08.29
佐渡市の廃校跡地にトレーラーハウスを活用した宿泊施設がオープン。観光客の受け入れや災害時の避難場所として地域に貢献
少子化に伴う児童生徒数の減少により、全国では毎年数百校が廃校となっている。解体するには巨額な費用がかかり、自治体にとっては負担になる。貴重な財産でもあることから、地域事情を踏まえた校舎や校庭の有効活用が求められている。
デザイントレーラーハウスの企画・設計・販売を行うエリアノは、新潟県佐渡市で精密金属加工を手がける佐渡精密と連携し、廃校となった旧沢根小学校グラウンドにトレーラーハウスを活用した宿泊施設「佐渡風流~nagomi~」を開設した。
あらゆる局面で柔軟に対応できるトレーラーハウスを採用
このトレーラーハウス型宿泊施設は、「廃校跡地を再活用して宿泊施設の拡充を図ること」「佐渡の観光やワーケーションを受けいれることで滞在時間、関係人口、関係企業の増加を図ること」「災害時の避難場所としての活躍」を目的としている。土地の有効活用や災害時対応に取り組むことに加え、移設が可能なトレーラーハウスを採用したことで、将来の土地利用が柔軟にできることなども評価され、2024年3月にデジタル田園都市国家構想交付金に採択された。佐渡精密はIT分野にも注力しており、宿泊業への参入に踏み切った。
トレーラーハウスが設置された旧沢根小学校(2018年3月31日に閉校)跡地がある佐和田地区・真野地区は、県の観光地満足度調査で総合満足度1位に輝いたこともあり、観光客に人気のエリアだ。高台にあるため避難場所としても適しているが、2024年1月に発生した能登半島地震の際には、閉校のために自主避難者の受け入れが十分にできず、災害時の拠点整備を求める声があがっていた。今回のトレーラーハウスの設置により、災害時の避難拠点として活用することも見据えているという。
DX活用で無人チェックイン・チェックアウトを実現
トレーラーハウスは各棟定員5人。室内にはシャワールーム、トイレ、洗面所、キッチンを完備し、専用のデッキ空間で焚火やBBQを楽しむこともできる。内装は、白と天然木を基調としたシンプルな色合いに、佐渡金山をイメージした金色のアクセントクロスあしらわれている。外観はよろい張りの家屋からインスピレーションを得たデザインとなっている。チェックイン・チェックアウトは宿泊DXを採用することで、無人で実施。遠隔での防犯カメラによる安全対策も行っている。
2024年7月、佐渡市にある佐渡金山がユネスコ世界文化遺産に登録された。今後、佐渡島には多くの人が押し寄せることが見込まれる。宿泊施設がさらに不足することも考えられ、トレーラーハウス事業には旅行者やビジネス客など幅広い来訪者の受け入れが期待されている。
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佐渡風流 ~nagomi~
住所:新潟県佐渡市沢根2番地(佐渡市立沢根小学校跡地)
室数:3棟
定員:各棟 最大5名
面積:約25㎡
アクセス:両津港からバスもしくはレンタカー
Source: HuffPost