffPost