05.30
カナダ大使館は、東京タワーも見える「映え」観光スポットだった。旅気分を味わえる庭園アートの魅力
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「どこかに出かけたいな」。ふと予定が空いて、ムズムズしてしまうことはないだろうか。そんな時にピッタリのお出かけスポットを都心に発見してしまった!
それは、在日カナダ大使館。東京メトロ銀座線の青山一丁目駅から徒歩5分。赤坂御用地の広大な緑に接する青山通り沿いにある。
「大使館って、入れるの?」と思う人もいるだろう。でもだいじょうぶ。カナダ大使館のウェブサイトを見ると、見学案内のページに「一般公開部分をご自由にご見学いただけます」と書いてあった。
さっそく出かけてきた記者が、注目ポイントを紹介しよう。
カナダ大使館庁舎がある建物は、1991年に開館。日系カナダ人建築家レイモンド・モリヤマ氏によって設計され、公共スペースをできるだけ広く設けるよう工夫されているという。
入館手続きを済ませてゲートを通ると、最初に現れるのは長いエスカレーターだ。隣の公園(高橋是清翁記念公園)の緑も美しく、「大使館ツアー」への期待が高まる。
上階の玄関口に降り立つと、ブロンズのアートが出迎えてくれた。「ゴジラの背中みたいだな」と思っていたら、「これはカナダ東岸、大西洋の荒波を表しています」と職員の方が説明してくれた。
なるほど、遠くに見える東京の街並みをヨーロッパ大陸に見立てているのか。
「よーく見てください。波の間から東京タワーが見えますよ。実は、スマホで写真を撮る時の映えスポットとして、ひそかな人気があります」
振り返ると眺めのよいテラスが広がり、石の庭園があった。「カナダ・ガーデン」と名付けられた庭園アートで、大西洋岸から太平洋岸まで広がるカナダの国土を象徴しているそうだ。
大西洋側から大陸横断の旅に出発。前カンブリア紀の楯状地を経て北極地域、大平原へと続き、ロッキー山脈にいたる。
ロッキー山脈を表す三角形の石のそばには、人の形のような「イヌクシュック」もあった。イヌイット語で「人間の化身」という意味で、伝統的に航海や狩猟の時の目印として、また儀式にも使われてきたという。
旅はまだまだ続く。
ロッキー山脈の先には、池があった。太平洋を象徴しており、「ウェーブ」というブロンズ彫刻も浮かんでいる。
この「太平洋」を渡ると建物の反対側に回り、日本を表した庭園があった。石組と石畳、砂利で構成した禅庭園で、「コミュニケーション」をテーマにしているという。
屋外の庭園だけでもかなりの満足度を感じたが、さらに屋内にも一般公開されている見どころスポットがあった。
一つは「E.H.ノーマン図書館」。カナダと日本に関する英語、フランス語、日本語の図書を収蔵し、カナダ留学の情報も得られる。
もう一つは「高円宮記念ギャラリー」。絵画、彫刻、写真、テキスタイルなど、カナダのアーティストの作品を展示している。
2024年5月下旬には、グループ展「ANTHEM(国歌)」が始まっていた(9月20日まで)。
多民族国家カナダでは、「国歌」の解釈もひととおりではない。その興味深い内容は、「国歌を二つの言語で歌う国がある。多民族の文化をアートで伝える、カナダ大使館「国歌」展の見どころ【観光スポット】」で紹介している。
一般公開スペースには休館日を除く平日(月〜金)に入れる。入場は無料。ただし入館時には、公的機関が発行した顔写真付きの身分証明書(運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなど)を提示する必要がある。
Source: HuffPost