07.06
七夕だけじゃない!7月は天体観測がおすすめ。流星群や月と惑星の接近、いつ見られる?
7月も惑星や月に注目です。夕暮れ空で一番に目についてきた金星は、7月に最大光度を迎えます。七夕やみずがめ座δ南流星群の出現もあるため、夜空に注目です。晴れた日の夜は天体観測をお楽しみください。
金星と火星が接近
7月は日が沈んだ後の西の低空で、火星と宵の明星の金星が輝きます。
7月上旬は火星と金星が近く、1日(土)には最接近するため注目です。日の入りから1時間後の火星と金星の高度は約15度と低いため、西の空が開けた場所から接近した様子をお楽しみください。
▼1日(土)に沈む時刻(東京)太陽 19:01 金星 21:25、火星 21:39
7月の満月、アメリカでは“Buck Moon”
7月の月は、3日(月)20時39分頃に満月の瞬間を迎えます。
アメリカの先住民は季節を把握するために、各月に見られる満月に名前を、動物や植物、季節のイベントなど実に様々につけていました。
農事暦(The Old Farmer’s Almanac)によると、アメリカでは7月の満月を「バックムーン(Buck Moon/男鹿月)」と呼ぶことがあるそうです。
7月は雄ジカ(=バック)のツノが生え変わる時期であることから、この名前がつけられたと言われています。
月が土星と接近
土星は空に昇るのが段々と早くなってきています。7月のはじめは夜遅くになると東南東の空に姿を現しますが、7月末には空が暗くなった頃には姿を現すようになるため、注目してみてください。
7月6日(木)~7日(金)には、月が土星に接近します。最接近は7日(金)14時13分頃の予想です。10日(月)の下弦に向けて欠けていく月と、0.7等の明るさで輝く土星の共演をお楽しみください。
▼7日(金)に昇る時刻(東京)月 22:12 土星 21:45
金星が最大光度
今年に入って宵の明星として西の空で輝いてきた金星が、7月7日(金)に最大光度を迎えます。マイナス4.7等もの明るさで輝くため、非常に目を引きそうです。
この頃の金星を望遠鏡で見てみると、三日月のような細くて欠けた姿に見えます。
金星は地球の内側を公転する内惑星で、地球から見ると太陽に照らされる面が変化していくため、満ち欠けして見えるのです。地球からの距離も大きく変化するため、見かけの大きさ(明るさ)も変わります。
最大光度の頃は、地球から見て太陽の光が当たる金星の面は4分の1ほどで、細く欠けた形に見えます。ただ、視直径は外合(※)の頃より4倍近くも大きいため、最も明るく見えるのです。
▼7日(金)に沈む時刻(東京)太陽 19:00 金星 21:07
(※)外合:内惑星が地球から見て太陽と同じ方向にあるときを「合」と呼び、太陽の向こう側での合を「外合」といいます。
7月7日は“七夕”
7月7日(金)は「七夕」。伝説では年に一度、「おりひめ星(こと座の一等星ベガ)」と「ひこ星(わし座の一等星アルタイル)」が、天の川を渡って会うことのできる特別な日です。
夏の大三角を形作る「おりひめ星」と「ひこ星」は、日が沈む頃にはすでに東の空に現れており、深夜には南の空高くに昇ります。
短冊に願い事を書いたら、おりひめ星とひこ星を探して空を見上げてみてください。
細い月が木星と大接近
木星は空に昇るのが少しずつ早くなっており、7月は夜半頃には空に姿を現すようになります。マイナス2等以上の明るさで輝くため、夜空の中でも目を引きそうです。
7月12日(水)の未明から明け方には、細い月が木星と大接近します。細い月と明るい木星が隣り合う姿は見物です。
▼12日(水)に昇る時刻(東京)月 0:05 木星 0:15 太陽 4:34
細い月が水星・金星・火星に接近
7月も日が沈んだ後の西の低空で金星や火星が輝き、中旬頃からは水星も姿を現します。金星は徐々に沈むのが早くなり、7月末には見るのが難しくなるため、その前に明るく輝く姿をお楽しみください。
7月19日(水)~21日(金)には、細い月が水星、金星、火星と次々に接近します。
日の入り30分後で、高度は水星が約7度、金星が約10度しかありません。また火星は明るさが1.7等と、日の入り後の明るさの残る空で輝く姿を見つけるのは難しいため、肉眼での観測は空が暗くなり高度が下がってからとなりそうです。
西の空が開けた場所から接近の様子をお楽しみください。
▼沈む時刻(東京)・19日(水) 太陽 18:55 月 20:11 水星 20:02 金星 20:22 火星 20:57・20日(木) 太陽 18:55 月 20:41 水星 20:03 金星 20:17 火星 20:55・21日(金) 太陽 18:54 月 21:07 水星 20:03 金星 20:13 火星 20:52
みずがめ座δ南流星群が出現
みずがめ座δ(デルタ)南流星群が、7月31日(月)3時頃に活動の極大を迎える予想です。
放射点(※)は東京で20時頃から空に昇り始めて、みずがめ座δ(デルタ)南流星群が見られるようになります。見頃は、放射点が高く昇る30日(日)深夜~31日(月)明け方です。
8月2日(水)に満月を迎えるお月さまが輝くため、月は直接視界に入れないようにして流星観測をお楽しみください。なお、月が沈む2時半頃から薄明が始まる3時過ぎ頃までが、最も流星を見やすくなります。
やぎ座α流星群の活動も同日に極大を迎えるほか、ペルセウス座流星群を含め複数の流星群も活動しています。このため、アストロアーツによると、空の条件が良いところで1時間あたり10個~15個ほどの流星を見られるチャンスがあるとのことです。晴れたら空を見上げて、流星観測をお楽しみください。
※放射点:流れ星(群流星)が飛び出してくるように見える天球上の点で、流星群に属する流れ星はこの点を中心に放射状に流れます。
参考資料など
国立天文台「ほしぞら情報」https://www.nao.ac.jp/astro/sky/
国立天文台「暦計算室」https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/
アストロアーツ「星空ガイド」 https://www.astroarts.co.jp/
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Source: HuffPost