2024
02.01
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<ウクライナ>戦う女性たち「故郷守る」と防衛隊に (写真17枚)
◆ドンバス戦線で負傷の元ウクライナ軍狙撃兵
ウクライナ軍では、女性兵士の割合は2割におよぶ。ベロニカ・バトリさん(33)は6年前に陸軍に入隊し、狙撃兵となった。 東部ドンバス地域の親ロシア派勢力と対峙する戦線で戦った。作戦中、仕掛け爆弾で右足に重傷を負い、除隊。今回の侵攻で戦列に加われないのを悔やんだ。
ベロニカさんは、ロシア軍の侵攻についてこう話す。 「私たちにとって、この戦争は2014年のクリミア占領から続いているのです。さかのぼれば、300年以上も繰り返されてきたロシアによる支配の目論見の延長です。戦わずに降伏すれば、苦しみは百倍以上になって降りかかる」
◆「祖国に尽くした傷」
故郷を守るため、愛する者のために戦闘の最前線に立つ女たちの姿は勇敢で、凛々しく映るだろう。 私はこれまで各地の戦場で銃を手に戦う女性たちを取材してきた。クルド組織のゲリラ兵やシリア北部で過激派組織イスラム国(IS)と戦った部隊。 生死の修羅場をくぐり抜けてきた女性ほど、男の兵士以上に顔つきが険しく、切り裂くような鋭い目だった。 それはたくさんの死を見てきた目であり、人を殺すことをいとわなくなった人間の目でもあった。恐怖の記憶がよみがえり、苦しむ女性も少なくない。
足の負傷で松葉杖の生活になったベロニカさんは、公園のベンチに座り、静かに言った。 「祖国に尽くした傷だから、これも名誉」 そして、夕日で赤く染まった空をゆっくりと見上げた。 いつ終わるとも分からない戦争。ウクライナは、ロシア軍の侵攻からまもなく1年を迎えようとしている。
(※本稿は毎日新聞大阪版の連載「漆黒を照らす」2023年1月17日付記事に加筆したものです)
Source: アジアプレス・ネットワーク