2023
10.21

<北朝鮮内部>農場現地からの最新報告(3) 都市からの「遠征盗賊」に苦しむ農村は厳戒態勢  農民は現金作りに四苦八苦 (最新写真4枚)

国際ニュースまとめ

◆国は農民の収穫物を安く買い叩き

当然のことながら農場員も現金が必要だ。衣類や靴、石けん、食器、学用品などの必需品を購入しなければならないからだ。そのため、秋の収穫後に農場から受け取る分配や、個人の畑の生産分を売ってきた。

――農村ではどうやって現金を得ていますか?
農民の現金不足が深刻だ。国では食糧を現金のように使えるように、農場商店で物々交換方式により生活必需品を購入できるようにしている。さらに現金が必要な農民については、国が作物を買い上げる。今年の収買価格はトウモロコシ1キロが2500ウォンに決められた。
※B農場以外の農場や地域でも収買価格は同一なのか確認できなかった。市場の販売価格が3000~3400ウォンほどなので、国の収買価格は非常に安い。日本の10円は約600ウォン。

今秋は異例にも、B農場ではトウモロコシを白米に交換している。貿易会社が輸入した中国米だが、トウモロコシ2.5キロで米1キロと交換していた。

左の畑には収穫したばかりの黄色いトウモロコシが置かれている。その上には作物盗を監視する小屋が。中央の畑では女性たちが集められ、点呼か会議をしているようにようだ。

――農民は食糧を商人に売らないのですか?
農場員たちは早く現金が必要なので、収穫前に商人から先に現金を前借して、秋に畑の収穫物を利子分をつけて渡す行為が横行していた。最近はこれを「非社会主義的現象」として厳しく取り締まっているし、今では食糧を個人間で売買すること自体を不法だとして認めていない。今年は(違反した場合)、全量を没収すると通知したそうだ。

――農場などの幹部の不正はありませんか?
機関や農場の幹部が、地位をたてにして私的な用途で食糧を農村から搬出することも取り締まり対象だ。しかし、農場では事業上の必要や、資材を購入するためにどうしても現金が要るので、これまでも商人に食糧を売ってきたが、最近はそれも厳禁になって、安全局(警察)と検察が介入して目を光らせている。(続く)

すべての写真は2023年9月下旬に平安北道の朔州郡を中国側から撮影したもの。(アジアプレス)
※アジアプレスでは中国の携帯電話を北朝鮮に搬入して連絡を取り合っている。

北朝鮮地図 製作アジアプレス

 

 

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Source: アジアプレス・ネットワーク

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