07.30
知ってる?「アイスコーヒー」のおいしい淹れ方。冷水、常温、お湯…どれがおいしいか比べてみた!
猛暑の夏は、冷たいアイスコーヒーが恋しくなります。ウェザーニュースが実施したアンケート調査ではコーヒー好きは全体の9割以上にものぼります。特に、年代が上がるごとに「好き」の割合が増加する傾向にあるようです。
夏の暑い時季には、名前そのものが涼やかな“水出しコーヒー”はよりいっそう、のどと体を潤してくれる存在です。
水出しコーヒーとはどのようなものなのか、そして水出しコーヒーのおいしい淹(い)れ方などについて、UCCコーヒーアカデミーに教えて頂きました。
水出しアイスコーヒーとは?
水出しコーヒーとはそもそもどのようなものなのでしょうか。
「水出しコーヒーとはその名のとおり、普通のコーヒーとは違って“お湯ではなく、水を使って抽出するコーヒー”のことです。
熱を加えずに長い時間をかけて抽出するため、コーヒー本来の深く豊かな香りがしっかりと水に溶け込みます。そのため、出来上がったコーヒーは苦みが抑えられてなめらかな口当たりになり、すっきりと飲みやすい味わいに仕上がるのです。
さらに水出しコーヒーは酸化しにくいので、抽出した後で冷蔵庫に保存すると数日間おいしく飲むことができるという長所もあります」(UCC)
喫茶店などで、水出しコーヒーを「ダッチコーヒー」と呼ぶこともあるようですが。
「『ダッチ(Dutch)』はオランダを指す言葉です。水出しコーヒー発祥の地が17~20世紀にオランダ領だったインドネシアとされていることが、ダッチコーヒーという呼び名の由来のようです。
その時代のインドネシアでは苦みの強い『ロブスタ種』のコーヒー豆栽培が主流でした。そのため、コクがしっかりと味わえて飲みやすい水出し抽出による飲み方が誕生したといわれています。
水出しコーヒーはアイスコーヒーのイメージが強いのですが、湯煎(ゆせん)などで温めて、ホットコーヒーとしてもおいしく味わえます。最近では水出しコーヒーを『コールドブリューコーヒー』とも呼んでいます」(UCC)
おいしい水出しコーヒーを作るための3つのポイント
おいしい水出しコーヒーを作るためのポイントとして、次の3つが挙げられます。
▼ポイント1:焙煎(ばいせん)度が深めのコーヒーを用意する
「水出しコーヒーはお湯による抽出よりも効率が下がります。しっかりとしたコクに仕上げるためには焙煎度が深めのコーヒーを使ってください。そうすることで、余計な苦味やえぐみを抑えつつ、しっかりとしたコーヒーの味わいが楽しめます」(UCC)
▼ポイント2:新鮮で品質の良い豆を選ぶ
「水出しコーヒーはじっくり時間をかけて抽出する分、豆の味がダイレクトに出やすくなりますので、新鮮で品質の良い豆を選ぶようにしましょう」(UCC)
▼ポイント3:水出しコーヒーに適した水を選ぶ
「水出しコーヒーには硬水よりも軟水が適しています。軟水のミネラルウォーターを使うか、水道水を使う場合には浄水器を通した水を使いましょう」(UCC)
3つの抽出法で検証!水出しアイスコーヒーのおいしい淹れ方
市販の水出しコーヒーを自宅で抽出すると、水っぽくなったりやたらと時間がかかったりして、うまく淹れられない場合があります。どのようにすれば、おいしい水出しアイスコーヒーが作れるのでしょうか。
「市販の30gの深炒りコーヒーの粉が入ったパックを500ccの、(1)冷水でそのまま、(2)常温の水で蒸らした、(3)お湯で蒸らした、それぞれの後にボトルを冷蔵庫で6時間抽出するという3パターンの淹れ方で検証してみました。結果は次のとおりでした。
(1)冷水でそのまま抽出したアイスコーヒー
「基本的に薄く、コクもありません。その代わりゴクゴクと飲めます。
6時間も抽出に時間をかけたのにコクが感じられず、“もう少し漬けておきたかった”“これが水出しと思われたら残念”な感じがしました」(UCC)
(2)常温の水で蒸らしてから抽出したアイスコーヒー
「まろやかな苦みがあり、香りもよいアイスコーヒーらしい味わいでした。冷水そのままに比べると、“ちゃんとしたコーヒー感”がありました」(UCC)
(3)お湯で蒸らしてから抽出したアイスコーヒー
「水出しとお湯のハイブリッドで、一番アイスコーヒーらしく後味もとても良かったです。
お湯で抽出したアイスコーヒーに近い感じですが、そこまでの苦みはありません。水出しとお湯の“良いところ取り”のイメージで、おいしく作るための“裏技”といえるかもしれません」(UCC)
市販の水出しアイスコーヒーは一般的に「常温での抽出」を推奨していますが、水出しとお湯のハイブリッドによる裏技といえる抽出法も、試してみたくなります。
水出しアイスコーヒーには何杯分も一度に作れ、冷蔵保存すれば数日間飲めるというメリットもあります。少しでも涼しく過ごすためにも、水出しコーヒーを味わってみてはいかがでしょうか。
Source: HuffPost