01.31
<北朝鮮内部>「脱北は銃殺か懲役」と当局が明言 国境付近は雪の足跡だけで大捜索 「何万ドル出しても脱北不可能」と住民
厳寒期に入って、朝中国境の河川、鴨緑江と豆満江は氷結している。歩いて中国に越境できる季節の到来だ。北朝鮮の庶民の暮らしは極めて厳しい状況が続いており、脱出の「プッシュ要因」は潜在しているが1月中旬から金正恩政権は国境地帯住民の動向監視と警備強化に乗り出していることが分かった。北部の複数都市の取材協力者が伝えてきた。(カン・ジウォン)
◆脱北は懲役または死刑に処すと幹部が公言
1月26日の朝、両江道(リャンガンド)の恵山(ヘサン)市でちょっとした騒ぎがあった。凍った鴨緑江に積もった雪の上に人が歩いた足跡が残っていたのだ。すぐに国境警備隊が一帯を捜索し、付近の地区に住む住民の点呼が行われたという。
この情報を伝えてきた恵山市の取材協力者は、最近の脱北防止策の厳しさを次のように説明した。
「29日にあった女性同盟の学習会議に、人民委員会(地方政府)の幹部2人が来て指導しました。『脱北する者はただの裏切りではなく反逆者であり、教化刑(懲役刑)または銃殺刑に処する』と明言しました」
人民班では、アパートの玄関や地区の出入り口に警備詰め所を設け、住民はもちろん地区に出入りする人を都度すべてチェックし、それを担当安全員(警察官)に随時報告しているという。
また安全局(警察)では、過去に密輸や中国への越境、非行行為があった者を登録・監視しているが、それらの人の行方が分からなくなったり、居住地を離れた後に戻って来なかったりした場合は、すぐに安全局に連絡が行く体制になっており、安全局には付近の封鎖を命じる権限まで与えられているという。
「もう何万ドル使っても中国に越境するのは困難です。ぎりぎりと締め付けられる一方で、警備が緩む望みはないですね」
※女性同盟 就業してない成人女性の社会団体。ほぼ家庭の主婦で構成されていたが、近年独身女性も増えている。
※人民班 最末端の行政組織で20~40世帯を管理する。
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