QRRA (カーラー) 独占インタビュー～BNK48からK-POPプロデューサーが携わる実力派ガールズユニット

2024
04.20

QRRA (カーラー) 独占インタビュー～BNK48からK-POPプロデューサーが携わる実力派ガールズユニット

AKB48の海外姉妹グループ、BNK48。タイの国民的アイドルとなったことで、タイ好きの方なら知っている方も多いのではないでしょうか？
日本のAKB48グループも、別ユニットで曲をリリースすることもあり、それはタイにおける48グループでも見られる流れでした。

ただ、QRRA（カーラー）はこれまでのユニットとはちょっと異なる立ち位置。
もともとは、コロナ禍直前の2019年にLYRA（ライラ）としてBNK48の1期生・2期生からオーディションで選ばれたメンバーのグループで、ユニバーサルミュージックタイランドからデビューしたものの、メンバーの卒業でVYRA（ヴァイラ）と改名。そしてその後、1期生が全員卒業してしまい、2期生の3人が残りました。
話し合いを重ね3人が今の自分たちに不足している部分を補ってくれるメンバーをオファー。新たにBNK48の3期からメンバーが加入した結果、生まれたユニットこそFond（フォンド）、Niky（ニキ）、Chanya（BNK48ではNew。QRRAではプライベートのチューレンで再出発。そのため以下Chanyaと表記）、Paeyah （パエヤ）、Popper（ポッパー）から成るQRRAなのです。

コンセプトは「気高い / いたずらっぽい / プリンセス」とのことで、これを全部成し遂げる女性って、かなり忙しそうだけど、一体どんなメンバーなんだろうと考えながら身構えていたところ…

う、うつくしい…。
かわいいBNK48からは想像できない、ちょっと大人の雰囲気漂う、小悪魔的な5人がそこにはいました。

しかし、BNK48第2期のメンバーが全員脱退するという衝撃的なニュースを聞かされていた筆者。ただでさえメンバーチェンジで大変だったユニットだったはず。
「えっ？またですか？」と、本気で心配していました。
ここは憶測よりも、本人たちに聞くべし！

ということで「Superball presents T-POP Showcase Tokyo 2024」で初日本公演を迎えよう
としているQRRAの5人のプリンセスをキャッチし、アレコレ聞いてみました。

日本の好きなところは？

ーーBNK48としては、タイランドハイパーリンクスにもよくご登場いただいているのですが、QRRAとしては初めてと言うことで、自己紹介としてお名前と、日本の好きなところを教えてください。

Paeyah：Paeyahです！日本の好きな物は、食べ物全部！

ーー（笑）。それは和食全てということですか？

Paeyah：そうです。ラーメンでしょ、寿司でしょ、刺身でしょ…全部美味しいから大好きです（笑）。

Popper：Popperです。私は写真を撮るのが趣味なので、日本の景色が大好き。どこにカメラを向けても全てがきれいなんですよね。

ーー一番好きな日本の景色はどこですか？

Popper：まだ行ったことがないんですが、やっぱり富士山ですかねー。

ーーそう言えばPopperさん。去年のタイフェスティバル東京2023でBNK48としてインタビューさせていただいています。

Popper：実は去年会った人じゃないかな？って思っていました（笑）。

ーー覚えてくださっていて嬉しいです（笑）。

Chanya：Chanyaです。日本で好きなのは抹茶系のドリンク。もう飲んできちゃいました。そして、やっぱり桜ですね。大阪も好きです。

ーーおっ？大阪には行ったことがあるんですね？

Chanya：はい！3年前に行きました。ユニバーサルスタジオが大好きなんです（笑）。

Niky：Nikyです。私は日本のこの気候が大好き。タイは常に暑いんですよね。丁度今ぐらいの日本の天候が一番です（この日は4月4日）。

ーー東京は昨日はとても暖かかったんですけど、今日はいきなり寒くなりました。体調的には大丈夫？

Niky：ぜんぜんOK！

一同：（顔を見合わせて笑）

Niky：今のタイの暑さを考えたら快適すぎます（笑）。

ーータイは今が一番、暑い季節でしたね（笑）！

Fond：サワッディーカー！Fondです。私は日本の建築物やミニマルな所が好きです。色が全面に出過ぎていない所がシックで素敵だな、と思います。

ーー私は逆にタイの極彩色の寺院や、カラフルな所が大好きです！

一同：（爆笑）

Fond：あはははっ、逆ですね！

ーー無いものねだりですね（笑）。そう言えば今日の皆さんの衣装はモノトーンでとても素敵。

Fond：日本に合わせてきました。

ーー本当ですかぁ？

一同：本当です（笑）。

BNK48は卒業してもQRRAは脱退しない

ーーQRRAのメンバーはBNK48の2期生と3期生で構成されているんですよね？

Fond：（Chanyaまでを指して）ここからここが2期生。

Paeyah＆Popper：（手で合図して）ここが3期生です。

ーーBNK48は2期生が全員卒業してしまうと聞いたのですが、これは本当なんですか？

Fond：はい。卒業します。

ーーえーっと、その場合、QRRAはどうなるんですか？QRRAになるまでのことを考えると、大変だったんじゃないかなと思うんですが。

Chanya＆Niky＆Fond：大丈夫です。残りますよ（笑）。

ーーあー、良かった。今日このインタビューで、QRRAは5人から、2人だけになってしまうのかと思っていました。

一同：（爆笑）

ーーBNK48としては2期メンバーが全員卒業してしまったら、寂しいですよね。

Chanya：とは言え、3期も４期も５期もいるので…。

Niky：割とにぎやかだよね。

Popper：いきなり人数が減って寂しくなるという雰囲気は、全くないです。

ーーあれ？意外とドライなんですね。

PaeyahとPopperは2期生のメンバーに望まれて加入

ーー３期生の方から見ると、２期生はセンパイなわけですけど、QRRAでは関係なく仲良くやっていますか？

一同：（顔を見合わせ爆笑）

Paeyah：最初にQRRAに入った時には、２期生と言えばもう大センパイ。だからとても緊張していたんですよ。
もちろん今でもセンパイなんですけど、沢山会話することで、慣れました。緊張することなく仲良くしています。

ーー逆に２期生の方から見ると、妹分のような存在ですけど、どうですか？２人はかわいい存在ですか？

Chanya＆Niky＆Fond：（にやりと笑みを浮かべて２人を見る）

Paeyah＆Popper：（こわーい、というポーズ）

Chanya＆Niky＆Fond：かわいいです（ニッコリ）。

ーーまあ、ここでかわいくないとは言えないですもんね。

一同：（爆笑）

Niky：じゃあ、きれいです、かな（笑）？

ーー自分がQRRAに選ばれた理由は何だと思いますか？

一同：おお～！

Niky：沢山ある！特に２期生は沢山あるよね（笑）？

Popper：２期生からどうぞ。

Fond：今のQRRAになる前のグループになるんですけど、オーディション当時は私はダンスも歌もそんなにうまくないんじゃないかなって思っていたんですよ。でも面談で「何かやりたい」というポジティブな思いが、はっきりと運営側に伝わったんじゃないかな？と、自分では思ってます。

Niky：ダンスや歌のスキルだと思っています。もちろん、前向きな思いって言うのも、合わせて伝わっていることだとは思うんですけどね。私の場合、他のユニットにも参加経験が豊富なので、人に合わせやすいというのも、理解してもらっていたと思います。

ーー今いる2期生のメンバーは、1期生のメンバーと一緒にユニット組んで活動していましたもんね。

Niky：そうなんですよ。その時、グループをどうやって見せていけばかっこよく見えるか、とか、まとめてきた方だと思っています。

Chanya：私の場合はBNK48では歌のスキルもダンスのスキルも自信はなかったんですよね。でも常に上達するための努力はしてきました。それを認めてもらえたんだと思っています。

ーー新たに加わった3期生メンバーはなぜ選ばれたんでしょう。

Popper：私は2期生からのオファーで加入しました。新しいグループには少し年上でボーカルもできることを条件としていたみたいです。
私、2期生のこの3人からオーディションを受けたんですよ。
審査員からのフィードバックなんですが、当時のパフォーマンスがとても良かったと言ってもらえました。

Paeyah：私もPopperと同じ理由で、2期生のメンバーから足りない部分を補えるメンバーが欲しいという理由でオファーが来ました。歌やダンスのレベルはもちろんなんですが、特に表情での表現の仕方を求められていたと思います。
あとは面接のときの熱意を、運営側にくみ取ってもらえたかな、と思います。

ーー熱意！PaeyahさんはQRRAのメンバーになりたかったんですね。

Paeyah：そうですね。新しい経験だし、QRRAのようなガールズグループをずっとやってみたいなと思っていたので。

日本のカルチャー48グループとは異なる領域にトライ

ーーデビュー曲の「Miracle」からMVを見て来たのですが、ラップを担当していたのはどなたですか？

Paeyah＆Niky：手をあげる

ーーあれ、凄くかっこよかったー。

一同：（拍手）

Niky：ありがとー！

ーーかわいい曲の多いBNK48では、なかなかないパートですよね。

Niky：Vacolのクラスで、声の出し方やアクセントの付け方を細かく教わりました。

Paeyah：あとは、自分たちに合うラップのスタイルにアレンジする方法とかね。

Niky：そうそう！

ーーBNK48とは声質や発生方法もかなり変えているように思ったのですが。

Popper：曲に合わせて声の出し方も変えています。

ーーB-rock（K-POPのプロデューサー）さんが楽曲にも携わっていると聞いたのですが、不思議とタイ語がタイ語に聴こえない曲もあったと思います。

一同：おお―…。

ーー歌い方の指導も入ったのでしょうか？

Popper：歌い方のブリーフィングをしてくれました。プロデューサーからタイ語に関しての指導があったので、聴いた方に伝わっていて嬉しいです。

Paeyah：ボーカルのクラス以外に、レコーディングの時にも来てくれました。

Chanya：ここはこういう歌い方がキレイだとか、それから…

Popper：タイ語もあまりはっきり歌わず、アクセントを強調（笑）！

Chanya：そうそう…（笑）

Fond：だから最終的にはプロデューサーのB-rock風の曲調になりましたね。

プリンセスはどんなプリンスがお好き？

ーー「Happy We Day」という曲のMVには最後に翼の生えた王子様が出てきますよね。どんな王子様なら好きになっちゃいますか？

一同：おおおおおお～！

Paeyah：Fondから（笑）。

Fond：はい！Fondです。えええ（照笑）…？

一同：（爆笑）

Fond：ギャップに萌えますね。

Niky：ルックスは（笑）？

Fond：ルックスはクールなんだけど、実際は優しい人。

ーーツンデレってやつですね（笑）。そういうNikyさんのお相手に求めるルックスは（笑）？

Niky：あはは（笑）…ルックスだけで言うと、笑顔がきれいな人ですかねぇ。

一同：フフフフ．．．（不思議な笑い）

Niky：それからやっぱりファッショナブルな人が好き。服装に気が使える人が好きですね。

Chanya：私はちゃんと自分のケアをしている人が好きだな。スキンケアはもちろん、健康に気を付けて身体を鍛えているとか…。

一同：へぇえええ（笑）。

Chanya：あと料理ができたらいいですね。

Niky＆Fond：えっ？（驚いて叩き合う）

ーーなっ…なかなか厳しいですね（笑）。じゃあ次はPopperさん

Popper：えっ（焦）？うふふふ（笑）。

一同：（笑）

Popper：私は頭の回転が速い人が好きです。それで話が合う人ならベストですね。

Paeyah：私は自分の得意分野があって、やりたいことを極めている人。そしてその夢を一生懸命に追いかけているような人が好きですね。…あと、ロマンティックな人。

Fond：おお～、いいね、いいね！

QRRAを初めて知った日本の皆さんへ

ーーQRRAはもともと日本のAKB48海外姉妹グループのBNK48から出てきたユニットです。そう思うと、日本にはゆかりの深いT-POPガールズユニットだと思うので、日本の皆さんにメッセージをお願いします。

Fond：優しく見守ってください。応援よろしくお願いします。

Niky：今後、日本で沢山公演できるように、頑張りますね。

Chanya：QRRAの曲、ぜひ聴いてください。今後もたくさんいい作品を作っていきたいと思います。

Popper：QRRAが日本で公演できるように、これからも頑張っていきます。日本のファンの皆さんも私たちに会いにタイに来てくださいね。

Paeyah：今後も日本に来ることができるように頑張ります。

ーーありがとうございました！

取材を終えて―――

AKB48の曲で、BNK48がタイで国民的な人気を得た時、タイが好きな日本人であれば、誰もが誇らしく感じたと思います。
ここ数年は日本もタイもK-POPが人気で、K-POP市場ではタイ人の活躍が際立ちます。中には世界的な活躍をするタイ人の姿も。
「凄いなあ」と思いながらも、BNKとCGM48は絶対的日本感を失わずにいてほしい…いや、何よりもタイ感はそのままでと願いつつも、そこにK-POPのプロデューサーの手が入ると、それはもうT-POPじゃなくて、K-POPなのかも？と、少し寂しくも思っていました。
しかし！「T-POP Showcase Tokyo 2024」でQRRAのステージを見終わった時、その心配が取り越し苦労だったことに気付き、全身の力が抜けました。いや、全然タイ。まったくもってT-POP。
どんなに他国の要素が入っても、タイ語の存在感たるや、タイに脈々と受け継がれるリズムの楽しさたるや！
デビュー曲の「Miracle」に関してはK-POPに寄せている部分も見受けられましたが「Hurry Up」を聴いたら、泣きそうに。ルークトゥンやモーラムにも使えそうなフレーズと、まるで地方の祭りに紛れ込んだような華やかさ、モロにタイのリズム。ああ、そうだよ、そう！タイはこうでなくちゃ。
もしかしたらQRRAは、世界中のどんなジャンルを取り込んでも、T-POPへと昇華できる、とてつもないユニットなのかもしれません。

取材・文：吉田彩緒莉（Saori Yoshida／Interview・text）
撮影：沢多泰季

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