03.31
ガザを「長崎や広島のようにするべき」。原爆を引き合いに出す米議員の発言に批判の声
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アメリカ・ミシガン州選出の下院議員が、イスラエルによる攻撃が続くパレスチナ自治区ガザ地区について、「長崎や広島のようにするべきだ」などと、原爆投下を促すような発言をしたとして、批判を浴びている。
どんな発言だったのか
共和党のティム・ウォルバーグ議員は3月25日、同州ダンディで集会を開催した。議員の発言はこの集会中、ガザへの米軍の派遣に関して会場から質問を受けた際に飛び出した。
ガザ地区ではこれまで、イスラエル軍により3万2000人以上が殺害されたと報じられ、食料不足により子どもが餓死するケースも報告されている。一方イスラエルは、ガザへの支援物資を搬入する陸路の拡大を求める国際的な要請を拒否している。
米国防総省は3月初め、支援物資を届けるための桟橋を建設する計画を発表した。だが桟橋建設を巡っては、米軍が危険な状況に置かれる恐れがあると指摘する声も上がっている。
こうした背景のもと、ダンディで開かれた集会で参加者の一人の男性が、桟橋の建設に駆り出される米兵と話をしたと語り、「なぜ私たちの金をかけて、彼ら(ガザ住民)のための港を造るのか」と質問した。
ウォルバーグ議員は「ジョー・バイデンがその理由です。(バイデン大統領は)私たちはガザに人道支援を届ける必要がある(と説明している)。私はそうすべきとは思いません」と答えた。議員は、港湾計画が「我々のいるべきではない」ガザに米軍を送り込むことに等しいと述べた。
その上で、アメリカによる日本への原爆投下を引き合いに出し、ウォルバーグ議員は「人道支援に一銭も使うべきではない。長崎や広島のようにすべきだ。早く終わらせる。ウクライナも同じようにするべき。早くプーチンを倒すのです」などと持論を展開した。
ウォルバーグ議員の事務所は「デトロイト・ニュース」に対し、議員の発言は「コミュニティの集会中、(ウォルバーグ議員は)明らかに、イスラエルによるハマスの迅速な排除を支持するために比喩を用いていました。(ハマスの排除は)長期的に命を救う最良の機会であり、地域の恒久的な平和を達成する唯一の希望です」と釈明している。
Michigan Congressman Tim Walberg, pastor and "good" Christian, talks about his solution for #Gaza: Give it the Hiroshima treatment. "Get it over quick."
A sitting US Rep in a secret town hall feels comfortable musing positively about genocide. Listen. Share.#DemCastMI#DemCastpic.twitter.com/6BQGfWMVjZ
— JMS 🫱🏻✋🏻 #DemCastMI (@WhitchMI) March 30, 2024
このウォルバーグ氏の発言に対しては、批判の声が相次いでいる。
ダン・キルディー下院議員(民主党、ミシガン州)は、「恐ろしく、衝撃的」な発言だとXに投稿。「ガザ住民への人道支援に反対し、さらにパレスチナ人の大規模な虐殺をも提唱するのは弁護の余地のない立場だ。これほど極端で危険な発言には、全くもって同意できません」と痛烈に批判した。
同じくミシガン州選出の民主党エリッサ・スロットキン下院議員も、発言を撤回するべきだと述べている。
(この記事は、ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しています)
Source: HuffPost