08.29
マイケル・ムーア氏、民主党全国大会でパレスチナ系アメリカ人が一人も登壇しなかったことを「恥ずべき」と非難
ドキュメンタリー監督のマイケル・ムーア氏が、8月にアメリカ・イリノイ州シカゴで開かれた民主党全国大会(DNC)に対して感じた問題点を、自身のポッドキャストで指摘した。
全体としてDNCの内容を称賛したムーア氏だったが、問題視したのは、パレスチナ系アメリカ人が登壇しなかったことだ。
パレスチナ・ガザ地区ではアメリカの軍事支援を受けたイスラエルによる攻撃で、4万人以上が犠牲になっている。
ムーア氏は27日に公開されたポッドキャスト「Rumble」のエピソードで「ステージ上のどこにパレスチナ人の声はあったのだろう?あれは悲しかった」 と述べた。
「あるグループを除いて、さまざまな政治的信念やレインボーなどすべてのアメリカ人が歓迎された。恥ずべきことだ」
ムーア氏は「ジョー・バイデン大統領は次期大統領候補から撤退すべき」と主張していた一人で、後継者のカマラ・ハリス氏を高く評価している。
しかし、ムーア氏はDNC最終日の22日に行われたハリス氏のスピーチにも厳しい目を向けた。
ハリス氏はスピーチで、「イスラエルには自国を防衛する権利があり、必ず自衛能力を持てるよう保証する」と強調。その一方で、「ガザでは多くの罪のない命が失われている」とも指摘し、「苦しみを終わらせるために取り組んでいる」と述べた。
【動画🎥】民主党全国大会(DNC)で、イスラエルとガザの問題について語るカマラ・ハリス氏
このスピーチに会場から大きな拍手が起きたが、ムーア氏は「ハリス氏はパレスチナを支持する拍手や叫び声を止めようとした」と主張した。
「彼女は、『私はイランに立ち向かう』と言葉を続けるなど、いかに自分が軍を支持しているかを伝えなければならなかった。私たちはヒラリー(・クリントン)の時に、女性が大統領候補になった時には強気に振る舞わなければいけないということを学んだ。なんてことだ、私が生きている間に変わってほしい」
ムーア氏は、イスラエルを軍事支援するバイデン政権への抗議として、ミシガン州の民主党予備選挙で、「支持なし」票を投じる運動を組織したメンバーの一人だ。
この運動をしているグループは、パレスチナ人が置かれている状況を伝えるためにDNCでスピーチをしたいと要請したが、認められなかった。
ムーア氏はハリス氏のスピーチの数時間前に、DNCで「ひとつだけ欠けていることがある」と批判するコラムを掲載した。
「アメリカ人のあなたや私が、4万人以上のパレスチナ人(その半数以上は子どもと高齢者だ)を殺すためにお金を払い、爆弾を提供していることについて、一言も触れられていない」
コメディアンのジョン・スチュワート氏も、DNCでパレスチナ系アメリカ人が登壇しなかったことを自身が司会を務める「ザ・デイリー・ショー」で批判した。
ムーア氏はDNCの問題点を指摘している一方で、ハリス氏を支持する立場は変わっていない。
「カマラ・ハリス以外にはいない。これほど良い候補はこれまでにいなかったと思う。彼女は7月21日午後1時46分、この(大統領候補になるという)状況に放り込まれた。しかし彼女は準備ができていた」
長年トランプ氏を批判しているムーア氏は、「トランプ氏を永遠に追い払う」ために、ハリス氏を大統領にするための行動をとろうと述べている。
ハフポストUS版の記事を翻訳しました。
Source: HuffPost