06.27
「アジア人をばかにする白人男に捧げる」リナ・サワヤマ、人気バンドのフロントマンをフェスで批判「いい加減にしろ」
あわせて読みたい>>「この世の地獄」を生き抜く。歌手リナ・サワヤマがシングルマザーの母親に向けた曲と、自身の成長
「いい加減にしろ」
ロンドンを拠点に活動する日本生まれのシンガーソングライターのリナ・サワヤマが、Podcastの番組で人種差別的な発言をした人気アーティストに対し、フェスのステージ上で批判した。
サワヤマは、6月下旬にイギリスで開催された大型野外フェス「グラストンベリー・フェスティバル」に出演。自身の楽曲「STFU!」を歌う前、曲の紹介とともに次のように述べた。
「マイクロアグレッション(※)は、もううんざり。だから次に歌うこの曲を書いた。今夜はこの曲を、差別的なポルノを見て、Podcastでアジア人をばかにする白人男に捧げる。しかも彼は私の原盤権を持っている。いい加減にしろ!」
※「マイクロアグレッション」とは、明らかな差別に見えないものの、人種・民族、ジェンダー、性的指向などにおけるマイノリティを対象に、相手が属する集団に対する先入観や偏見をもとに、その人個人をおとしめるメッセージを発する日常のやりとり。悪意の有無は問わない。
発言の経緯は?
サワヤマは批判した相手の名前を明らかにしなかったものの、この発言はロックバンド「The 1975」のフロントマンであるマシュー・ヒーリーに向けたものだとみられている。
The 1975は、サワヤマと同じインディ・レーベルの「Dirty Hit」に所属しており、ヒーリーは2018年12月から2023年4月まで同社の取締役を務めていた。
ヒーリーは2月、Podcast番組『The Adam Friedland Show』に出演。番組で、司会のアダム・フリードランドらとともにラッパーのアイス・スパイスを嘲笑したほか、アイス・スパイスのルーツを中国やハワイなどと誤認した上で、それらの地域のアクセントを揶揄するような会話を繰り広げた。
また、番組でヒーリーは人種差別的で残虐性のあるポルノ動画を視聴していることを話題にした。フリードランドが日本人の英語のアクセントを真似し、ヒーリーら出演者が笑う場面もあった。
このPodcast番組の公開を受け、ヒーリーらに対して批判の声が広がった。その後、ヒーリーはニュージーランドでのライブ中、アイス・スパイスに対しこう述べた。
「怒らせてしまったなら、少し悪かったなと思う。僕の冗談が誤解されたことが腹立たしいんじゃない。アイス・スパイスに嫌な奴だと思われたくないからだ。愛してるよ、アイス・スパイス。本当にごめんなさい」
@consequence Rina Sawayama didnt mince words about Matty Healy at Glastonbury. #rinasawayama#mattyhealy1975#glastonbury
サワヤマが、こうしたヒーリーの一連の言動を念頭に「いい加減にしろ」と諌めた後に歌った「STFU!」は、アジア人女性である自分が体験してきたマイクロアグレッションへの怒りを表現した楽曲だと、2021年のインタビューで明かしている。
差別的な言動への「NO」を示すサワヤマのステージ映像はSNS上でも拡散され、反響を呼んでいる。
Source: HuffPost