12.12
冬はペットにとって「危険」な季節。これを知っておくだけでリスクが減らせる
クリスマスやお正月などのイベントが続く年末年始。ペットのワンちゃんやネコちゃんにとって、この時季ならではの身近なリスクが潜んでいることをご存知でしょうか。
飼い主さんが気を付けるべきポイントについて、獣医師の田邊弘子先生に伺いました。
ペットにも刺激的なシーズン
これから年末年始にかけては、クリスマスやお正月で今までなかった飾りが部屋に置かれたり、家にゲストが来る機会が増える時季で、ワンちゃんやネコちゃんなどのペットにとっても、刺激が多くなるようです。
「気を付けるべきは、クリスマスツリーや電飾、ポインセチアやシクラメンなどの鉢植えです。これらは普段は家の中では見かけないものなので、ペットにとって興味の対象になります。
まず、クリスマスツリーやそれを彩る電飾などは、倒されたりかじられたりしないよう、設置場所には十分注意してください。
装飾用のポインセチアや、この時期屋外の鉢植え等を防寒のため室内に入れる場合は、植物自体に毒性があったり(誤食したことで症状が出る毒性だけでなく、樹液に触れるとかぶれるといった毒性がある場合も)、油粕や魚粉といった肥料を誤食してしまうことがあります。
こうした事故を防ぐため、触れられないように囲いをする、あるいはペットが入れない部屋に置くといった対策を取りましょう。
帰宅時、装飾物や鉢の土が部屋中にぶちまけられていた時は、ペットを叱るより、まずペットに元気はあるか、吐いていないか、下痢はしていないか、口の中や体にケガをしていないかなどを確認して、少しでも異常を感じたら動物病院を受診しましょう」(田邊先生)
低温やけどにも要注意
本格的に冬本番の寒さがやってくると、ペットの暖房器具での事故のリスクもあるそうです。
「これから冬本番、ペットの暖房にホットカーペットや電気あんか、使い捨てカイロなどを使用している場合は、低温やけどに注意してください。
低温やけどとは、比較的低い温度(約40~50℃)の熱源に長時間触れていることで起きるやけどですが、条件によっては数十分熱源に触れていることで起きる場合があります。
被毛に覆われているペットは、皮膚の赤味・水ぶくれ等の低温やけどの症状に飼い主さんが気付きづらいですが、例えば、熱源に長時間触れていただろう部分を気にしていつも舐めている、確認しようとして触ると怒る、などは低温やけどをしている可能性があります。
こうした行動が見られたら、すみやかに動物病院を受診してください。
低温やけどは皮下まで達することがあり、重症化しやすいと言われています。その上、患部を舐め壊してしまうと細菌感染を起こしてしまい、治癒するまでさらに時間がかかることもあります。
特に、若齢や高齢、体調が悪いと起きやすいですが、元気な成犬や成猫でも熱源に触れたまま熟睡してしまうなどの悪い条件が重なると、低温やけどを起こすことがあります。
予防としては低温やけどを起こす可能性のある暖房は使用せず、できればエアコンで室温を20-25℃程度に保ち、保温性の良い敷物を用意してあげるといいでしょう。保温性のいい敷物としてはムートンがおすすめです」(田邊先生)
ペットは、飼い主さんが用意してくれた環境の中で生活するしかありません。これくらいは大丈夫、といった甘い判断が意外な事故につながりかねないので、ペットのリスクを減らす工夫を重ねましょう。
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Source: HuffPost