2023
10.11

<北朝鮮内部>農場現地からの最新報告(1) 収穫は昨年より好転も不作か 深刻な営農資材不足で限界 (最新写真4枚)

国際ニュースまとめ

畑の周辺に建てられた警備哨所。畑からの穀物盗難を監視する。道路脇の哨所は外部人員の農場への出入りも監視するとのことだ。2023年9月下旬に平安北道の朔州郡を中国側から撮影(アジアプレス)

◆収穫後の畑で分配は異例、農民は不満

――収穫作業は順調でしたか?
今年の収穫は、各作業班、分組別に行わないそうだ。異例にも1つの分組ずつ順番に集中して収穫作業をしていた。例えば、作業班全体で集まって1つの分組の収穫をやり、収穫高判定と脱穀場への入庫までを終えてから、他の分組の作業に移るやり方だ。理由は、分散して収穫すると穀物の管理がちゃんとできず、作業過程でなくなってしまう分が出てくるからだ。(食糧の)流失をとにかく最小限に抑えるのが目的だそうだ。

※協同農場には、稲作やトウモロコシ、野菜など、担当する品目別に作業班があり、その下に生産単位の分組がある。

 

――農民たちは分配を受け取れるでしょうか?
農場内部でも食糧統制を今年から厳格に行うことになった。農場員には分配を一度に渡さず、3カ月に一度、あるいは半年に一度に分けて配給形式で実施するそうだ。理由は、一度度に渡すとすぐ消費してしまって食べる分がなくなり、仕事に出て来られない農場員が少なくないので、それをあらかじめ防ぐためだ。ただ、農場員たちはまとめて一度にもらえないことに不満を言っていた。

今期の農場員への分配は、畑で穂のついたままのトウモロコシを渡すのが原則になった。脱穀すると電気を使うし、人員も要る。また(盗難防止の)警備人員も必要だし、運搬費用もかかる。それらを最小化するためだそうだ。

農場にとって、畑で泥棒からなんとか守ったトウモロコシを、脱穀場に運んだ後まで管理して守るのは大変なのだ。畑の周りには、獲ったばかりのトウモロコシを盗られないように警備詰め所がたくさんある。よそ者による泥棒を防ぐため、農場への人の出入りも厳しく統制している。(続く)

※アジアプレスでは中国の携帯電話を北朝鮮に搬入して連絡を取り合っている。

斜面の畑に積まれたトウモロコシ藁は乾燥させて役牛の餌にする。雑草が生い茂る場所が見えるが、当局が個人の畑を規制して耕作を放棄させた場所だと見られる。2023年9月下旬に平安北道の朔州郡を中国側から撮影(アジアプレス)

北朝鮮地図 製作アジアプレス

 

 

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Source: アジアプレス・ネットワーク

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