2024
01.24

<北朝鮮内部>金正恩政権の「秀才教育法」で進んだ不平等と腐敗 富裕層は教員に賄賂、一方で空腹で登校できぬ生徒も

国際ニュースまとめ

◆賄賂対策に教員の待遇改善するも効果薄

当局は、学校の外で盛んに行われている私的教育の原因の一つが、教員の劣悪な待遇にあるとして、教員の労賃を引き上げるなど、待遇改善に乗り出した。咸鏡北道(ハムギョンプクド)に住んでいる内部協力者B氏は次のように伝えてきた。

「教員に無条件で配給を出せという労働党の指示がありました。市党委員会が指示して、一般の企業から教員たちに食糧支援をするよう通知までしました。それで昨年7月から長粒米などで20日分の配給を与えているそうです」

B氏によると、教員に与える生活費も上がり、数年前から約1万8000ウォン程度が支給されていた。当局はさらに、2023年末に労働者・公務員の労賃を一斉に大幅に引き上げた際、教員の月の労賃を3万8000ウォン~5万ウォンほどに引き上げた。
*北朝鮮の1000ウォンは約18.7円。

一方で、同時に私的教育に対する当局の統制も強化されている。A氏は、教員が賄賂を受け取って放課後に私的な授業をする行為を根絶せよという当局の指示が、8月初めに下されたと伝えてきた。同時にすべての生徒を無条件に学校に登校させよという指示も出された。

それでも当局のジレンマはなかなか解決されそうにない。私的に授業を受ける生徒の大半が党幹部やトンチュ(新興富裕層)の子どもたちであるため、取り締まりの実効性について取材協力者たちは疑問を提している。

※アジアプレスでは中国の携帯電話を北朝鮮に搬入して連絡を取り合っている。

北朝鮮地図 製作アジアプレス

 

Source: アジアプレス・ネットワーク

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