05.25
カビが増殖しやすい「浴槽エプロン」。お風呂は梅雨前の掃除が重要、ポイントと掃除の手順は
お風呂の設備の中でも「お風呂(浴槽)エプロン」と呼ばれる箇所は特にカビの温床となりやすいとされています。しかし、浴槽エプロンのカビ対策はあまり認知されていない上、掃除には手間がかかるため、手つかずになっていることが多いのです。
ウェザーニュースで実施したアンケート調査でも、浴槽エプロンの掃除を「しない」という方が最も多く、全体の44%を占める結果となりました。
浴槽エプロンを掃除している人はあまり多くないようですが、カビの予防には日頃のお手入れが大切です。浴槽エプロンの掃除方法とお手入れのポイントを、住まいの設備と建材メーカーであるパナソニック ハウジングソリューションズに解説して頂きました。
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浴槽エプロンはカビが増殖しやすい
「浴槽エプロンとは、浴槽の横の部分をカバーする、フタのようなものです。浴槽の内側には、エプロンによってカバーされた空間があります。浴槽エプロンがついている理由は、浴槽全体をキレイにみせることと、浴槽全体をカバーしてお湯を冷めにくくするためです」
浴槽エプロンは簡単に外して掃除ができるものなのでしょうか。
「浴槽エプロンの外し方は、メーカーによって異なります。無理に取り外そうとすると元に戻せなくなったり、割れたりする原因になります。
カビの掃除を優先させて浴槽エプロンを壊してしまうと、お取り寄せには万単位の高額な費用がかかります。掃除のために浴槽エプロンを取り外す場合には、必ず前もって取扱説明書を確認してください。
また、浴槽や床、壁と一体型になっていたり、ゴムパッキンやビスで固定されていたりするタイプの浴槽エプロンと、ユニットバスなどは取り外しが不可能です。外せるタイプには説明シールが貼ってあることが多いのですが、シールがなく、取り外せるかどうか分からないときも、取扱説明書を確認してください」
湿気と温度などカビが好む条件がそろう
「浴槽エプロンの内部は湿気がこもりやすく、温度が20~35℃前後とカビが繁殖しやすい環境で、さらにカビの栄養となる皮脂や汗、雑菌など、カビの栄養となる汚れが多く付着しているからです。
カビが好む条件がそろい、掃除がしにくい箇所である浴槽エプロン内側のお手入れをおろそかにしていると、カビがどんどん増殖していきます」
浴槽エプロンを外せることを知らなかったり、カバーを開けることがなかったりすると、内側がカビだらけになっているかもしれません。
「カビが生えているところがあると、その他の場所にも移っていきます。浴室・浴槽はカビの発生しやすい場所ですので、増殖させないためにも、外せるタイプの浴槽エプロンは、定期的に掃除してください」
掃除とお手入れの手順は?
どのように掃除をしたら良いのか、手順を教えてください。
「浴槽エプロンは樹脂製ですので、樹脂を傷める可能性が少ない浴室用の中性洗剤を使用します。
その他に準備しておく物は、柄の長いブラシ、スポンジ、雑巾、キッチンペーパーです。ゴム手袋、マスク、ゴーグルかメガネをきちんと装着してください。
取扱説明書に従って浴槽エプロンを取り外したら、邪魔にならないように浴槽内に立て掛けて、大きな汚れはキッチンペーパーで取り除きます。50~60℃の熱いシャワーのお湯を1ヵ所5秒以上当てて、浴槽の下に入り込んだ髪の毛やゴミを洗い流します。
汚れを洗い流しているうちに排水口が詰まることもありますので、適宜ゴミキャッチャーを確認して、溜まったゴミを取り除きましょう。
できる限り先に汚れを洗い流しておくことで、後の掃除がしやすくなります。お湯はかなり熱いので、やけどには十分注意してください」
ゴミを洗い流した後はどうするのでしょうか。
「エプロンの内側と浴槽にまんべんなく中性洗剤を吹き付け、頑固な汚れのときは30分ほど放置し、スポンジでこすります。カビ汚れがひどい箇所にはカビ取り用洗剤を使用してください。
こすり洗いはシャワーを流しながら、手の届くところはスポンジで、奥まった部分は柄の長いブラシを使うと汚れが取りやすくなります。洗剤をしっかり洗い流したら、乾いた雑巾で仕上げ拭きしてください。
洗剤でカビを除去した後は、カビが発生しにくくなるようしっかり乾燥させてから、再度取り付けたら完了です」
なお、エプロンが外せないタイプの清掃は、外側の見える範囲だけを掃除すれば良いそうです。
「やけどに気を付けならが50〜60℃のシャワーで洗い流し、お風呂用洗剤を吹き付けてスポンジでこすり洗いして、シャワーでしっかり洗い流しましょう」
掃除の際の注意点
「カビを除去するために使う塩素系漂白剤は強い薬剤なので、使用には十分気をつけてください。浴室という密閉空間で独特の臭いを嗅ぎ続けると気分が悪くなる可能性があります。塩素系漂白剤を使用する際は、必ずマスクをして換気扇を回し、窓を開けてください。
塩素系漂白剤は、酸性のものと混ざると有毒ガスが発生しますので、絶対に他の洗剤と併用しないでください。目や皮膚、気道に対して影響が出ますので、ガスが発生した際はすぐにその場から離れて、刺激臭が消えるまで浴室に立ち入らないでください」
湿度が高くなる6月の梅雨どきと10月の台風シーズンはカビが発生しやすく、増殖してからの清掃は面倒です。浴槽エプロンを外しての清掃は、年2回、半年に一度が適切といいます。カビ発生・増殖がピークを迎える前のこの時期に行ってみてはいかがでしょうか。
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Source: HuffPost