2021
08.03

「反マスク派」ポスターを剥がした女性、仕込まれていたカミソリで負傷

国際ニュースまとめ

<英カーディフの街角に貼られた「マスクには効果がない」と書かれたビラは、直接的にも間接的にも人を傷付けるものだった> イギリス南西部ウェールズ最大の都市カーディフ在住の女性が、「マスクには効果がない」と書かれた掲示物が貼られているのを見付け、それを剥がそうとしたところ、後ろに仕込まれていたカミソリの刃で手を切るケガを負う事件があった。 イギリスのITVニュースによると、「レイラ」という名だけが伝えられているこの女性は、7月27日、カーディフの街頭に貼られていた「マスクには効果がない」と書かれたビラを発見したという。 レイラはBBCの取材に対し、カーディフのカウブリッジ・ロード・イースト近くで、「反コロナのひどいデマを主張する」掲示物の存在に気づき、何か別のものに張り替えようと考えたという。 実は彼女はステッカーを制作するアーティストであり、自身がステッカーを作る理由の1つとして、「デマがはびこる風潮と戦うこと」を挙げているという。 マスクに意味がないと主張する掲示物を「何かもっと良いもの」に置き換えようとした際、レイラはその掲示物の後ろに留められていたカミソリの刃で手を切り、「長く深い切り傷」を負った。「信じられない気持ち」になったと、彼女は語っている。その後、彼女はすぐに医療機関で処置を受けたという。 「掲示物の裏にカミソリの刃が仕込んである、なんていうのは都市伝説だと思っていた。自分の身に実際にこんなことが起きるなんて信じられなかった」とレイラは言う。 投稿をでっち上げと決めつける人も この一件ののち、レイラはソーシャルメディアに、自身の手と掲示物を撮った複数の写真を掲載。この掲示物には「マスクには効果がない」という言葉のほかにも、「マスク:恐怖をあおり、『パンデミック』なるものを長引かせる、視覚に訴える小道具」との一文があった。 レイラはBBCに対し、ケガをした自身の手と掲示物の写真を投稿したところ、非常に幅広い、さまざまな反響があったと語った。手のケガが早く治るよう、祈る言葉をかけてくれた人がいた一方で、「いい気味だ――そのカミソリの刃を口に突っ込めば良かったんだ」といった言葉を投げつける人や、この投稿をでっち上げだと決めつける人もいたという。 「何か主張したいことがあって、それを掲示物に記すというなら、私はそういう人を止めるつもりはない。だが、誰かにケガを負わせるようなやり方はやめて欲しい」と、レイラは語る。「(掲示物に触るのが)子供だったかもしれない」 ===== イギリスでは現在、屋外の大半の場所ではマスクの着用は義務づけられていない。ただし、マスクが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大緩和に役立つことは、多数の科学的研究で示されている。 レイラはITVニュースの取材に対し、自身がすでに2度、新型コロナウイルス感染症に感染しており、その経験から「マスクに効果はない」と書かれた掲示物を撤去しなければという思いに駆られたと語った。 「『コロナはインフルエンザと同じ』といったデマ情報を数多く目にするが、それは完全に誤りだ」とレイラはITVに語った。「こうした内容のポスターやステッカーが広まれば、より多くの人が新型コロナウイルスに感染する事態を招いてしまう」 ITVの報道によると、レイラは事件が起きてまもなく、南ウェールズ警察本部にこの一件を通報したという。同警察本部の広報官は、この事件を認識しているとして、この件について何か知っている人がいれば申し出て欲しいと情報提供を呼びかけた。 (翻訳:ガリレオ) ===== <【写真】レイラが剥がした実際のビラと、カミソリの刃の写真> CW:// bloodI'd love to know, which fuckwit decides to put razor blades behind stickers?Pulled this anti mask bullshit down on Canton high street, and absolutely mulched my hand.Thankfully, it's fixed now, but ouch! pic.twitter.com/K7uymohHhq— N3KOcardiff! – making the world nicer! (@N3KOcardiff) July 27, 2021

Source:Newsweek
「反マスク派」ポスターを剥がした女性、仕込まれていたカミソリで負傷