2024
09.03

「苦しいことをやるべきではない」。冨永愛さんが思うサステナブルな旅とは?旅の必需品と思い出トークも【イベントレポート】

国際ニュースまとめ

円安によるインバウンドの劇的な復活や、アフターコロナによる国内旅行需要の急上昇などにより、日本の観光産業は今、大きな変革期を迎えている。

観光地が活気を取り戻す一方で、観光客と地域住民の継続的な繋がりをつくる仕組みが整っていないことや、移動に伴うCO2排出などが課題となっている。近年はエコツーリズムの開発も進んでいるが、日本国内におけるその選択肢はまだ少なく、スタンダードとは言えないのが現状だ。

そういった背景を基に、日産自動車と日本旅行をはじめとした14の事業会社が「GREEN JOURNEY推進委員会を発足。地域の課題解決を目指す新しいサステナブルな旅「GREEN JOURNEY」の販売を開始した。

8月下旬、東京ミッドタウンで本プロジェクトの発表イベントが行われ、日産自動車常務執行役員の神田昌明さんと日本旅行社長の小谷野悦光さん、日本旅行事業共創推進本部チーフマネジャーの椎葉隆介さんが登壇した。

また、イメージキャラクターのスナフキンの友達であるムーミン、そしてツアー体験者第1号としてモデルの冨永愛さんもゲストとして駆けつけた。

旅を楽しむほどに、サステナブルに貢献できる

GREEN JOURNEYGREEN JOURNEY

「GREEN JOURNEY推進委員会」は、業界の垣根を超えた様々な事業が、観光庁および環境省デコ活応援隊と連携して発足したプロジェクト。共同体の初の取り組みとして、8月20日(火)より2つの国内旅行ツアー「GREEN JOURNEY熊本阿蘇」「GREEN JOURNEY伊勢志摩」の予約販売を開始した。

本ツアーは「旅をとことん楽しむだけで、サステナブルにも貢献できる」仕組みが充実していることが特徴だ。

環境に優しい移動手段として電気自動車(EV)のレンタカーおよび充電設備の拡充を行なったほか、各地域で環境保全型のアクティビティやグルメの提供、LINEのプラットフォームを活用した旅行体験などが旅の工程に組み込まれている。

神田さんはプロジェクト発足の背景について、「旅行・観光産業は、世界のCO2排出量の約1割以上を占め、その大部分が移動によるものです。そこで長きにわたり、お客様のお出かけや旅に寄り添ってきた私たちが発起人となり、新たなサステナブルプロジェクトを発足することを決めました」と説明。

小山さんは「観光産業の持続するためには、地域の人手不足や二次交通(拠点となる空港や鉄道の駅から観光地までの交通)不足などの課題解決も欠かせません。本プロジェクトを通して、環境だけではなく地域にも貢献したいと考えています」とプロジェクトに寄せる思いを語った。

冨永愛さん、2つの「はじめまして」

冨永愛さん冨永愛さん

イベントでは、「GREEN JOURNEY熊本阿蘇」「GREEN JOURNEY伊勢志摩」をステージ上で擬似体験するスペシャルゲストとして、モデルの冨永愛さんが登壇。

壇上でムーミンと対面した冨永さんは「ムーミンだ!小さい頃からお世話になってるけど会うのは初めてですね。私の方がおっきい!」と無邪気な反応で会場を和ませた。

続いて椎葉さんと神田さんが、旅の案内人としてスナフキンの帽子を被って登壇。神田さんは「ちょっと恥ずかしいですね」と照れた表情を見せつつ、ツアーのポイントをまとめたパネル上を用いて、モデルコースの紹介をした。

右から椎葉さん、冨永さん、ムーミン、神田さん右から椎葉さん、冨永さん、ムーミン、神田さん

GREEN JOURNEYのツアーは、日産EVレンタカーに乗り込むところから始まる。

日産が2010年から販売しているEVは静音性に優れている。事前に同社のEVに試乗した冨永さんは「初めてEVに乗ったのですが、本当に静かでびっくりしました。車という乗り物を超えている感じがしますね」と感想を語り、神田さんは「思わず笑みがおこぼれてしまいました」と喜びの表情を浮かべた。

旅行後も、訪問者と地域をサステナブルに繋ぐ

伊勢市の牡蠣栽培の様子伊勢市の牡蠣栽培の様子

椎葉さんからは、旅の中で楽しめるグルメやレジャーについての紹介があった。伊勢市で以前は捨てられていたというアカモクや、志摩市の低利用魚を使ったグルメなどを実際に食べた冨永さんと神田さんは「あんなに美味しくて栄養豊富な食材が、捨てられていたなんて信じられないですね」と顔を見合わせて頷きあった。

また、赤牛を100g食べることで4.5畳分の森林保全につながるデータがあると聞いた冨永さんは「牛を食べることはメタンガス排出の観点などから、むしろ環境によくないイメージが先行していましたが、赤牛に関しては逆に環境に良い側面もあるんですね。いやぁあの赤牛のハンバーグ美味しかったですねぇ」とグルメ好きな一面も見せた。

本ツアーでは、旅行者と地域住民の継続的な関係構築を促進する「コネクトプログラム」も組み込まれている。同プログラムでは、地域住民の人から直接レクチャーを受けたり、共に食事をしたりというアクティビティや体験を通して、産業や文化の発展や継承、そして旅行者にとって旅先が第二の故郷になるような仕組みを用意しているという。旅行後もホストがラインアプリ上で動画や写真を送るなど、互いにコミュニケーションを持続できるのも最大の魅力だ。

Green JourneyのラインアプリGreen Journeyのラインアプリ

「コネクトプログラム」により実現したアクティビティの1つが、伊勢志摩市での牡蠣の養殖体験。持続的な関係が構築されることで、旅行者でも10ヶ月を要する牡蠣の養殖にチャレンジできるという画期的な取り組みだ。

冨永愛さんが「旅のエッセンシャル」を持参!

イベントの後半では、冨永さんが旅の必需品を持参。野外で欠かせない帽子、騒音対策用のヘッドフォン、そして新しく買ったばかりだという双眼鏡を紹介した。

「1つ目は帽子。Green Journeyにも野外アクティビティが充実していますし、特に今の季節は必須ですね」「2つ目は移動中の騒音対策にヘッドフォンと思ったのですが、EVはすごく静かだったので必要ないかも(笑)」「3つめ目は双眼鏡。地元の相模原でキャンプをすることもあるのですが、遠くに動物を見つけたりもするので、よく見てみたいなと思って買ってみました」

私物の帽子を持参した冨永さん私物の帽子を持参した冨永さん

また、思い出に残っている旅を聞かれると「家族と行った旅行はどれも思い出ですね。小さい頃に行った場所や息子と行った場所をよく覚えています。息子とモンゴルの草原で乗馬をしたのも良い思い出です」と回答。

最後にGREEN JOURNEYのツアーの擬似体験を振り返り、「とにかく美味しかった(笑)。そして実際に現地で体験したいアクティビティが沢山ありました」とコメントした。

「サステナブルは我慢というイメージを持っている人も多いと思いますが、私は苦しいことは決してやるべきではないと思っています。サステナブルなことを自然と楽しみながらできることが大切です」「サステナブルな旅を自分で組もうとすると、調べることも膨大でとても難しいので、今後もGREEN JOURNEYのような旅が広がっていってほしいと思います」

Green Journeyのツアーは、2033年までに対象地域を200エリア、累計参加者数は1000万人を目標に掲げている。「楽しくてサステナブルな旅行」をスタンダードにする挑戦に、今後より多くの注目が集まりそうだ。

GREEN JOURNEYGREEN JOURNEY

【GREEN JOURNEY 詳細】

・名称:GREEN JOURNEY推進委員会(グリーンジャーニー推進委員会)

・発起人:日産自動車株式会社、株式会社日本旅行

・賛同企業:北海道旅客鉄道株式会社、東日本旅客鉄道株式会社、東海旅客鉄道株式会社、西日本旅客鉄道株式会社、四国旅客鉄道株式会社、九州旅客鉄道株式会社、日本貨物鉄道、Earth hacks株式会社、株式会社地球の歩き方、株式会社おてつたび、株式会社TBWA HAKUHODO、特定非営利活動法人 日本ジオパークネットワーク

・提携自治体:熊本県阿蘇市、三重県志摩市

・提携団体等:東北大学、環境省(デコ活応援隊)

・発足日:2024年8月20日

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Source: HuffPost