2024
02.16

<北朝鮮内部>「民族最大の祝日」=金正日生誕日行事を縮小 財政難で特別配給わずか 労働動員を優先しキャンセルされた忠誠行事も

国際ニュースまとめ

「この世にうらやむものなし」と書かれた国産の菓子セット。2012年の金正日生誕日に子供に配られたもの。まずいと不評で市場に売る人が続出した。写真は後日に日本に送ってもらったもの。(アジアプレス)

2月16日は北朝鮮の「光明星節」。2011年に死亡した金正日氏の生誕記念日だ。北朝鮮では4月15日の「太陽節」(金日成生誕記念日)と並んで民族最大の祝日として扱われている。

1990年代以前は、「光明星節」には住民や労働者に食品や酒、雑貨、学生服、菓子などの特別配給が、指導者からの贈り物として住民に無償で下賜された。しかし、経済が悪化してからは質も量も劣悪になった。今年はどんな雰囲気だったのか。両江道(リャンガンド)の状況を4月15日に取材協力者が伝えてきた。

「今年は生徒たちに菓子の贈り物があった以外、住民対象の特別配給は何もありませんでした。いくら財政事情が厳しくても、これまで酒の1本くらいはくれたのに、企業や役所が労働者に出したもの以外はありませんでした。特別配給を国営商店で支給するという噂が10日から出回っていたのですが、結局何もなかった。祝日のような雰囲気もないですね」

「光明星節」の特別配給には2種類ある。前述のように行政機関が全住民を対象に配布するとものと、機関や企業が独自の裁量と責任で調達して労働者に支給するものだ。

「企業所間で特別配給の格差がとても大きい。まともに稼働できていない工場では、今年は特別配給をまったく出せず、労働者が会議で幹部に文句を言ったり、他の職場に移ってやると騒ぎが起きたりしていました」

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